2016.5.23

ニュージーランド便り 第3回 ~ニュージーランドの車事情~

ニュージーランド便り 第3回 〜ニュージーランドの車事情〜

 5月も下旬になり、木々の黄葉に秋の深まりを感じる季節となりました。前回はニュージーランドの公共交通機関をとりあげましたので、今回はプライベートな交通手段である車をめぐる事情について、日本との違いを中心にお伝えします。
  • エイボン川の黄葉

  • ピックアップトラックとトレーラー

 この国でよく目にするのが後ろに牽引トレーラーを曳いている車です。ニュージーランドでは個人でボートや馬を所有している人が多く、その他にも様々なものをトレーラーに乗せて走っています。車の種類では、日本では見ることの少ないピックアップトラックとSUVが好まれるところはアメリカと似ています。気になる日本車の比率は、目の子で7割といったところで、ためしにショッピングモールと大学の駐車場でそれぞれ100台ずつ調べたところ、ショッピングモールでは100台中65台、大学では100台中78台が日本車でした。年間走行距離が長いこともあり、故障が少なく全ての点で完成度の高い日本車はやはり人気があります。
  • 買い手を求める車

 自動車が必需品でありながら国内生産していないこの国では、新車だけでなく中古車も輸入関税がかからないため、中古車は新車と同じくらいの台数が輸入されていて、市場が充実しています。値段は日本とほぼ同じですが、興味深いのは取引方法で、ディーラーに売却する以外に、個人が直接オーション会場に持ち込んだり、ネットのオークションサイトに出品したりと、仲介業者を通さない個人売買が活発です。また空き地や路上に駐めて、買い手を求める張り紙をしている車をしばしば見かけます。この点では日本以上に個人が積極的に市場メカニズムを活用しています。
 こちらに来てしばらくの間気になったのが、自動二輪(オートバイ)を見かけないことでした。そのため、初めはこの国では禁止されているのかと思ったほどです。現地の人に理由を聞くと、この国ではオートバイは危険な乗り物と考えられていて、免許を取るのが大変難しく、長い時間と費用がかかるそうです。それに加え、どこに行っても広い駐車場があり、交通渋滞もないので自動二輪のメリットが発揮できないということもあります。また自転車(こちらではバイクと言います)については、スポーツの一種と見なされていて、オーストラリア同様ヘルメットの着用が義務付けられています。日本のいわゆるママチャリには一度もお目にかかったことがありません。安全に対する意識にはかなり違いがあるようで、日本でよく見かけるお母さんが自転車の前と後ろに子供を乗せて走ることは、こちらの人にとっては想像を絶する危険な行為で、おそらく信じられないでしょう。
 最後に、私がこの国を好ましく思うことの一つに、超高級車をほとんど見かけないということがあります。車が所有者の社会的地位や経済力を表す象徴であることは世界共通ですが、この国の人々はそれぞれの目的と予算に応じて自分にあった車を選んでいます。超高級車がごくまれにしか走っていないということは、この国が格差の少ないフラットな社会であることを表しています。