2020.3.2

タイにおけるマングローブ植林とボランティア活動-「外なるグローバル人材」の養成-

活動テーマ:タイにおけるマングローブ植林とボランティア活動-「外なるグローバル人材」の養成-
産学連携先:アズトラベルサービス株式会社


 石井キャリアゼミは、その発足の当初から、一貫してタイを中心に、①地球温暖化問題対策の一環としてのマングローブ植林、②現地の人々との交流を通した異文化理解の2つのボランティア活動を課題に取り組み実践しています。最近の4年間は、タイのプーケット島と首都バンコクをフィールドに、上記活動の他に、豊かな経済社会・タイの中の<貧困問題>をトピックスにして、バンコク・クロントゥイ地区のスラム街の視察などを盛り込み、各自の独自設定のテーマによるFWを組み込んだ内容の濃い多彩な活動を展開しています。今年も9月3日~10日の期間、2・3年生合同のゼミを編成(36名)による課外活動を実施し、多くの有益な成果を収めることができました。今年の新たな試みとしては、「サイアムダイキンセールス社」を訪問し、タイで赴任している駐在員の方の働きぶりやバンコクでの生活事情などについてお話を聞く機会を得ました。将来のキャリアを思案している学生たちにとって、グローバル人材の一つの具体像を実感し理解したことは、大変貴重な勉強となりました。
 こうして得られた成果を<かたち>にするために、2年生はグループ単位で、3年生は各自それぞれ『タイ研修成果報告資料』(PW)を作成し、全員に口頭報告を行ってもらいました。まだまだ「考え抜く力」は弱いものの、タイでの実践活動やFWのFACTファインディングをきっちり整理して表現する技法の習得の養成という点では、将来のキャリアにつながる成果が得られたのではないかと思います。それ以上に、タイという国・社会に自分の問題意識を交差させて向き合い、それを通して、日本の現在の状況と自分の立ち位置、それから将来に向けての抱負や進路などにまで踏み込んだ「成果」が散見されたのは、望外の収穫でした。

学生活動状況報告

 昨年に続き、今年もタイの研修に参加し、プーケットでは、毎年恒例の孤児院の子供たちとの多彩な交流活動、マングローブ植樹のボランティアとバングラン村の訪問、首都バンコクでは、スラム街の視察を通した貧困問題についての理解を深めることができました。
 これらの活動を2回生、3回生の皆で懸命に取り組み、そのプロセスの中で実に充実した豊かな時間を過ごし、その中から、皆それぞれ様々な心に響くものを感じ取れたと思います。私の場合、それぞれの活動に共通している、誰かのために何かをする事の意味や価値、その大切さに気付くことができました。それは、私は偶然に日本に生まれ不自由なく生活できていますが、孤児院の子供たち、スラム街に住んでいる社会の底辺の貧困層の人たちは、生まれ育った制約の中で、決して自由で豊かとは言えない生活をしている、そんな人達のために環境に恵まれた私たちが何かをすることの大切さ。こうした想いが凄いことではなく、同じ人間として、ごく普通のことだと現地で気付くことができました。
 石井ゼミのこの海外研修をきっかけに、将来にわたって、タイやその他のアジアの国々と携わる仕事や生活を通じて、少しでもその助けになるような、そんな人生を送りたいと強く思うようになりました。

経済学部 3年生 藤尾 颯也

 石井ゼミでは、海外研修でタイに約1週間滞在し、プーケット島では、異文化理解をベースにマングローブ植樹や孤児院での子供たちとの多彩な交流を通してボランティア活動を体験しました。マングローブ植樹は、地球温暖化問題の対策を目的として実施し、孤児院での活動は、2004年に発生したスマトラ沖地震の津波の影響で親を亡くした子供たちと一緒に日本の伝統的遊びやフットサルなどのスポーツを行って交流を深めることができました。
 また、首都バンコクでは、タイの経済が急成長するなかで、大都市の中にあって、豊かで快適な生活とは対照的なスラム街を歩きながら、タイの貧困生活はどのようなものかを実際に現地で考えました。自由時間を使っての各自のフィールドワークでは、タイのバンコクでは食文化を体験し、リゾート地としても有名なプーケットでは、美しいビーチや現地ならではの繁華街散策を楽しむことができました。熱帯のタイは熱いですが、とても快適で、しかも物価も安いので、私たちでも様々な体験を積むことができました。この石井ゼミの海外研修で得たことは、今後のキャリアを考え、そのさらなるアップの貴重な財産になると思います。

経済学部 3年生 武田 周晟

参加学生一覧

大西 駿也、門屋 凌真、川合 玲奈、日下 眞、小石原 由香、谷 龍太郎、出口 雄介、廣兼 汰生、藤尾 颯也、古川 れい、森中 知穂、吉田 紳一郎、吉光 祐貴、勝田 眞奈、白濱 茉穂、久保 海斗、林 泰成、井筒 貴哉、内田 成、樫根 亮太、下坂元 快、武田 周晟、巽 亮斗

ゼミ集合写真

連携団体担当者からのコメント

アズトラベルサービス株式会社 代表取締役
柴辻 章 様

 石井ゼミのタイ研修旅行は本年度もバンコクとプーケットを訪問しました。バンコクには2年連続、プーケットには4年連続の訪問になります。学生の皆様の意見ではバンコクとプーケットの「都市」と「リゾート」という雰囲気が違う場所を訪問するほうが楽しいらしいので今年もこの2か所を訪問する予定になると思われます。
 毎年思う事ですが2年生・3年生が2年間連続で参加されるので3年生の皆さんとは2度旅を共にすることになりますが1年間でこんなにも立派に変わるものかとその成長が身近に感じられて嬉しく思います。これは添乗として同行する私の秘かな楽しみの一つでもあります。
 ゼミの活動としては今回初めてバンコクで「サイアムダイキンセールス社」を訪問させて頂きました。現地の横山社長様のご厚意で温かく迎えて頂き感謝しています。今年のゼミ研修旅行でも訪問を予定していますし現地からも是非訪問してもらいたいと連絡を頂いております。
 またバンコクでは前回訪問しましたスラム地区で活躍されている「ドゥアンプラティープ財団」を今年も訪問しスラム地区の幼稚園で交流を深めました。
 プーケットでは今年で4年目になる活動として「サンシャインヴィレッジ財団の孤児院訪問」とバングラン村での「マングローブ植樹」を行ないました。訪問を重ねる事に現地の皆さんとの交流が深まり毎年の訪問を年行事にして頂いているので今後ともプーケットでの活動は続けて行きたいと思います。
 サンシャインビレッジの孤児院では孤児たちが毎年大きくなっていくのでその成長を見守るのもこの活動の意義の一つでもあります。

教員のコメント

経済学部
石井 雄二 教授

 タイの現地において街角や路上歩きで、参加した学生たちは、実に多くのことを肌で感じて、そして貴重な体験したことと思います。しかし、重要なことは、自分の問題関心を絡めて、徹底的に「考え抜く」という姿勢と構えがなければ、たんなる体験でしかありません。「考え抜く」ことが大事なのは、一つには、タイからの学びを<かたち>にして、第三者に話したり、書いたりするなどして表現して、客観的に明確に伝えることができなければ、せっかくの体験にさらなる価値が付加されない、という点にあります。そのうえで、タイを通して、日本の抱える現在の問題を解決する思考回路を持てるようになってもらえれば、タイ研修の課外活動としては、これ以上の成果はありません。自分の将来のキャリアのみならず、学生たちが、そのまっただ中で生きる近未来の日本と世界の状況を予測し、広く人々が「幸せ」になる途を探求してくれれば、こんな嬉しいことはありません。マングローブ植林それ事体は「緑の地球」を守るために重要ですが、各自の成長と学びにとっては、そこに至る一つのきっかけにして、その突破口として考えてほしいと思っています。