2014.4.14

2013年度法学検定試験への取組み

2013年度法学検定試験への取組み

 本学経済学部は、現実の経済・社会制度を深く理解し実践的な能力を獲得するための教育を目指しています。その一環として、経済学の隣接分野ともいえる法学に関する科目を多く設置しており、本学部のカリキュラムの特色の一つといえます。学生のみなさんのキャリア形成にとっても、経済学と同時に法律学を学んでおくことは各種資格試験・採用試験等に挑戦する際の有効な武器となります。

 経済学部では、法学系科目も勉強している学生の皆さんの将来のキャリア形成に向けた意識づけの手段として、法学検定試験の受検を推奨しています。本学は昨年度より、法学検定試験(ベーシックコース・スタンダードコース)の団体受検校としての認定を受けており、本学の学生であれば本キャンパスで受検することができます。また、今年度は一般受検よりも割安な料金で受検できるようになりました。

 今年度、本学からは、ベーシックコース13名、スタンダードコース3名、およびベーシック・スタンダード併願1名の計17名の学生が法学検定試験の受検を申し込み、試験当日も17名全員が欠席することなく受検しました。惜しくも一歩及ばなかった受検者もいましたが、本学からは、ベーシックコース8名、スタンダードコース3名が合格しました。また、スタンダードコース合格者のうち1名は個人表彰(最高得点者とそれに準ずる成績の若干名)まであと一歩という非常に優秀な成績で合格しました。

 また、今年度より、本学の「学長奨励賞」に、ベーシックコース(努力賞)とスタンダードコース(学長奨励賞C)が対象資格として加わることになりました。今後も、本学経済学部は、法学を勉強したい学生に対し、組織一丸となって積極的にサポートしていきます。

 最後に、スタンダードコース合格者3名(公文大君・田中克樹君・松下一希君)、およびゼミ担当教員のコメントを以下に掲載します。

公文 大(経済学部3回生・松村ゼミ)

 私は経済学部に所属しながらも、2回生からの専門演習では会社法の松村幸四郎先生のゼミを選択しました。とくに法律学に興味をもっていたという訳ではなく、1回生のときのゼミ(大学入門演習)の担当教員が松村先生であったため、先生の担当されているゼミを選択したというのが正直なところです。
 ゼミでは最初は法律学の基礎となる民法を学んでいきました。時事的なテーマや身近な話題を民法学の基礎的な概念を用いながら分析していく訓練を繰り返していくゼミに参加するなかで、私の法律学に対する意欲が高まっていきました。
 そうした中で、法学検定試験の団体受検が本学で実施されることを知りました。法学検定試験は、法学に関する学力水準を客観的に測る検定試験であるとのことでしたが、受検をどうしようかと少し迷いました。ただ先生からは、昨年度には松村ゼミの先輩である片山さんがスタンダードコースに合格しているということを伝えられたこともあって、何となくですがやる気が出てきました。また、他流試合で引けを取らないようにしなければならないとも思ったことから、スタンダードコース(法学部3年生修了程度)を受検することを決めました(なお、昨年度の法学検定試験の合格体験記は、 http://www.hannan-u.ac.jp/faculties/economics/mrrf43000000qgql.html  にあります)。
 受検を決めたのが遅かったこともあり、問題集を購入したのは8月上旬でした。夏休み中に集中して問題に取り組むことにしました。試験範囲の広さから、最初はとてもてこずりましたが、夏休み中のゼミ勉強会で先生に質問したり、先生から推奨された法律書を精読することによって自分の中の不安を解消していきました。法律書を精読することは回り道のようにも感じましたが、徐々に面白く感じるようになってきました。
 夏休みが終わったころには、問題集の問題も一通り解き終わったため、先生には授業以外のところでも指導してもらい学修を進めていきました。11月には月曜日から金曜日までの6限の時間帯に松村先生の勉強会があったので、ほぼ毎回参加しました。余談になりますが、自分たちで自主的に勉強会を開きたいという気持ちも出てきたことから、法学研究会というサークルも結成しました。サークルには前年度合格者である片山さんにも加入してもらい、アドバイスなどを聞く機会を増やしました。

 このような勉強を続けたこともあり、法学検定スタンダードコースに合格することができました。初めは自信のなかったこの検定に合格できたことで、やる前から自分の可能性を決めつけず挑戦してみることの大切さが分かり、難しいと思うことでも、目的を持ち、正しい順序で勉強を進めていくことで結果がついてくるのだと実感しました。
 これからは勉強の幅をひろげ法律学の勉強を続けていき、さらに上の試験を目指して努力していきたいと思います。

田中 克樹(経済学部3回生・松村ゼミ)

 2回生のゼミをどこにしようか考えていたとき、友人から法律学を専攻する松村ゼミに誘われたという非常に些細な偶然から法律学に触れることになりました。はじめは新たな分野の学問に「法律学とは固く難しいものではないのか」と戸惑いながらゼミに出席していました。ただ、ゼミや履修科目で勉強を続けていくなかで、法律学に馴染みを感じるようになってきて、しばらくたつと「難しいが味わい深い」という感覚に変わっていきました。毎回のゼミでの内容についていくのがやっとであったのが、「どういう風に考えていくのだろう」というように、自分から自然と考える姿勢になっていくにつれ、より深く法律学を学びたいという意欲が出てきました。
 そうなりますと、現在の自分の法律学に対する理解がどの程度のものであるのか、という現在の立ち位置を知りたくなってしまいます。そんな矢先、ゼミの中で勧められたのが法学検定試験の受検でした。法学検定試験は、法学に関する学力水準を客観的に測る事の出来る試験だということを聞き、受検することを決意しました。やる以上はしっかりと取り組みたいということもあり、目標を法学検定試験スタンダード<中級>コース合格に絞り込みました。

 試験範囲が憲法・民法・刑法・選択科目と広範囲だった事と問題数の多さには、さすがに戸惑いを感じたものの、覚悟を決めて取り掛かることにしました。普段はあまり目にしない法律用語に苦労し、試験勉強は難航しました。しかし、同じ目標を持つ学生同士のコミュニケーションを通じて確実に基礎的な知識を定着させていきながら、松村先生に質問をしていくなかで、ようやく試験勉強をしているという実感がわいてきました。少人数ではありましたが補講を利用した長時間の集中講義や、自主的な勉強会を通じて、これまでは遠かった合格が近くに感じられるようになっていきました。この自主的な勉強会は法学研究会というサークル結成に発展し、私もその創設メンバーの一人となりました。
 試験直前にはこれらの大学での勉強はもちろん、自宅でも1日5時間以上の時間を試験対策に充てました。また移動時間などの空いた時間にも問題集を開くようになり、法律学に馴染んでいっていることを感じました。そうした気持ちで受検の日を迎え、結果として法学検定試験スタンダード<中級>コースに合格することができました。
 私自身が考えている将来の進路のなかには、必ずしも法律学が中心にあるわけではありません。しかし、この試験を通じて、何事も表面をただ覚えるのではなく理解する事が大切だということが解りました。物事を正確に把握・理解したうえで、筋道を立てて考え、的確に判断することの大切さを学び、そうしたことが何気無い日々の生活の中で活かしていけるのではないか、と思っています。

ゼミ担当教員のコメント

 本学部は法律系の専任教員が4名所属していることから、経済学部であっても法律学の基礎的な能力を身に着けることができるカリキュラムとなっています。そのことは本学部の学生の皆さんにとってプラスになるものと思っています。ただ、本学部は経済学部ですので一見すると法律学とは無縁のように感じますし、学生の皆さんもそのように思っていたようです。
 本学部の良さを知ってもらいたいという思いから、その取り組みの一つとして法学検定試験の受検を勧めました。法学検定試験のような全国で法律学を学ぶ方々が受検するに取り組むことで、学生の皆さんにはそれぞれが何かを学びとることが出来ると思いましたし、たとえ合格しなかったとしても、懸命に取り組んでいくなかで、それぞれが自分自身の課題に気づくことが出来ると考えたからです。
 私のゼミからはスタンダードコースの合格者が2名出ました。
 公文大君は法学検定試験の勉強を通じて、法律学に対する興味が一段と深まったようです。公文君の場合には単に合格しただけではなく、個人賞(合格者の中でも上位)にあと一歩であったとの連絡を法学検定試験委員会事務局より受けております。本人は少し悔しい思いをしたようで、さらに法律学の勉強に励んでいます。
 田中克樹君も法学検定試験の勉強を通じて法律学の面白さも感じたようです。ただ公文君とは若干異なって、法律学に拘泥することなく自分自身の視野を広げる機会と位置付けているようです。
 いずれにしましても、法学検定試験の受検は強制ではなく学生一人一人が自ら判断して受検をしています。両君の合格体験記にもありましたが、試験勉強を進める中で法学研究会というサークル(大学公認サークル)を結成しています。試験勉強は決して楽なものではありませんが、両君に限らず今年度受検をした全員が逃げることなく取り組んだことで、それぞれ何かを得たように感じています。
(松村 幸四郎)

松下 一希(経済学部3回生・植村ゼミ)

 私は2回生のときにある事がきっかけで民法という法律分野がとても身近なものだと知り、興味が湧き独学で勉強をしていました。所属する経済学部では、専門演習(ゼミ)で専攻していたのが「独占禁止法」と呼ばれる法律で、市場での競争を促進するための法規制を違反事例の分析を通じて学んでいました。独占禁止法は、私がこれまで独学で勉強していた民法とは少し分野が異なりますが、法律分野特有の専門用語や違反事例の分析等を通じて、法律学に関する基礎知識を幅広く修得することができたと思います。ある時、ゼミの先生から「法学検定試験」という検定試験があるからチャレンジしてみないかというお誘いを受け、初めは特に興味がなかったのですが、これからも法律学を深く勉強していきたいと思っていたため、その基礎作りになると思い受検を決意しました。
 3回生では、今まで民法しか勉強していなかったため、他の試験科目である憲法や刑法等の勉強方法に困っていましたが、経済学部には専任の先生による法学検定試験の対策を内容とした特別講義(特講)が開講されていたため、憲法、刑法の特講を中心に法律科目を履修しました。講義内容としては、法学検定試験の問題集をただやるのではなく、実際の試験問題よりレベルの高い内容に触れながら、検定試験のポイントや重要な部分を押さえ、法律分野特有の難しい言い回しを比較的馴染みのある言葉に変換して説明してくれるなど、初学者にもやる気があれば十分理解できる質の高い講義であったと感じています。これら特講科目の内容は、直接的には検定試験合格を目指したものでしたが、履修を通じて、より幅広い法律学の知識を身につけることができたと思います。一般的に、法律の勉強は、初めは慣れない言葉に苦労します。私の場合もそうでした。しかし、わからないなりにも継続的に粘り強く法律に触れているうちに自然とわからなかった言葉の意味がわかるようになり、また、最初は読んでも理解出来なかった法律書の内容が理解できるようになります。そうなると法律の勉強が楽しくなります。
 講義以外での勉強方法としては、問題集を解くことを中心に解説を読んだり、問題と並行して法律書を読みながら六法全書を開き条文を確認したり、夏休みには先生にお時間を頂き勉強会を開いてもらって昼から夜まで勉強したりしていました。私の場合、法学検定試験までの期間は長くあったため、焦らずゆっくり勉強を進めていました。日々絶えず行ってきた勉強と先生方の熱心な指導もあって、昨年の法学検定試験では、ベーシック(基礎)とスタンダード(中級)の両方に合格することができました。
 今回の受検を通じて幅広く法律に触れることができ、また、単に本に書かれている知識を蓄えるだけでなく物事を色々な角度から見る能力の必要性、実質論・形式論・法律論の構成などを知ることにも繋がりました。今回の経験を生かして、残りの学生生活は今よりも勉学に励み、より高い目標と向上心をもって難解といわれている国家資格などにも挑戦していきたいと考えています。

ゼミ担当教員のコメント

 松下君はゼミでの課題にも積極的に取り組み、他の学生の模範となるようなパフォーマンスを発揮してきました。以前からゼミで専攻する独占禁止法以外にも幅広く法律に興味を持っていることを知っていましたので、法律学習の目標の一つとして法学検定の受検を勧めました。ゼミの時間には、法学検定の試験科目について具体的に指導することはありませんでしたが、関連科目の授業を積極的に受講し、担当の先生と絶えずコミュニケーションをとりながら、自らの目標に向けて継続的に努力している姿勢を感じることができました。その成果が今回のベーシック及びスタンダードの両方の合格につながったものと考えています。ゼミでのプレゼンテーションにおいても独占禁止法に関する課題に民法の視点を取り入れて難解な判例の分析に取り組み、素晴らしい成果を残してくれました。今回の合格を自信とし、今後さらに法律の勉強を継続し上位の資格等に挑戦してもらいたいと思っています。
(植村 吉輝)

※この学生教育研究活動は阪南大学学会より補助を受けています。