2016.4.27

ニュージーランド便り 第1回 ~「水道から南アルプスの天然水が出る」は本当だった!~

ニュージーランド便り 第1回 〜「水道から南アルプスの天然水が出る」は本当だった!〜

 私は4月から「ニュージーランドの対外経済政策の研究」のためクライストチャーチ郊外にあるリンカーン大学のAERUという研究所に来ています。私にとって隣のオーストラリアは過去5回訪れた、いわば「おなじみの国」なのですがニュージーランドは今回が初めてです。これはアメリカ合衆国を何度も訪れながらもカナダには一度も行ったことない人と似ています。オーストラリアは日本で人気の高い観光地として多くの情報が得られますが、その影に隠れるようにニュージーランドに関する情報は少ないのが現状です。たとえば義務教育の無償制や女性参政権が世界で初めて実施された国であることすらほとんど知られていません。実際に来てみると、自然も人々も社会もとても豊かで素晴らしい国です。一人でも多くの方にこの国の魅力を知っていただきたいと思い、これから「ニュージーランド便り」として現地の暮らしや経済、社会に関するレポートをお送りします。
  • 図書館前

  • ビクトリア湖

 さて皆さんはニュージーランドと聞いて何を思い浮かべるでしょうか。「羊」、「キーウィ」それに「ラグビーのオールブラックス」といったところが代表的なイメージでしょうか。それに加えて、意外に知られていないのですが、私の専門である国際経済の分野ではTPP(環太平洋経済連携協定)の原提案国として重要な役割を演じました。これについては回をあらためて詳しく触れることにします。
 今回のニュージーランドで私が訪れた国はちょうど20カ国になりました。世界約200カ国のほぼ1割にあたります。ところで皆さんは「水道水をそのまま飲める国」が世界にいくつあるかご存じでしょうか?答は「13カ国」(ユニセフ調べ)です。水道水が飲めるというのは日本では当たり前のことですが、世界ではかなり希少なのです。私が事前にニュージーランドについて得た情報の中に「水道から南アルプスの天然水が出る」という話がありました。事実、ニュージーランドの水道水は大変おいしく、特にクライストチャーチを含む南島では西部全域に3000メートル級の山々を含む南アルプス山脈が連なっており、豊富な雪解け水が飲料水として供給されています。ついでに言うと、この豊かな水資源は水力発電としてニュージーランドの電力の約6割を担っています。この比率はカナダとほぼ同じで、人口密度の少ない国ならではですが、北島の地熱発電とともにこの国のクリーンエネルギー比率を高めています。
 南半球に位置するニュージーランドではいま季節は秋です。朝晩はかなり気温が下がりますが、空気が澄んでいるので夜は星空がとてもきれいで、日本では見ることが出来ない南十字星が真上に見えます。季節だけでなく、日本とニュージーランドは歴史や文化など様々な点において対照的で違いが多いのですが、一方で水道水のような共通点も意外に多いのです。