2019.2.7

タイにおけるマングローブ植林とボランティア活動

活動テーマ:タイにおけるマングローブ植林とボランティア活動
産学連携先:アズトラベルサービス株式会社


●継続的な産学連携と活動の持続性-マグサイサイ賞受賞・プラティープ女史との邂逅
 石井キャリアゼミは、東南アジアのタイを中心にボランティア活動を展開しています。
 これまで、試行錯誤の連続で進化・発展を遂げてきましたが、今年でまる20年の活動実績を積み重ねてきました。ここ10年間ばかりの活動は、一貫して変わらず、①地球温暖化対策の想いを込めてのマングローブ植樹、②異文化理解を通じた現地の人々との多彩な交流活動を主要な2つ目的としています。
 ここ3年間は、タイのプーケット島およびバンガー湾にフィールドを固定して、毎年同じエリアで活動することによって、より成果を高めるという方針を採用しました。定着しての活動の方が、現地との交流も格段に深まり、情報交換や共有を通した相互理解がより促進され、学生たちの意欲が強まり、達成感や充実感の面でも大きな成果があげられると考えたからです。今年も、9月の台風21号の甚大な被害により関空が使用不可能になり、当初に日程を大幅に延期して、11月2日~8日の期間に実施を余儀なくされましたが、当初の2つの目的を実現することができました。
 マングローブ植林については、昨年腰まで水につかりながらの苦闘の中で植樹した苗期が、みごとに生育しているのが確認できました。今年は、
 潮が引いた後の乾地での比較的楽な作業でしたが、カチカチに乾いた土を振り返す力仕事が必要となりました。またスマトラ沖地震の津波被害で親を亡くした子供たちが収容されている孤児院(サンシャイン・ヴィリッジ)を訪問し、昨年同様スポーツ系(フットサル、縄跳び、バスケットボール等)、室内系(折り紙、塗り絵、紙飛行機など)のアクティビティを行い、厨房での調理を手伝って全員で昼食を共にしました。
 今年は、うえの2つの目的に加えて、いまや世界的に有名になったバンコクの「ドゥアン・プラティープ財団」を訪問し、港湾エリア・クローン・トゥーイのスラム街を視察することができました。港湾労働者の集住するスラムの子供たちの救済活動により、アジアのノーベル賞ともいわれる「マグサイサイ賞」を受賞したプラティープ女史から、直接講義形式のお話を拝聴する機会に恵まれました。スラムの歴史や子供たちの支援プログラムの貴重な女史からのお話の後、家屋が密集し迷路になっている複雑な路地を歩きながら、スラム街の生活実態と子供達の暮らし向きの様子の一端を視察することができました。これは、長年石井ゼミで実績を重ねてきた延長線上での今年のビッグ・イベントです。

●バンコクのスラム街の視察-得難いプラティープ女史からの直接の講話の機会
 研究者やボランティア活動でスラム街の貧困問題と救済に関わっている人であれば、プラティープ・ウンソンタム女史と夫の秦氏を知らないはずはないほどに、女史の名前とその名を冠した財団は世界的に名高い。バンコク・チャオプラヤ川港湾エリアのスラムの子供たちのために、「1日1バーツ学校」を始め、スラムの生活の改善と子供たちの救済に献身的に取り組み、1978年に「プラティープ財団」が設立された。こうした活動が高く評価され、同年女史は「マグサイサイ賞」を受賞し、のちに国会議員にまでなり、今日まで変わらぬ活動を一貫して粘り強く取り組まれている。
 石井ゼミ総勢31名、11月6日(火)に「プラティープ財団」を訪問し、外部の者が容易には立ち入れないスラム街を視察する貴重な機会を得ることができた。しかも、プラティープ女史から直接、懇切丁寧なその当時のスラムの実態や極貧の生活実態、子供たちの教育プログラムと生活環境の改善の苦労話を拝聴することができた。映像を交えてのビジュアルな理解が可能な配慮をしてくださったおかげで、いつものゼミの授業風景とは異なる厳粛な雰囲気の中で、急成長を遂げるタイの先端・先進の光の側面だけでなく、同時にその影の側面=貧困の実態に対して想いを馳せることができた。そして、そうした影の部分に光を照らす活動に一生を捧げている人々が財団に集まって取り組んでいることを自覚的に意識して学ぶことができました。
 迷路のごとく複雑に入り組んだスラム街の視察は、どこをどう歩いているのか途中で分からなくなるほど、住居が継ぎはぎ状態で密集し、そこに住む人々の暮らし向きを垣間見ることができました。得難い貴重なフィールドワークとなりました。また、スラムの中にある学校を訪問し、いまやかなり整備・拡充された快適な教育環境で子供たちが、すくすく学校生活を楽しんでいる様子を伺うことができました。われわれ石井ゼミのために、目がキラキラ輝き、あどけない子供たちがAKB48の音楽に乗って軽快なダンスを披歴してくれました。
 こうした経験は、石井ゼミの学生たちにとって、広くアジアの人々の暮らしを考えるときに、豊かな生活を軸にした経済成長に対する自分なりの視点や眼差しを見出すうえで、本当に貴重な体験となりました。こうした貴重な経験を提供していただいた「プラティープ財団」の職員やスタッフの皆様方に感謝申し上げます。
  • スラム視察・集合写真

  • スラム視察・プラティープ女史の講話

  • タイ・マングローブ植樹風景

  • バンコク・クロントーイスラムFW

学生活動状況報告

 毎年石井ゼミではタイで研修を行っています。その主なフィールドの中心は、プーケット島およびバンガ湾、国際都市・バンコクです。研修では地球温暖化対策の為、マングローブの植樹や孤児院での多彩なボランティア活動を重点的行い大きな成果を収めることができました。
 孤児院を訪れた際には、日本の伝統的な遊びや、スポーツなどで子供たちと交流しました。運動の後は、石井ゼミ料理班が孤児院の先生方々と共に作ったカレーをみんなでいただき、楽しいひと時を過ごすことができました。交流開始時には少し警戒したような顔をしていた子供達がすごく幸せそうな笑顔に変わっていました。孤児院にいる子供達は、スマトラ沖地震の被害で、両親を亡くすなど、様々な理由で収容され共同生活を送っている子供達です。この様な理由により、何も悪くない子供達がもっと幸せになれるのに、こういった状況に置かれることに深い悲しみを感じました。我々にできることは何か、ボランティア活動の意味や価値を改めて考えさせてもらえました。タイでは子供達だけではなく、タイ人全体がすごくイキイキしているように感じたことも新鮮な驚きでした。
 発展途上から急速に先進国に向かっている国の勢いとエネルギーを肌で直に体験することができただけでなく、今回のタイ研修を通して、ゼミの仲間達との信頼関係、親睦を深めることができ、異国の地での貴重な体験の機会を得ることができました。

経済学部 藤尾 颯也

参加学生一覧

3年
太田 心蕗、森田 純、井崎 敬太、小笠 駿哉、奥田 大雅、樋口 藏助、藤本 一輝、大井 康司、
田中 祐智、和田 瑞、縣 弘樹、三堂 仁秀、藤田 莉彩、森脇 玲美、冨田 凌河

2年
門屋 凌真、川合 玲奈、日下 眞、小石原 由香、谷 龍太郎、出口 雄介、廣兼 汰生、藤尾 颯也、
古川 れい、森中 知穂、吉田 紳一郎、吉光 祐貴、勝田 眞奈、白濱 茉穂、久保 海斗、林 泰成
井筒 貴哉、内田 成、樫根 亮太、下坂元 快、武田 周晟、巽 亮斗、