2017.3.27

ニュージーランド便り 第15回 リンカーン大学

ニュージーランド便り 第15回 リンカーン大学

 3月も下旬になり、2016年度も残すところあとわずかになりました。今月5日には地元の日本人会が主催する恒例のカンタベリージャパンデーが開催され、約1万5千人の人出でにぎわいました。また日本の大学の春休みにあたるこの期間を利用して、関西学生ラグビーの選抜チームがこちらに遠征して来ました。地元のリンカーン大学・オタゴ大学・カンタベリー大学と試合を行い、24日にはクライストチャーチのAMIスタジアムで、スーパーラグビーの試合の前座として、地元のカンタベリー州代表経験者で構成するカンタベリアンズと対戦しました。当地の季節も今は夏から秋に移り、私のニュージーランドでの研究生活も間もなく終わります。そこで、今回は1年間お世話になったリンカーン大学についてご紹介します。
  • 多くの人出でにぎわうジャパンデー 

  • リンカーン大学

 リンカーン大学はクライストチャーチの南西約20キロに位置し、校名はキャンパスがある地名に由来しています。この国に8つある国立大学の中では学生数が最も少く、大学院生を含めて5000人程度ですが、1878年創立の国内で3番目に古い大学です。日本とのつながりでは、戦前に日本人として初めてニュージーランドの大学に留学した人物として知られ、後に日本ニュージーランド協会の創立に尽力された川瀬勇博士が卒業した大学です。最近の卒業生では、一昨年まで10年間にわたりオールブラックスのキャプテンを努めたリッチー・マコウが有名です。アメリカの大学と同様、卒業生を大事にする傾向が強く、キャンパス内に活躍している卒業生を紹介する大きなパネルがいくつも展示されています。
  • 活躍する卒業生を紹介するパネル

  • キャンパスにほど近い付属牧場

 リンカーン大学は、特に農業分野に強みを持つ大学ですが、農業を単に技術面からだけでなく、環境学やビジネスの観点から研究する複数の学部を擁しており、この国の最重要産業である農業とその関連分野の人材育成と研究のための総合大学です。大学の周辺には、農業や食料に関する民間や公的な研究機関がいくつも立地しており、この分野の研究における一大集積地となっています。郊外に位置しているため、敷地にゆとりがあり、キャンパスは緑で覆われています。その立地と研究分野ならではのユニークさとして、都市型の大学とはちがって、マイカーで通学する学生が多くいますが、駐車場にゆとりがあるのですべて無料で学内の駐車場を利用できます。また近くに実習用の広大な畑や牧場があり、実習を終えた学生のために、大学図書館の入口には脱いだ長靴を置く場所があります。
  • 緑あふれる広い駐車場

  • 隣接する民間の研究機関

 アジア各地をはじめ、世界中からの留学生が多く、日本の大学との間では、奈良女子大学をはじめいくつかの大学と交流があります。ニュージーランドでは、8つの大学が全国にバランスよく配置されていて、学生も日本同様地元に近い大学を選ぶ傾向があるようです。私は研究所に属していたので、学部の学生さんとはあまり接する機会がありませんでしたが、オープンキャンパスなどを見ていても、日本の大学に比較的近い感じがします。この国の最重要産業である農業とそれに関連した分野を学ぶには理想的な大学です。
  • オープンキャンパスの風景

  • キャンパス内の社会連携施設