2016.4.4

客室乗務員を目指す後輩たちへのメッセージ(寿山ゼミ2016年3月卒業生)

客室乗務員を目指す後輩たちへのメッセージ(寿山ゼミ2016年3月卒業生)

 寿山ゼミ2016年3月卒業生から一度に3名の航空会社客室乗務員(CA)が生まれました!寿山ゼミでは、外資系航空会社のCAで現在も活躍中の青木早彌果さん以来2年ぶりのことです。何より喜ばしいのは、CAを目指した3名全員がその夢を叶えたことです。なぜなら、CAは昔から女性にとって憧れの職業と言われていますが、大学新卒で実際にCAになれるのはほんの一握りの人たちしかいないからです。
 今回、その極めて狭き門に入ることができた3名からCAを目指す後輩たちに向けてとても心強いメッセージをいただきました。CAになるためには日々の様々な精進・努力はもちろんのこと、特に、日頃の物事の捉え方や行動の仕方がいかに重要となってくるか、彼女たちの熱いメッセージをご覧いただき、少しでも参考になれば嬉しく思います。

望月 槙(バニラエア客室乗務員)

(1)CAを目指した理由等
 大学2回生後期に1年間カナダに留学し、他国の人達と接することで、今まで日本にいては出来ない事をたくさん経験しました。留学をしたことで海外に魅了され、英語で会話することがとても楽しいと感じ、英語だけではなく、中国語、韓国語、ポルトガル語やアラビア語等様々な言語に興味を持ちました。帰国して、就職活動が始まるので、「私はどんな職業に就きたいのだろう?」と考えていました。高校生の頃から接客業のアルバイトをしていたため、就職も接客業に就きたいと考え、なおかつ、色々な国に行く事が出来て、色々な国の方達と関われる、そんな仕事がしたいと思っていました。企業研究や自己分析をして行く中で、客室乗務員(CA)になりたいと強く思うようになりました。
(2)CAになるためにしてきた努力・準備
 私は特にCAに必要な美しい立ち居振る舞いや丁寧な言葉遣いがとても苦手でした。なので、阪南大学と提携しているエアラインスクール“エアリッジ”に通う事に決めました。そこには、同じ夢を持った仲間がたくさんいて、お互いに刺激し合える環境でもありました。先生からはCAに必要な要素や、お辞儀の仕方、発声練習、企業によって異なる企業対策等、様々なことについて学びました。特に力を入れた事は、自己分析です。自己分析は私にとって最後まで悩みの種でした。会社に自分を売り込む訳ですから、自分の魅力、自分の強みや弱み、生かせるところを常に考えていました。

(3)寿山ゼミ及び就活授業等で役立ったこと
 寿山ゼミで役に立ったことは数知れず。私は自分のことを人前で話す事が大の苦手です。友達や家族に対しても上手く伝えられないことが多いです。寿山ゼミでは月に何回か、1人で発表する機会があり、その度に「嫌だなー。緊張するなー。」と思っていました。発言する時に自分の名前をはっきり言うことも少し緊張していました。何回かしていくうちに、最初の頃より緊張することなく、上手く伝えられているかなと思うようになりました。寿山先生の「就職活動実践対策講座」では、リアルな面接対策等を経験でき、お互いの良い所や改善点を指摘し合う事が出来る環境でとても良かったです。それらのおかげで、就職活動の面接、グループワークや挨拶をする時、自分から積極的に発言出来るようになっていました。
(4)CAを目指す後輩たちへのアドバイス
 面接において誰もが言うことですが、“自分らしく”いることが1番大切だと思います。私は4月からいくつも面接受けていて、友人達の中でも最後の最後まで就職活動を続けていました。その中で、自分はやはりCAにはなれないのかなと、諦めようとした時期もありました。諦めかけていたとき、航空業界とは異なる業種の説明会にも出向いたり、グランドスタッフの面接にも行ったりして、そこでようやく内定を頂く事が出来ました。このまま夢を諦めて、CAとは異なる仕事をするのか、それとも自分のやりたいCAになるのか真剣に考えました。悩んだ結果、就職活動を続ける事に決め、「CAになるためにもう一度頑張ってみよう。もし今なれなくても、また目指せば良い。」と思っていました。これ以上ないくらい自分らしく、笑顔で面接に挑んだ結果、CAとして内定を頂く事が出来ました。
 私が特にアドバイスしたいことは、「諦めなければ、夢は叶う!」です。本当にそうなのだと私自身この1年を通して実感しました。何度も落ちて、たくさん落ち込んで、落ち込み終えたらまた挑む、の繰り返しでした。就職活動をしたくない時期もあると思います。何をやっても自分では駄目だと思ってしまう時期もあるかもしれません。そんな時は就活の事を忘れ、自分の好きな事をとことんやれば良いと思います。そうすれば、そこから就職活動に生かせる何かを発見できるかもしれません。自分の行い全てが就職活動に繋がると思います。自信を持って頑張ってください。諦めない根性、自信、笑顔。これがあれば多分大丈夫です。皆さん「なりたい自分」になれるように頑張ってください。

峯 遥香(日本トランスオーシャン航空客室乗務員)

(1)CAを目指した理由等
 大学3年生の前期に4か月間留学したことがきっかけです。CAには小さい頃から憧れはありましたが、頭がよくて英語が堪能で綺麗な人のイメージが強く、自分なんかが目指せるものではないと思っており、本気で目指そうとは思いませんでした。ですが留学後、就職活動の時期が迫り、将来どんな風になりたいのかを考えた際に、一番に留学で身につけた英語を少しでも役立てられる仕事に就きたいと思いました。
 また、就職後は親孝行をたくさんするのが私の夢で、正直CAになれば親をたくさん旅行に行かせてあげられるというのも一つの理由でした。また、求める人材では綺麗な心といった内面を重視しているというようなことが多く書かれており、そういった面でもCAという職業に興味を持ちました。実際にCAになった先輩方や寿山先生のお知り合いのCAの方々とお会いして、その皆さんが本当に女性としても人としても魅力的な方々ばかりで、その方々とお会いしたことがCAを目指す決め手になりました。
(2)CAになるためにしてきた努力・準備
 まず私が取りかかったのが、TOEICの点数を上げることです。大体の航空会社は必要な英語力でTOEIC600〜650程度と記載されておりましたが、留学から帰国後の私の点数は470点ほどで、スタートラインにも立てていない状態だったので、まずはTOEICの点数を上げることに集中しました。点数向上のためにしたことは、通学やアルバイトの電車での移動時間はTOEICのリスニングを聞くこと、学校のない日、休みの日は学校に行って過去問題をひたすらしました。家にいるとダラダラしてしまうので、とにかく学校に行くようにしていました。
 面接対策として行っていたことは、自分の模擬面接をビデオ撮りし、どんな様子なのか自身でチェックし、友人やエアラインスクールの先生にも見てもらい、改善点を見つけ直しました。結構辛かったですが、今ではこの練習がとても役立ったなと思います。あとは、「感じたことノート」というのをつけていました。なんでもいいので何か感じたときに忘れないようにノートに書いていました。そうすることで面接の際の些細な質問もスムーズに答えることが出来ました。

(3)寿山ゼミ及び就活授業等で役立ったこと
 寿山ゼミに入ったことは何よりモチベーションを維持することに役立ったと思っています。ゼミ選択の際も先輩から寿山ゼミは就活に強いことや楽なゼミではないということを聞いていて、楽なゼミを選ぶと私の場合は怠けてしまうなと思ったので、寿山ゼミに入ったのですが、本当に寿山ゼミに入っていなかったら今よりベストな就活の終え方はできなかっただろうなと思います。
 就活がどんな感じなのか全くわからなかった私ですが、3年生の9月という早い段階から「就活合宿」というのがあり、内定をもらった寿山ゼミの先輩方が色々と教えて下さったので、他の就活生と比べて私たち寿山ゼミは早くから就活を現実的に意識できていたのではないかなと思っています。また、普段の授業は毎回グループディスカッションに近い形式で行っており、10人以上の前で自分の考えを発言するというのが当たり前でした。その日々の授業が人前で自分の意思を上手く伝える訓練になっていました。
(4)CAを目指す後輩たちへアドバイス
 「自分は頑張った!」と自信を持って言えるまで努力することが大事だと思います。面接では、緊張しないなんてできないことだと思いますが、その緊張したときに、「自分はあれだけ頑張ったから大丈夫!」と腹をくくれば、緊張していても良いモチベーションで面接を受けられると思います。あとは、私の場合は落ちてもなるべく後悔のないように行動することを心がけていました。
 自分はこれを頑張らないといけないなと思うことを途中で挫折しても諦めず、頑張り続ければ自分にあった会社にめぐり合えると思います。就活の日々はとても刺激的で、人生において貴重な経験だったなと今となっては思うので、しんどいことの方が多いかもしれませんが、一人で抱え込まず同じ目標を持った友人たちと支え合いながら乗り越えてください。たまには息抜きをしてストレス発散しながら頑張ってください。応援しています。

角 明日香(中国国際航空客室乗務員)

(1)CAを目指した理由等
 CAになることは大学入学前から意識していましたが、ずっと憧れの職業だけであり、私なんかがと思っていました。しかし、寿山ゼミの2年先輩で外資系航空会社のCAで活躍されている青木さんのお話を直接聞いて、「自分もやってみよう!」と思い、CAになる決心をしました。
(2)CAになるためにしてきた努力・準備
 CAになるために、阪南大学と提携しているエアラインスクールに通い、実際の就職活動では客室乗務員募集とあれば全て応募していました。面接の回数を重ねるごとに勉強することも非常に多かったように思います。

(3)寿山ゼミ及び就活授業等で役立ったこと
 ゼミや寿山先生の授業を通して社会人基礎力がついたと感じました。人が話していることはメモをとったり、うなずいたり、質問をするなど、当たり前の事ですが、この当たり前のことが普通にしっかり出来ることが就職活動では非常に役立ったと感じました。
(4)CAを目指す後輩たちへアドバイス
 CAを目指す方は、本当に大変だと思いますが、諦めなければ絶対になれる職業です!私は、周りの雰囲気が違ったり、自分と人を比べてしまい悲観的になるときもありましたが、自分らしさを出していくのが一番です。会社は欲しい人を取るので、偽った自分だとばれてしまいます。就職活動は会社を見つけるだけではなく、自分を成長させるとてもいい機会なので、是非頑張ってください!

寿山教授のコメント

 2016年度寿山ゼミ卒業生から3名の航空会社客室乗務員(CA)が誕生したことを心から嬉しく思います。ここに至るまでの道のりには、上記文章には表せないほどの想像を絶する厳しくもしんどい現実が多々あったように感じています。しかし、自分の夢を最後まで諦めず、貫き通し実現させた3名に心から敬意を表したいと思います。そして、今後のさらなる活躍を心より祈念しています。
 寿山ゼミでは、本格的に就活が始まる半年前の3回生後期から彼女たち3名がCAを本気で目指すきっかけやそれを達成するための準備時間をいくつも提供してきました。「就活合宿」で身近な先輩たちの就活への取り組み方を直接指導してもらったり、全員で「業界研究」を行い、意識を高めながらディスカッションしたり、日本航空で30年CAを勤めた方々から仕事にまつわるいろんなお話を伺ったり、2年前の寿山ゼミ卒業生で外資系航空会社の現役CAである青木早彌果さんに来てもらい、実際の仕事の話や受験対策など具体的に話してもらったりしました。
 さらには、私が担当する「就職活動実践対策講座」の授業では就活のいろはから、最新情報や内定取得のための方策、それを確実のものとする実践的トレーニングを積み重ねていきました。ゼミや実践的な授業はとてもしんどいものだったと思いますが、彼女たち3名はこうした機会を有難いチャンスと捉え、自ら未来の扉を開けることのできる力を付けていったように思います。
 寿山ゼミは「客室乗務員(CA)」に決して特化したゼミではありません。「なりたい自分になる」ことをテーマにゼミ生全員がそれを実現できる考え方や行動の仕方、一般社会で必要とされる常識、礼儀・マナー、ルールを守れる力、コミュニケーション能力などの社会人基礎力を養成し、その先にある自分の夢や目標を叶えるための支援をしているだけなのです。その結果、2016年3月卒業の寿山ゼミ生は、CA以外にも金融業界を目指したゼミ生は三井住友銀行、人材派遣業を希望したゼミ生はマイナビに入社を決めるなど全員が希望する業界・職業に就き、満足度の高い大学生活を終えることができたようです。
 CAには人間力が必要とお話いただいた日本航空の元CAの方々のお話がとても印象に残っています。結局、CAに限らず、社会から評価してもらいたい、自分の夢や目標を叶えたいと考えている学生たちには、日頃から人間力を磨き向上させ、社会人基礎力を付けていくことが最も重要なことだと気づき、今なすべきことを少しでも早く実践してもらえたらと思います。そして、「客室乗務員を目指す後輩たちへのメッセージ」を読み、この3名に続いて阪南大学出身のCAが一人でも多く誕生することを心から願っています。
(指導教授:寿山泰二)