2016.6.6

ニュージーランド便り 第4回 ~祝日から見たお国柄~

ニュージーランド便り 第4回 〜祝日から見たお国柄〜

  • ニュージーランド国旗を掲げる家

  • 雪に覆われた南アルプスの山々

 6月に入り、季節は秋から冬へと移り変わり、南アルプスの山々はすっかり冬化粧です。今日(6月6日)は、Queen’s Birthdayで祝日ですが、この日は同時に冬の到来を感じさせる日でもあるようです。ニュージーランドには年間に10日の国民の祝日があります。そのうちクリスマスを含む4日はキリスト教に由来していて、これはキリスト教をバックボーンとする多くの国と共通です。その他の祝日のうち新年の2日間と日本の「勤労感謝の日」に相当する10月のLabour Dayを除く3つの祝日がこの国の特徴をよく表しています。今回は一外国人の視点から、祝日を通してこの国を見てみましょう。
 英国女王の実際の誕生日は4月21日ですが、ニュージーランドでは6月の第一月曜日を祝日と定めています。Queen’s Birthdayが祝日であることからもわかるように、この国は英連邦王国(Commonwealth realm)の一員で、今も形式上は英国女王が元首なのです。昨年から今年にかけてこの国で国旗の変更をめぐりちょっとした騒動がありました。もし変更が決まっていたら、1965年のカナダ国旗変更以来の世界的なニュースになっていたと思われますが、3月に行われた国民投票の結果、反対が賛成を大きく上回り、現行の国旗が維持されることになりました。町を歩いていると、今もたまにユニオンジャックの入った国旗を掲げている家を見かけることがあります。この国旗はイギリスとの歴史的なつながりを象徴しており、それを失うことに対する根強い反発がまだ一部にあるようです。
 私がこちらに来て最初に経験したのが4月25日のAnzac Dayです。Anzacとはオーストラリア・ニュージーランド連合軍のことで、1915年4月25日にトルコのガリポリに上陸して第一次世界大戦を戦った日に由来しています。この時、日本は連合国の一員としてAnzac船団を護衛するという支援をしています。戦争はいつも悲惨ですが、一方で国民を団結させ、世界の中で存在感を高める効果があるのも事実です。結果として大変多くの犠牲者を出すことになった第一次世界大戦への参戦ですが、歴史の浅い国ニュージーランドにとって、初めて世界史の表舞台に登場したという点において大きな意味を持っています。
 残るもう一つの祝日が、2月6日のWaitangi Dayです。これは1840年、先住民族のマオリとイギリスの間で結ばれた統治に関する条約を記念する日で、ニュージーランドにとって国家建設の始まりとなる建国記念日とも言うべき日です。ニュージーランドの人々は、この条約が両者の合意により平和裏に結ばれたことを誇りにしており、ハカに象徴されるマオリの文化や伝統を大切にしています。1987年からマオリ語は英語と並ぶこの国の公用語として位置づけられ、公式の場で国歌を歌う場合にはマオリ語・英語の順で歌われます。
 日本では今年から8月に「山の日」が祝日として加わり年間の祝日が16日になりました。いずれの日も日本という国の特性をよく表しています。ニュージーランドではこれから10月まで祝日がないので、ほぼ毎月祝日がある日本の話をすると大変うらやましがられます。