2014.5.22

ビクトリア大学留学体験記9:寿山ゼミ3回生

ビクトリア大学留学体験記9:寿山ゼミ3回生 角 明日香

 こんにちは。国際コミュニケーション学部3回生の角明日香です。5月に入り気候がとても暖かくなり、ビクトリアは観光シーズンとなりました。ホストマザーは「5月になるとビクトリアは生きかえる。」と言うだけあり、ダウンタウンはたくさんの観光客で平日も週末も関係なくにぎわっています。さて、今回は「クラスメイト」、「ビクトリアデイ」、「チャリティー」についてレポートしたいと思います。

クラスメイト

 先月から始まったセメスターですが、私たちのクラスメイトには一人、盲目の韓国人の女の子グロリアがいます。彼女はいつもロイヤルという盲導犬といつも一緒です。彼女は特別な機械をもっていて、私たちはプリントや教科書を持っていますが、先生は彼女のためにUSBを用意し、機械に差し込むと点字が出てくるシステムになっています。その機会を使い、彼女はいつも授業を受けています。彼女の性格は明るい性格で、発言もよくし、とても頭のいい子です。
 私が驚いたのは、発音の練習をしているときです。私たちは黒板を見て英文を読み、先生がランダムで生徒を当てます。私の場合、黒板に英文が書いているのにもかかわらず、わたしは詰まりながら読みましたが、グロリアの場合、少し何度か聞いただけでスラスラと読むことができるのです。私が初めてこのクラスに入った時にグロリアの存在を知りました。今までで身体障害者の人と学校生活を送ったことがなかったので、私が彼女に対し失礼なことをしてしまわないかなどの心配もありました。しかし、彼女の心はとても広くしっかりした人で、彼女を見ると頑張ろうという気持ちになります。

ビクトリアデイ

 5月19日はビクトリアデイでした。ビクトリアデイは、ビクトリア女王の誕生日を祝う日です。この祝日にはパレードがあり、先日友人とともにダウンタウンに見に行きました。12月にサンタパレードというのを見に行ったこともあり、パレードと聞きとても大きいものを期待していたのですが、お店の広告ばかりで少しがっかりした部分もありました。なので、今回のパレードも実際のところあまり期待していませんでした。
 しかし、私がダウンタウンについたとき、いつものバス停ではないところが終点でおかしいと思っていると、ダウンタウンのメインストリートがパレードのために封鎖されていたのです。バス停からメインストリートまでは遠かったのですが、パレードはやはり大きくマーチングバンドにダンスなどとても豪華なパレードでした。広告もありましたが、その広告も一つ一つが豪華で楽しいパレードでした。パレードのほかにもインナーハーバーという港ではライブをしていたりと本当に観光客でにぎわっていました。テーマパーク以外の大きなパレードは初めてで、とても楽しい1日を過ごしました。

チャリティー

 私のクラスではチャリティープログラムというのが授業として含まれています。私たちと同じレベルは午後にもあるのですが、このプログラムが含まれているのは担任がジェリーのクラスだけになります。ジェリーがこのチャリティープログラムを授業として含めたのですが、私たちにそのチャリティーを含むきっかけとなった話を聞かせてくれました。
 7年ほど前バンクーバーでの私たちのようなESLの学校で学んでいる女の子がいたのですが、彼女が学校外で週末にランニング中、突然殴り掛かられ、打ち所が悪く彼女は車いす生活になってしまいました。そこで、立ち上がったESLの先生たちがなんとかして彼女を救ってあげようと生徒たちに募金活動をしようと呼びかけたそうです。内容は彼女についてのプレゼンテーション全員の前でし、募金活動をするという内容でした。しかし、一人の日本人の女の子だけが活動を拒みました。先生たちは強要しませんでした。その日からその女の子は学校に来たり来なかったりするようになってしまいました。
 そして、募金最終日、車いすの女の子にお金を渡す日、その日本人の女の子は千羽鶴をもって彼女の前に現れたそうです。彼女がチャリティーを拒んだ理由はシャイで人の前でプレゼンテーションができないと思ったそうです。それでも、彼女を何とかして助けてあげたいと思い、一人で鶴をひたすら折っていたそうです。ジェリーはそのESLの先生の行いや日本人の女の子の行動に心打たれ、たくさんのチャリティーに目を向けるようになったそうです。私たちのチャリティープログラムは来週から始まります。

 来月のレポートでは自分たちがどのチャリティーにかかわったかなどの詳細をレポートしたいと思っています。大変大きなプロジェクトですがとてもわくわくしています。

寿山教授のコメント

 身体の不自由な人と一緒に学ぶことで、いろんな気づきが得られたようです。そして、人が助け合って生きていくことは、人生の中で本当に大切な意味を持ち、その相互関係性が人生に多大な影響を与えることも実感してもらえたらと思います。角さんがチャリティープログラムからどんなことを学んだか来月のレポートが楽しみです。