2019.3.7

インバウンド観光客を取り込んだ大阪の着地型観光によるまちづくり

活動テーマ:インバウンド観光客を取り込んだ大阪の着地型観光によるまちづくり
産学連携先:すみれナレッジ


 キャリアゼミとしての活動として、大阪の「着地型観光」を視野に入れて、急増する来阪のインバウンド観光客を取り組んで、「商店街振興」などの「まちづくり」のあり方を探求することを課題としています。それに具体的にアプローチするステップとして、外国人観光客が足繁く訪れる観光スポットを回ってフィールドワークを行い、特に通天閣界隈の一角、周囲の賑やか空間とは対照的に、現在シャッター通りと化した「新世界市場商店街」の振興・活性化について検討しました。
 今回行われたフィールドワークを通して感じたことは、訪日観光客の多さだ。大阪城・ミライザ、中之島漁港、通天閣・新世界市場商店街、黒門市場に行った。特に大阪城では、日本人よりも訪日観光客が圧倒的に多いということが実感できた。実際、ミライザの辺りや、館内、通天閣、黒門市場にも日本人はほぼほぼ居らず、訪日観光客がほとんどだった。今回の調査で訪日観光客の印象は大きく変わった。その理由は、ツアーで訪れるのではなく、個人で訪れている観光客が多いな、というものだった。そういう人たちの為に、標識や看板は色々な種類の言語が記載されていて、訪日観光客も安心して楽しめると感じた。
 新世界市場商店街(=シャッター商店街)の再生・活性化にむけて私が考えたアイデアは、VR(バーチャル・リアリティ)を使った案である。その内容は、商店街の普段シャッターが下りている通りをVRの機能を用いて、シャッターが上がっている様子を投影し、実際に練り歩いてもらう。そして気に入った店をメモして、終着点に道の駅を作り、気に入った店の商品を購入するといったもの。この方法を用いる利点は、同じ製品をほかの店で売られている場合、どちらが安いか・多く入っているかなど、少しの違いを並べて比べることができるという点である。これによって珍しさや、現代らしい機能が話題になり活性化に繋がるのではないかと思った。

学生活動状況報告

 石井ゼミでは、昨年度に続き、訪日外国人観光客のフィールドワークをふまえて、大阪市内の観光
スポットを巡検し、特にインバウンド観光客の急増する街中の通天閣界隈の一角にあるシャッター通り化した商店街の再生・活性化について考えました。以下は、私の活動成果の一部の概略です。
 特に大阪城では日本人がほとんどいなかったのが印象的でした。外国人がたくさんいて、その中でも中国人や韓国人などのアジア系の観光客の多さが目につきました。日本人はほとんどいなくてランニングなど体を動かすために来る人の他は目にすることはなかった。新世界・黒門市場なども行ったが、外国人は中国人や韓国人などのアジア系の人が多くいて、欧米人などはあまりみられませんでした。大阪城には欧米人もたくさんいて屋台なども多くの人が並んでいて、食べ物もたくさん食べていたので大阪の観光地の売り上げのほとんどが外国人観光客のおかげではないかと推測できました。
 新世界市場商店街はシャッターが閉まっている店がたくさんあり、商品もおばあちゃんやおじいちゃんが買いそうなものがたくさんありました。もっと若い人向けのものを揃えたり、新世界にあるので大阪はコレと言えるようなものを揃えて売ったりすると再生・活性化につながると思います。新世界は串カツが沢山あるというイメージしか自分の中でないので、串カツ以外にも通天閣をモチーフにしたお菓子や雑貨類、ビリケンのぬいぐるみなど新世界を全面に押し出した商品を開発していけば良いのではないかと考えます。レトロな雰囲気はとても良いと思うのでレトロな雰囲気は残しながら、新しい感覚の商店街になってほしいと思います。
経済学部 2年生 下坂元 快

参加学生一覧

(3年)
奥田 大雅、藤本 一輝、縣 弘樹
(2年)
門屋 凌河、小石原 由香、出口 雄介、廣兼 汰生、藤尾 颯也、森中 知穂、吉田 紳一郎、吉光 祐貴、勝田 眞奈、白濱 栞穂、久保 海斗、林 泰成、井筒 貴哉、内田 成、樫根 亮太、下坂元 快、武田 周晟、巽 亮斗

ゼミ集合写真

連携団体担当者からのコメント

すみれナレッジ
代表 岡部 佳子 様

 学生さんたちは街に出ると何となく外国人が多いなぁと感じていた程度というのが現状でした。そこで、座学ではまず訪日状況、「モノ(買い物)からコト(体験)へ」と求めるものが変わってきている中で、全く買い物をしなくなったわけではなく「爆買い」から「まとめ買い」になっている現状、日本より進んでいるスマホの活用などを紹介しました。一方で質問を投げかけると真剣に考え的を得た回答をしてくれたり、若者ならではのユニークな意見など活発に発言してくれたりしました。
 また、外国人観光客でにぎわっている街がある一方でシャッター商店街がある、その現状を紹介しました。座学ではあまりイメージできなかったようですが、フィールドワーク時には大阪城では外国人の多さに驚き、新世界市場では座学での話が腑に落ちたようでした。こういった現状を目の当たりにし、今後学生さんから、シャッター商店街を活性化する斬新なアイデアが出てくることを期待します。

教員のコメント

経済学部
石井 雄二 教授

 大阪の街にインバウンド観光客が急増する中で、学生たちと一緒に学び、学生たちに伝えたかったことは、いずれ訪日観光客が仕事の場を求めて来日し、近い将来生活をその人たちと共にしたとき、日本人のアイデンティティが問われ、様々な問題を相互に理解によって解決しなければならい、ということです。近々国内で異文化が相互にぶつかり、それを受容する過程で摩擦や軋轢が生じる「内なるグローバル化」が進む中で、共に豊かに平穏に暮らす社会を作るために、その解決策を見出すことが必ず必要となってきます。外国人が日本に定住する社会という広がりのある展望に立って、インバウンド観光と街づくりの観点から、その第1ステップとして、昨年度に引き続き、キャリアゼミ活動を行ってきました。
 座学を踏まえ、訪日外国人観光客が大勢押し寄せる観光スポットを回ってきましたが、特に重視しているのは、新世界界隈の一角にある「新世界市場商店街」に注目し、その印象を感じ取ってもらったうえで、このシャッター通り化した商店街の再生・活性化についてのアイデアを考えてもらうことでした。この商店街の周辺で特筆すべきことは、数年後には新今宮駅前に星野リゾートのホテルが進出し、そのことによって、新世界界隈に大きなインパクトを与えるということです。また民泊新法の施行以降、宿泊施設やホテルが乱立する環境変化の中で、この商店街がどのようになるのか? どのように再生・復興するのか?を深く掘り下げて考え、知恵を絞り皆で出し合うことは、必ず将来の外国人との共生社会を形成するうえで有益な活動になるという想いで取り組んできました。最後に、招聘して授業を行い、またフィールドワークで指導くださった岡部佳子先生のアドバイスや豊富な知見に対して、感謝の意を表します。