2014.6.30

ビクトリア大学留学体験記10:寿山ゼミ3回生

ビクトリア大学留学体験記10:寿山ゼミ3回生 角 明日香

 寿山ゼミ3回生の角明日香です。最後のセメスターも終わりに近づき、忙しく毎日を過ごしています。2週間ほど前は気温も上がり23度と暖かく過ごしやすかったのですが、最近は17度や18度など急に気温が下がり、日本とビクトリアの気候の違いに驚かされています。さて今回は「チャリティープロジェクト」、「ブッククラブ」、「授業」についてレポートしたいと思います。

チャリティープロジェクト

 前回のレポートで話していたチャリティープロジェクトが終わりました。私たちは「ワーチャイルドカナダ」というオーガナイゼーションのサポートをしました。このオーガナイゼーションは「教育」、「機会」、「正義」という3つのポイントに集中し、「戦争の知らない国にする」ということを目標に戦争で影響された子供たちや女性を助けています。私たちはこのオーガナイゼーションをサポートするためにELPIのクラスに「ワーチャイルド」とは何か、そしてベイクセールをするというプレゼンテーションをしました。
 私は5つの違うレベルのクラスを回ったのですが、どのクラスもすべて手ごたえが違うと感じました。英語でのプレゼンテーションですのでプレッシャーもありました。いつもプレゼンテーションの後に、今日のプレゼンテーションはどうであったか、ディスカッションをクラスメイトとし、悪い点などをピックアップしました。その結果、最後のクラスでのプレゼンテーションでは一番出来のいいプレゼンテーションができたと感じました。
 プレゼンテーションの後はベイクセールです。ベイクセールは2日間にわたり、自分たちでクッキーやマフィンを売りました。これは募金のようなシステムなので、クッキーに値段を決めていませんでした。暇な時もあれば忙しい時もあり、みんなクラスメイトが力を合わせてクッキーを売りました。2日間でなんと1,100ドルでした。日本円に換算すると約11万円です。これはみんなが力を合わせて声を出し合い、ワーチャイルドを救いたいと思った気持ちです。
 私が一番心打たれたのはジェリーの「もしあなたが彼らを救えば、あなたは彼らの生活を変えることができる」という言葉です。少しの力であっても私たちは彼らの何かの手伝いをできたのかと思うととてもいい気持になりました。母国語ではない言葉で自分の気持ちを伝えるのは本当に難しいですが、本当に伝えたいことは言葉ではなく気持ちがこもっていると伝わるのだと感じました。このプロジェクト終え、もっとたくさんのことに目を向けようと思いました。

ブッククラブ

 私たちのクラスではブッククラブというクラスがあります。ブッククラブというのは5週間で1冊の本をグループで読み切り、ライフコネクター、理解度チェック、ディスカッションクエスチョン、単語というパートに分かれ、毎週金曜日に自分たちのパートと本について話し合うことをブッククラブといいます。私たちのグループは「ハンガーゲーム」を読みました。「ハンガーゲーム」は映画を見たことがあるから簡単であると思っていましたが、300ページという英語の本で1週間に最低80ページを読まなくてはいけませんでした。毎週木曜日は「ハンガーゲーム」に苦しめられていました。ブッククラブのいいところは、ただ読むのではなくちゃんと理解したか、このパートはどう思うかなど詳しく金曜日にグループで話し合うことができることです。
 私が一番困難だったのはライフコネクトです。ライフコネクトは自分の経験や身の回りで起きているものと「ハンガーゲーム」で自分が選んだシーンを連携させることです。「ハンガーゲーム」は映画では簡単に言ってしまうと殺し合いのラブストーリーです。ライフコネクトは本当に難しかったのですが、本を読んでみると「ここのシーンはこういう意味も含まれていたのか」と感じることがよくありました。実際、私は本を日本では一切読まない性格でありましたが、本を読むことで映画では話されていなかったことを知ることができました。英語のこのような大きな本を読むのは少し勇気がいりますが、今では本を読むということに興味を持つことができました。そして、この「ハンガーゲーム」を読み切った時の達成感は、今までに感じたことのないような気持ちでした。ブッククラブは私にとってとてもいい経験になりました。

授業

 私の担任、ジェリーの勉強スタイルは何でもアクティブに立ち上がってディスカッションをしたりクイズをしたり、ただ机に向かってする勉強ではなく、楽しく学ぶというのがジェリーのスタイルです。そこで、ディスカッションの議題で「人を殺した人は死刑になるべきか」というのがありました。そこでジェリーの意見は「殺すべきではないという答えでした。」私は「人を殺した人は死刑になるべきだ」という答えを出しました。すると、ジェリーから精神的な問題がある人は?一時的な問題がありやむを得ない場合は?などの質問がありとても考えさせられました。
 ジェリーの意見は人を死刑にすることによって何が起こるのかということです。もし精神状態のおかしい人は病院に入れればいいし、極悪人は牢屋にずっといれておけばいい。と彼は言っていました。人を殺して後悔する人もいれば後悔しない人もいます。ただ自分の子供が殺されて許すことのできる親なんてどこにもいません。しかし、殺人犯を政府が殺すというのは正解なのか。いざ整理してみると、この死刑制度への理解に困りました。被害者の両親の気持ちを考えると牢屋の中でも幸せに暮らすような極悪人も存在します。何が正解なのかはわかりませんが、このディスカッションを通して死刑に考えなおすきっかけになりました。英語の授業でありますが、ジェリーのクラスでは自分のためになることなどを日々学んでいます。ジェリーはELPIで1番の先生の一人と言われています。ジェリーの生徒になれたことを本当に嬉しく思います。
 今月はたくさんのことを授業で学ぶことができました。ここで提案なのですが、寿山ゼミでチャリティー活動やブッククラブをするのはどうでしょうか。とてもいい経験になると思います。ビクトリア生活も残り少ないですが、楽しみながら学んでいきたいと思っています。

寿山教授のコメント

 角さんは留学生活で単なる語学勉強だけでなく、人間としていかにあるべきか、どうすれば社会に貢献できるかなど、「人が社会で生きていく」ことについても多くの学びを得たようです。そして、こうして得た経験等を日本で学ぶ寿山ゼミ生にも提案できるほど成長していることを嬉しく思います。帰国後にリーダーシップを発揮してそれらの提案をぜひとも実現してほしいと思います。