2014.9.24

マルタ島留学便り3:寿山ゼミ4回生

マルタ島留学便り3:寿山ゼミ4回生 石本有希

 こんにちは、マルタ共和国という島国に留学している石本有希です。今回はゼミでも専攻しており、自分が日本に帰ってから課題になる職について感じたことをレポートしてみました。

職について

 マルタはヨーロッパの中では一番物価が安い国です。ですが、給料もとても低く仕事を掛け持ちしている人がほとんどです。私が通っている学校の先生も1月€900〜€1,000ほどだと言っていました。1人暮らしをするには何とか暮らせますが、結婚して家族を持つとなると掛け持ちする人がほとんどです。私のクラスを担任してくれている先生だと本職が写真家や本職は教師だけど掛け持ちで夜にバーを経営している先生などがいます。
 また、マルタの土地は多くの国に囲まれており、昔周りの国に攻められたという歴史を持っています。最後に信じられるのは自分だけという考えを持っている人が多いと感じます。日本はお国のために、会社のためにという愛国心を重んじていますが、マルタ人の国民性は1つのものがダメになった時のための保身というものを重要視しているので、掛け持ちというが普通であり、その仕事でもう一つの仕事を休んでも何の問題もありません。

国と人との相性

 海外に来て感じたことは職との相性も大切ですが、国との相性も大切だと感じました。私はニュージーランドに2か月、マルタでは現在5か月滞在していますが、2つとも程よく田舎でゆったりと時間が流れており、働いている人もあまり時間を気にしていません。私はその時間がとても心地よく感じますし、待たされているときもこの空気感のなかでは苛立ちは感じません。ですが、日本で同じように待たされると苛立ちを感じてしまうと思います。
 日本だけに滞在していると日本での就職を考えがちですが、一度国を出てしまうと働いている日本人というのも多く見かけます。私は現在日本での就職しか考えていませんが、日本で働いていて息苦しさや、納得できない部分が多い人は1度海外へ出て、その国の働いている人を見るのもいいかなと思いました。もちろんその国の言葉がしゃべれることが前提となりますが視野は広がると思います。

働くということ

 私は日本の社会人と言われると仕事にやりがいがあってエネルギッシュに働いている人よりも、疲れている人たちを思い浮かべてしまいます。実際は仕事にやりがいを見つけている人も知っていますが、最近はサービス残業や仕事に見合ってない薄給といったことを耳にします。それを海外の人に言うとあり得ないと驚かれることが多いです。海外ではギブアンドテイクがハッキリとしており、やった分の見返りが返ってくるものが仕事とされています。定時以降に残業がある場合は自給×2〜4倍の手当てが支給されますし、休みは保障されています。
 日本では人情といういい文化のはずのものが、ねじ曲がって日本人に負担となって返ってきている部分があると思います。だから世界的に裕福で何でもそろっている国と言われているのに自殺大国と言われているのではないのでしょうか。海外で働いている人は接客しながらBGMに乗って踊って歌っていますし、仕事というものを楽しめる環境にいるように感じます。

寿山教授のコメント

 海外留学は語学や異文化を学ぶことが中心となりますが、私は留学後にどのように生きていきたいのか、どんな仕事に就きたいのか、自分の将来をしっかりと考えながら現地での留学生活を送ってもらいたいといつもゼミ生には話しています。石本さんが自分の人生をどう生きていきたいのか、どんな職に就きたいのか、マルタ島留学を通して何かよいヒントを見つけてくれればいいなと思っています。