2015.2.19

マルタ島留学便り5:寿山ゼミ4回生

マルタ島留学便り5:寿山ゼミ4回生 石本有希

こんにちは、マルタ共和国という島国に留学している国際コミュニケーション学部寿山ゼミ4回生の石本有希です。留学して1年が経ち、今回が最後のレポートとなりました。この1年を振り返って自分なりに心に感じたことを書いてみたいと思います。

新たな発見

 この留学中3か月に1度、気付いたことや学んだことをレポートし、大学のホームページに掲載してもらっていました。せっかくレポートを書くなら、海外にいるからこそ感じられること、また自分の興味のある分野のことを書こうと思いました。書いたレポートを見返してみると、「海外と日本の違い」というものがほとんどでした。
 これに対して興味を持っていたのは、留学前からなのですが、留学後それがさらに色濃くなったように感じたものが「食」に対しての興味・関心です。私は食べることも作ることも好きですが、日本では実家暮らしだったため、当然自分の作ったご飯より、母の作った料理を食べる方が多かったです。ですが、留学してからの最初の3か月を除けば、ほぼ毎日自炊をしなければいけませんでした。

 自然に八百屋や肉屋、スーパーに足を運ぶ機会が増えます。そうすると、日本でよく見かけたものがなかったり、見たことのないものが売られていたりしました。1番驚いたのが、夏頃にマルタではサボテンの実が売られていたことです。マルタの中心地から外れたところに行くと、雑草のようにあらゆるところにサボテンが生えていて、食べてみると食感はキウイのようで味は洋梨に近かったです。食べたことのない食材や日本でなかなか食べることのないものを食べられるのも海外に行く醍醐味だと思いました。
 また、日本食というのはどこに行っても人気で、この留学期間中にヨーロッパや中東に旅行にも行きましたが、どこに行っても日本食の看板を見かけました。マルタにある日本食店も週末になるとほぼ予約席で店内が埋まります。何故こんなに日本食は海外では人気なのか?いつごろから日本食店は海外に出店し始めたのか?こちらに来てから疑問が増えました。

 その時なかなか卒論にする題材が決まらず、ぼんやりと「海外と日本の違い」ということは決まっていたのですが、どこにフォーカスを当てるかが全く定まっておらず、右往左往としていました。そこに出てきたのがこの海外にある日本食についてです。ここにフォーカスを当てようという発想は海外で暮らしていたことから出てきたものです。何より大学に掲載するレポートを書いていて、面白味を感じられたからこそ、より興味が湧いてきたものだと思います。
 この4月から留学する人もいると思いますが、留学に行った際には、自分が興味をそそられたものを少し掘り下げて考えてみると、新たな面白いものが発見できると思ったのでぜひ試してみてほしいです。

1年間での成長

 私は1年間イタリアの下にある淡路島ほどの小さなマルタ共和国という島に留学していました。英語を習得するという目的の留学でしたが、この1年親元や友達と離れて暮らした経験は、これから新しいことに挑戦するための自信や今まであった当たり前のことを大事にしなくてはいけないことなど、人として大切なものに色々と気づかされました。
 最も自分がいい方向に変われたと思うところは、「知らないことは恥ではない。」と思えるようになったことです。マルタに来た当初は、授業中のディスカッションなどで分からない単語や相手の質問や話している意味が分からなくても、それが分からないことや聞くことを無意識に恥ずかしいと思い、黙ってしまうことが多かったです。

 でも、黙ってしまうのは相手に自分の意思も伝わらないし、伝わってないこと自体申し訳なく思いました。そして、自分の殻にこもって何も言えなくなってしまいました。日本の恥の文化というのは、とても美しいものだと思いますが、新しいことを学ぶ際にはもっと貪欲になり、恥を捨てるべきだと痛感しました。
 また、私は英語で何かしゃべるときは、いつも間違えないように頭で考えてからしゃべるのでしゃべるのが遅くなり、周りのテンポに置いて行かれて、次の発言がしにくくなっていました。こういった日本人は私以外にも多くいると思いますし、この考えを取り払って考えることができるようになるには時間がかかるように思いました。

 これに対して、周りの外国人は分からないところはすぐに聞くし、文法が分からなくても単語を羅列して喋っていました。文法やリーディングは教材を使えばいくらでも鍛えることはできますが、リスニングと特にスピーキングは実践しないとなかなか習得できません。逆に言えば、外国人の友達を多く作ってしまえばほかの国の文化も知ることができ、楽しく自然に自分の英語力が上がっていることを実感できます。そのことがさらに自分の自信につながり、勉強に対するモチベーションも上がりました。
 私はこの留学を通じて多くのものを学べたし、親友と呼べる友達もできました。もし、留学に行ける環境にいて、なおかつ行きたいという意思があるけど不安要素が多く踏みとどまっている人は、その不安をとりあえず振り払って、1歩前に進んでほしいと思います。その不安のほとんどは留学先に行ってしまえば意外と何とかなってしまうようなものだし、自分が楽しもうというスタンスでいれば楽しい日常になるとわかったからです。

寿山教授のコメント

 マルタ島で1年の留学を終え、石本さんはたくさんの経験をして、一回りも二回りも成長したように思います。海外に出たからこそ、これまでよりも自己理解、他者理解、日本理解、異文化理解が深まったはずです。帰国後に待ち受けている現実(就活や卒論)は、留学期間以上に厳しいものとなるでしょう。しかし、マルタ島で過ごした1年の留学経験がその壁を乗り越え、新たな未知の世界の発見に必ず役に立つものと信じています。