2017.8.30

【阪南経済Now(2017)⑩】一回生も受講できる「生活経済論」の授業を紹介します

【阪南経済Now(2017)⑩】一回生も受講できる「生活経済論」の授業を紹介します

 私は、「くらしの経済」パッケージで、「労働経済論」と「生活経済論」を担当しています。
 「生活経済論」は一回生から受講できる講義科目です。経済学の学習を全くしていない一回生でも関心が持てるような授業を心がけています。ここでは、授業内容を紹介しましょう。
 私たちは暮らしていくうえで様々な問題に直面し、その都度、自分で真剣に考え、解決していかなければなりません。高校生までは、親や学校の教師など、周囲の人達の助言に従って乗り越える事が多かったと思います。しかし、大学生になり、選挙権も与えられる18歳になれば、自分の判断が求められる場面が増えてきます。
 生活していくうえで直面する問題の解決方法には、正解はありません。いくつもある方法の中から、一つに決めるための「選択」を迫られることでしょう。たとえば大学生の皆さんであれば、高校時代には「大学に進学する、専門学校に進学する、就職する」という選択肢の中から一つに決めなければならないという問題に直面し、「大学に進学する」という選択をしました。
 大学で学びたいことがはっきりしている人には、「大学に進学する」という選択や、「どの学部に進学するか」という選択において迷いは少ないかもしれませんが、「大学進学は決めたが、何を勉強したいのか分からない」という高校生にとって、「学部選択」も大きな問題です。経済学部に進学した学生の多くは、「何を勉強したいのか分からないから、とりあえず経済学部」というのが選択の理由ではないでしょうか。これも「選択の結果」です。
 大学生にとっては、大学進学が「自分でする最初の人生選択」だったという人もいるでしょう。そこで多くの人が経験した選択が、どのような基準で行われたのかを振り返って考えることから「生活経済論」の授業は始まります。前期の「生活経済論a」では「大学進学」と「就職」について、後期の「生活経済論b」では「就労」と「結婚」、「出産・育児」の問題を取り上げ、これらの多くの人が経験する問題を経済学的視点から考察します(「生活経済論a」だけを受講してもよいですし、「生活経済論b」だけを受講することができます)。
 では簡単に授業内容を紹介しましょう。前期の「大学進学」の授業では、進学の意思決定が行われる選択の基準について考え、明治期以降の進学率の動向を見ながら、日本では教育拡大がどのようにして進んだのかを分析します。「就職」の授業では、会社選びの基準や、日本型就職システムの特色やその変化、若者をとりまく就職状況などについて考えていきます。

図 高等学校卒業者の進路状況

 後期の「就労」で取り上げるテーマは、就労の意思決定、男女の就労の現状と変化、就労をめぐる問題などです。「結婚」では、結婚をすればどのような利益を得るのか、あるいは損失をこうむるのか、世論調査からみる結婚観の現状と変化、結婚の利益や損失はどのように変化してきたのか、といった問題について考えます。「出産・育児」では、出生数や出生率の現状やその歴史的動向を確認し、出生数の変動要因について考察し、出生率の国際比較などをします。
 生活経済論で学び考えたことが、皆さんの選択に役立つことを期待しています。