2013.10.23

シネマ倶楽部(寿山ゼミ)2013年度学外活動第4弾!

シネマ倶楽部(寿山ゼミ)2013年度学外活動第4弾!
<体験学習でミュージカル「レ・ミゼラブル」を鑑賞しました!>

 国際コミュニケーション学部独自イベント「体験学習」が9月16日(月・祝)に中之島フェスティバルホールで開催されました。自らの感性を磨き、人間性を豊かにする芸術鑑賞等をこよなく愛するシネマ倶楽部は、今回も貴重な機会を逃さず「体験学習」に参加することにしました。
 今回の「体験学習」は、去年から今年にかけて大ヒットした映画「レ・ミゼラブル」の生舞台(ミュージカル)でした。特に、3回生にとっては、映画「レ・ミゼラブル」鑑賞がゼミの冬休みの課題であったため、全員がストーリーを理解してその素晴らしさを知っていましたので、生舞台(ミュージカル)への期待はとても大きく膨らんでいました。
 しかし、前日からの大型台風の影響により、当日も交通機関が大幅に乱れ、運行中止等で参加できないゼミ生も数名出てしまいました。春先からこの日をとても楽しみにしていただけにとても残念でしたが、幸運にも参加できたゼミ生には、その素晴らしい感動体験から様々なことを感じ、様々なことを受け取ってもらえたようです。彼らが今回の生舞台を通して感じたこと、得たこと、学んだことをレポートしてもらいました。(指導教員:寿山泰二)

※この学生教育研究活動は阪南大学学会の補助を受けています。

シネマ倶楽部メンバーのコメント

伊勢勇大(4回生)

 ミュージカル「レ・ミゼラブル」をフェスティバルホールで鑑賞しました。館内に入るとまず、予想以上の綺麗さに驚きました。舞台が始まると何よりも最初に、演者の方たちの歌唱力の高さに度肝を抜かれ、思わず聴き入ってしまいました。ストーリーは、慈悲深い教会の人間に感激したバルジャンが人生のやり直しを試みる場面から始まります。ここでは、人一人の人生を変えることの出来る人間の懐の大きさを感じ、自分もこのような人間になりたいと強く思いました。
 時は流れ、バルジャンは市長となります。さらに10年後には、マリウス、コゼットが登場し、マリウスは革命を起こすことを決意します。革命軍内では、ジャベールがスパイであることが発覚してしまいます。一方バルジャンは、マリウスを助けるために、バリケードに加わります。バルジャンの危険を顧みない、愛する者を守るためだけの行動にグッときました。ここでの銃撃戦がとても迫力があり、作中では最も印象深いシーンとなりました。映画のような撮り直しは不可能ななかで、映画以上のクオリティの銃撃戦を生で見ることができ、本当に感激しました。
 たくさんの命が消えたこの戦いで、なんとか一命を取り留めたバルジャンは、虫の息のマリウスを抱え下水道へと逃げ込みます。このシーンも、バルジャンのマリウスを思う気持ちが溢れたとても良いシーンでした。自分の決めたことはやり通す、筋を通すことの重要性を学びました。ここでバルジャンと再会したジャベールは、バルジャンの熱意に圧倒され自分を見失い、自殺してしまいます。ジャベールが命を落とすシーンでは、人の儚さを感じ、自分を強く持つことの大事さを改めて思いました。
 そしてマリウスはコゼットへの愛を貫き結婚、バルジャンは姿を消してしまいます。その後、マリウスはバルジャンのもとへと行きます。しかしバルジャンは危篤状態で、すぐに天国へと旅立ってしまい、ストーリーはここで終了です。人生初のミュージカル、終了、拍手ということで帰ろうと思ったら、ある意味ここからが最大の見せ場でした。
 観客席すべてから拍手がまったく鳴り止まず、お客さんがみんな笑顔で大満足といった表情でした。思わず私も拍手を続けていると、終了後の挨拶を終えたはずの演者達が再び出てきて、何度も何度も頭を下げてくれました。そうなるとこちら側も拍手をやめたくなくなり、そして演者達も再び登場し……。の繰り返しが10分以上も続きました。あんなに長い時間拍手をしたのは初めてですが、全く苦ではなく、拍手では表しきれない演者達への思いがこみ上げてきました。恐らく演者達もそういった気持ちを抱いていたのだと思います。初心者ですが、これがミュージカルの醍醐味なのかなと感じました。
 今回は「レ・ミゼラブル」という大作のミュージカルを観ることができて本当に良かったです。今回の体験を通して相手を敬い、敬ってもらえるそんな人間関係を築いていきたいと思いました。貴重な体験をありがとうございました。

川中美咲(4回生)

 今回の体験学習は、ミュージカル「レ・ミゼラブル」です。ずっと楽しみにしていて自分でもチケットを取っていたのですが、寿山先生にお誘い頂き、観ることが出来ました。
 「レ・ミゼラブル」は、もちろん映画も観ていたので、このミュージカルではどんな風になるのかとわくわくしていました。開演してまず気になったのが、背景スクリーンの映像です。冒頭の囚人が船を漕ぐシーンで、水しぶきの映像が映し出され、臨場感があってとても良いなと感じました。下水道の中を歩いているシーンでも、背景に奥行きが出て、進んでいるように映像が移り変わっていく所が印象的でした。私はミュージカルなど好きでよく観に行きますが、あまりない演出だったので驚きました。座席は3階席の最後列だったのですが、全体が見渡せたので、特に照明や舞台装置によく目がいきました。照明の光はスクリーンの映像と同様に、効果的に使われていて、役者さんやセットが引き立っていました。
 登場人物の中で一番好きなのがエポニーヌです。マリウスに対する恋心、叶わない恋だけど彼のために一生懸命何かやってあげる姿が、切なくてジーンときました。この日のエポニーヌ役は昆夏美さんです。彼女の歌声は好きだなと感じました。調べてみると、昆さんは身長155cmと小柄なのに、それを感じなかったので驚きでした。こうやって一人ひとりを見ていると、他の役者さんはどんなエポニーヌ、その他の役を演じるのだろうと気になります。特に、寿山先生が素晴らしいとおっしゃっていた笹本玲奈さん。残念ながら東京公演のみの出演だったので、見ることは出来ませんが今更ながらにとても気になっています。同じ役でも役者さんによって違いがあるので、何度でも楽しめるのが舞台の良さだと思います。
 ガブローシュ役の加藤清史郎くんは、歌が上手い、そして可愛い! 正直ここまで歌えるのかと驚きでした。さすが天才子役だなと感じました。バリケードを出て銃弾を拾いにいくシーンでは、この先の展開がわかっていましたが、うるうるきました。最期はバリケードの外にいて、声しか聞こえない演出だったのが少し残念でした。歌はどの曲も素晴らしく、「民衆の歌」や「夢やぶれて」は一緒に歌いたくなりました。テナルディエ夫妻の宿屋の歌も陽気なテンポで結構好きです。
 全体的には映画と似ているなと感じました。だから映画から入った人は、わかりやすく楽しみやすいのだと思います。いろんなシーンごとに、映画の映像の記憶がふっと蘇り、展開がコロコロ変わってもついていくことが出来ました。映画とミュージカルでは、たまにストーリーや歌の順番が入れ替わったりもありますが、「レ・ミゼラブル」ではそのままだったと思います。上演時間は休憩をはさみ約3時間10分と長いですが、すごくあっという間でした。
 私が次に観に行く時は一階の前方の席なので、役者さんの表情やオーケストラの音楽など、違う所に注目したいと思います。キャストの組み合わせも今回とほぼ違うので楽しみです。阪南大学国際コミュニケーション学部ではこのように「体験学習」として、無料でミュージカルなどを観に行ける機会があるので、興味が無いと思っている人もぜひ参加してもらいたいです。

田坪千佳(4回生)

 幕開けと同時に、生演奏と歌声が響き、とても迫力のあるスタートでした。第一幕では、娘のために一生懸命働くファンテーヌの様子がとても印象的で、苦しみ、怒り、悲しみ、そして娘への愛情がミュージカルとして歌と踊りで上手く表現されていました。暗いイメージの音楽が流れる中でどこか、娘のために一生懸命に生き延びようとするファンテーヌの強い意思を感じました。そんなファンテーヌの想いを強く受け止め、約束を果たすことを誓うバルジャンは、投獄されていた頃とは別人のようでした。娘のコゼットを引き取ってからの彼が奏でる歌は、とてもたくましいように思えました。
 時間が経つに連れて、大人になり、マリウスに心を惹かれていくコゼットの姿を見守る彼は、もはや本当の父親のようで、愛しい娘の幸せを願うことと裏腹に、どこか寂しい様子が伺えました。恋をする二人のデュエットは、とても綺麗で歌の台詞を聴くと言うよりも、その雰囲気だけで恋をしているんだと思えるほど華やかで幸せな気分になるシーンでした。そんな二人を羨ましそうに見つめるエポニーヌは、このミュージカルの鍵を握る人物のように思いました。私は、このエポニーヌの行動に常にドキドキさせられていました。一途にマリウスを愛し、叶わない恋と分かっていながらも自分の想いを行動で伝え続ける彼女はとても素直で、歌にもそのストレートな想いがそのままミュージカルとして表現されていました。
 第二幕では、第一幕と比べて激しい音楽が多く、迫力さが増していました。このミュージカルは、映画でも上映されており、事前に鑑賞していれば内容をしっかりと把握でき、さらにミュージカルを楽しむ事が出来るのですが、私は事前に映画を見る機会がありませんでした。なので、第一幕に登場していた人物が、第二幕では年月が過ぎた姿で登場してくるので、登場人物を把握するのに少し時間がかかってしまい、内容を整理することに必死になってしまいました。そんな私ですが、第二幕ではミュージカルならではの音や演出に興奮させられ、とても楽しむことが出来ました。地下道のシーンでは声が響くような演出があったり、ドライアイスによる雰囲気作りがとてもリアルでした。また、映像と登場人物が上手く動き、見ている私達まで地下道を進んでいくようなシーンもあり、ミュージカルとの一体感を感じました。
 クライマックスでは、バルジャンがコゼットに自分は本当の父親ではないと告げ、姿を消す様子はとても悲しく、結末がどうなってしまうのかドキドキしながら見ていました。真っ白な服を着たファンテーヌを見た瞬間、バルジャンを迎えに来たんだと分かり、最後までコゼットを幸せにすると言う約束を果たしたバルジャンの姿がとても男らしく思えました。その後、亡くなってしまった人たちが総勢で奏でる歌声はとても綺麗でクライマックスに相応しいものでした。
 今回、「レ・ミゼラブル」の内容を何も知らずに、このミュージカルに参加した私ですが、結末を知らないからこそ、ドキドキするものもありました。次は映画を見て、もう一度このミュージカルを見て、また違った角度で楽しめたら良いなと思いました。

藤村祐司(4回生)

 1985年から今なおロングラン記録を更新し、映画でも話題騒然となった「レ・ミゼラブル」のミュージカルを生で観ることができるということで、とてもワクワクしながら劇場に向かいました。映画の「レ・ミゼラブル」を観たことがあり、この作品をとても好きになったことからミュージカルも鑑賞してみたいと思っていました。3階の後方席だったこともあり、キャストの表情までは観ることはできませんでしたが、素晴らしい歌唱力と細部までこだわる演技は感じることができ、さすがミュージカルだなと感銘を受けました。
 今回、私が注目していた点は映画とミュージカルとの演出の違いです。映画の「レ・ミゼラブル」は、主役のヒュー・ジャックマンが素晴らしい演技力と歌唱力でジャン・バルジャンの生きざまを表現していました。一方、ミュージカルでは、演技力と歌唱力もさることながら、映画とはまた違うリアルな音の反響がありました。これにより、ジャン・バルジャンが過去を捨て新しい人生を生きようとするシーンでは心の奥底までに声が響き、息詰まるほどの緊張感が感じさせられ、「レ・ミゼラブル」の世界観に引き寄せられました。 
 また、私が一番衝撃を受けたシーンが、ジャベールが自己の正義を自ら崩壊させてしまい、現実に苦しみセーヌ川へと身を投げるところです。映画では、CGを上手く利用し迫力ある演出をしていましたが、ミュージカルでは背景を映像化し、ワイヤーと照明をうまく利用して、あたかもジャベールが身を投げたかのような演出方法をとっていました。このような演出方法は、ミュージカルならではであり、もう一度観てみたいと思うほど印象的なシーンでした。何度かミュージカルを鑑賞したことがありますが、背景を映像化した作品は初めてでした。背景を映像化したことにより、森や下水道などのシーンをリアルに再現され、より分かりやすい演出になっていたと思います。
 映画とミュージカルでは、同じストーリー構成でも役者や演出方法が変わるだけで印象が大きく変わりました。映画は、きめ細かく演出され物語の理解度は高く感じました。ミュージカルは、大きくストーリー展開していくものの、観客を魅了し、「レ・ミゼラブル」の世界観に引きずり込ませるほどの音の響きと、それをより引き立たせるオーケストラがなによりも醍醐味であり、本当に観ていても飽きないでずっと観ていたい、聞いていたいと思えるほどの印象を受けました。映画だけでなく、実際に劇場に足を運びミュージカルという違う視点で見たことにより、より一層「レ・ミゼラブル」を好きになりました。また、ひとつの視点だけでなく、いろんな角度から見ることで物の感じ方が変わることも知ることができました。今回の「体験学習」で得たことを今後も活かしていきたいです。

北田伸之介(3回生)

 私は9月16日に「体験学習」でミュージカル「レ・ミゼラブル」を観に行きました。場所は肥後橋のフェスティバルホールでした。私は映画で「レ・ミゼラブル」を観ましたが、人生で初めてのミュージカルにワクワクしていました。劇場は大きく3階まであって、私たちは3階の一番後ろの席でした。その席に座ったときに目に付いたのは、楽器を演奏している場所が舞台のすぐ前の箱のような場所で、1階席の人たちがミュージカルを見ているときの見えない造りになっているのです。私は3階まで音楽と役者の声が届くのか疑問に思いました。
 実際ミュージカルが始まると、音楽と役者の声は一番舞台から離れている私のところまで届いてきました。それはとても迫力があり、映画とはまた違う良さがありました。映画で観たのでストーリーなどは一通りわかっていたのですが、とても魅了される何かがありました。舞台まで遠いため役者の表情まで見えなかったのは残念でしたが、映画ではCGを使って表現されているシーンを舞台にある道具で表現するのは難しいと思いましたが、ミュージカルの魅力の一つだと思います。
 ジャベールが橋から落ちていくシーンなんかは、映画ではCGを使って迫力がありましたが、ミュージカルではワイヤーとバックのスクリーンを使って迫力というか不思議な感じに表現されていました。その他にもバリケードでの銃撃戦のシーンも映画では全体的にリアルに表現できるが、舞台の上では全体的にリアルに表現するのは難しいから、その分表現の工夫や役者の演技力などがミュージカルの成功を左右する大きな役割があると思いました。役者もそうだけど楽器の演奏者もミスは許されないと思いました。
 演技や演奏のミスは個人の問題だけど、演技と演奏のタイミングのミスはミュージカル全体を台無しにしてしまう。それは映画との一番の違いでミュージカルの一番の魅力です。映画の場合ミスをしても何度もチャレンジして一番良いところだけを編集し完成されるが、ミュージカルの場合は何時間もの長い時間を通して一度のミスも許されることはない。演奏者やその指揮者は役者の演技のタイミングを計りながら指揮しなければならないし、演奏者は指揮に対して正確に従わなければならないのです。演技と演奏が一体となって表現する必要があるのです。
 一体となりミスの許されない状況のため演技も演奏にも迫力があるし、熱意も感じることができました。ミュージカル終了後、観客からの拍手は凄いものでしたが、私が最も感銘を受けたのは演技をしていた役者の人たちが、演奏者に拍手で演奏を称え、また演奏者たちも役者に拍手で演技を称えていたところでした。ミュージカルは役者と演奏者が一体となり、そこに観客も一体となれるところが素晴らしいと感じました。

岸 大輔(3回生)

 今回、大学の「体験学習」で「レ・ミゼラブル」のミュージカルを見に行きました。以前にゼミの課題として「レ・ミゼラブル」の映画を見に行きとても感動しました。今回は、劇なので映画とどんなところが違ったりするのか楽しみにしていました。
 会場に入って驚いたことは音楽が生演奏だったことです。やはり生演奏なので臨場感などが映画とは違い、ひしひしと伝わってきました。舞台が始まると舞台はとても迫力がありすぐに見入ってしまいました。気がつくと前のめりになり劇に感情移入していました。歌声もすごく迫力があるところはのけぞってしまうぐらい迫力があり、悲しい場面でも雰囲気が伝わりました。こんなに鳥肌が立ったのは初めてです。座っていた席が一番後ろの席で、歌い手さんの表情まではわからなかったのですが、迫力や悲しみがここまで伝わってくることに驚いていました。
 物語が貧しい頃のフランスということで、人々の感情が喜びではなく、苦しみや絶望しているシーンも多かったです。そこを歌い手の人がものすごく感情豊かに歌い上げていました。囚人が法の理不尽さ、人々が貧困で生きる希望を失っている様、学生が明日のために命をかけ戦っている様子、ジャン・バルジャンがコゼットに最大限の愛を注ぐところを見て聞いたらすごく感動しました。今の生活に満足しているところがあり、普通に生活でき明日がある幸せというものを改めて認識しました。
 一番聞きたかったシーンがありました。ファンテーヌの「夢やぶれて」です。娘のために体を売ったりして、彼女が人生のどん底に落ちた時の歌です。聞いていると自分の頭の中に自分の中でもすごくこんな感じだったのかなと想像してきてすごく悲しくなりました。他にもジャベールがジャン・バルジャンを必ず逮捕すると誓ったシーンもジャベールの決意がとても伝わってきました。観客にそういった感情が劇を見て植え付けられるのは劇ならではと思いましたし、素晴らしいと思いました。映画と違うところは劇だとものすごく感情移入して自分も悲しくなるところや頑張って生きなければと思うところかなと思いました。
 最後に驚いたことは、劇が終わったと同時にものすごい拍手があったことです。あんな鳴り止まないものすごい拍手を初めて聞きました。そして皆さん立ち上がって拍手をしていました。自分自身もこんな素晴らしい舞台を見せてもらってありがとうと自然に拍手をしていました。この拍手が観客の感動を表していると思ったら、なんて素晴らしいもの見ることができたのだろうと嬉しくなりました。この感動をいろんな人と共有できていると思うとさらに嬉しくなりました。また、この先こんな感動することは一体何回あるのだろうと思いました。映画を見たときも思いましたが、また明日から頑張って一生懸命生きていこうと強く思いました。

孫 歩(3回生)

 9/16に「レ・ミゼラブル」を「体験学習」として見に行きました。フェスティバルホールには何度も行ったことあるのですが、新しくなったフェスティバルホールは初めてで、とても楽しみにしていました。「レ・ミゼラブル」は、一度映画を見たことがあったので、ストーリーは頭の中に入っていましたが、ミュージカルとなるとどういう感じになるのか想像もつきませんでした。映画を英語で見ていて、日本語でやるとどんな風になるのかも気になっていました。舞台が始まり、まず音楽に引き込まれていきました。やはり、生オーケストラだとすごい迫力が出るし、音楽が体に響いてくる感じでした。と同時に物語に引き込まれていきました。
 心に残ったシーンはいくつもありました。その中のひとつが、ファンティーヌが「夢にやぶれて−I DREAMED A DREAM−」を絶望の中で歌うシーンです。このシーンは、映画でもとても感動したシーンでした。工場をクビになり、恋人の思い出のペンダントや自分の髪の毛まで売り、娼婦に身を落としてしまったファンティーヌ。そんな中歌うこの歌が、本当に心に響いてきて涙が出ました。
 次に心に残ったシーンは、革命を潰そうと乗り込んだ刑事ジャベールがスパイだとばれ学生たちに捕まったが、ジャン・バルジャンが逃がしたシーンです。囚人のときにとてもひどいことをされたのに取り引きもせず、ただ「君は職務を全うしただけだ、恨みなどない」と言ったときは、驚きと人はここまで変われるんだなって思いました。普通だったら復讐したい、殺したいと思うはずなのに、人としてすごいと思いました。
 戦闘が始まり、学生たちが命を落としていく中、ジャン・バルジャンとマリウスが一命をとりとめ、ジャン・バルジャンがマリウスを救い出すシーンも心に残りました。下水道に逃げ込み、ジャベールと再会してしまうが、「またも職務の奴隷か!」と叫び、見逃してもらったジャン・バルジャン。自分自身も傷を負っているのに、コゼットが愛しているマリウスを助ける姿は、血の繋がりはなくても本当の父親にしか見えませんでした。
 もっとたくさん心に残ったシーンはあるのですが、書ききれません。それくらい目が離せないし、夢中になってしまう舞台でした。オーケストラと役者さんたちの阿吽の呼吸というのでしょうか、とても息がピッタリですごいとしかいいようがありませんでした。舞台が終わってから拍手が鳴り止まず、どれだけの人がこの舞台で感動を与えられたのか、すごく伝わってきました。いつかまたこの舞台を見る機会があればぜひ行きたいですし、今回行けなかった人にもぜひ見てほしいです。見ればきっと感じるものがあると思います。
今回参加できて本当によかったです。ありがとうございました。

林 玲於(3回生)

 まさに圧巻、その言葉に尽きるミュージカル「レ・ミゼラブル」は感動と興奮の連続でした。当日は、台風という悪天候でしたが、私が開演1時間前に会場に来た時は、すでに多くの人が集まっており、改めてこの作品の人気とこの舞台への期待感は凄いと感じました。私は、「レ・ミゼラブル」を映画で観た事があったので、今回、舞台を観るにあたり、映画とは違う舞台ならでは演出。そして、作品自体を観るのは二回目なので、新たに感じる事があるのかという点に注目し鑑賞する事にしました。
 「レ・ミゼラブル」は、フランス革命後、王政が復活した1815年のフランスを舞台に、飢えた妹の子どものために、パンを1つ盗んだ主人公であるジャン・バルジャンの一生を描いており、その中で主人公がいろんな出来事と遭遇して愛とは何か、自由とは何かを考えていくミュージカル作品で、観た人誰もが、演じる方1人1人の歌声と最後まで息をのむ展開に魅力されると思います。もちろん私もその1人です。
 そんな素晴らしい作品の中で私が特別印象に残っているのは、物語の後半、仮釈放という身分にも関わらず、そのまま逃げ出したジャン・バルジャンを追うジャベール警部が最後、橋の上から飛び降るシーンの演出です。これは、上記で書いた舞台ならではの演出にも当てはまる事なのですが、映画でこのシーンの事は知っていて、この舞台でどういう風に再現するのかなと思っていました。
 すると、舞台後方のスクリーンが川の映像になり、周りが暗くなってそのスクリーンに向かってジャベールが後ろに下がっていく演出をしていました。それを観た私は、落ちるといったら下に落ちるという発想しかなかった事が、恥ずかしかったです。確かに、下に落ちるという演出だと、川に落ちるという状況を観ている人に伝えるのが難しい、そこでスクリーンを使って、そこに川を映すことで、川に落ちていくというのが分かりやすくなる。そういった点で舞台ならではだと感じその演出に感心し、印象に残りました。
 そして、上記に書いたもう一つのこの舞台を鑑賞して新たに感じた事は、時間というのは、私達の事を考えて進んでいるわけではない。その中で誰しもが自由や幸せの明日が来る事を望んでいる。ただ、それが叶うかどうかは明日にならないとわからない。だからこそ、自分達が望んでいる明日が来る様に今日という日を一生懸命生きるのが大切で、それが臨んだ明日に繋がるのだとこの舞台を観て新たに感じました。この様に、今回ミュージカルを鑑賞して演出や表現方法などから映画とはまた違った感動を得れる事ができ、やはり世界観を広げる事は自分にとっていい事だと改めて感じました。本当に貴重な体験ができました。

河西俊彦 (3回生)

 今回、フェスティバルホールでミュージカル「レ・ミゼラブル」を見に行かせていただきました。主人公ジャン・バルジャンは19年も刑務所にいたが仮釈放されました。しかし、またもや老司教の銀食器を盗んでしまいましたが、司教はそのことを許しました。その事を後悔したジャン・バルジャンは正直な人間として生きていくことを誓いました。その後、工場主として成功を収め市長になった彼は、以前自分の工場で働いていたファンテーヌと知り合い、幼い娘コゼットの面倒を見ることになりました。そんなある日、ジャン・バルジャン逮捕の知らせを聞き、法廷で自分の正体をあかし、追われることになりました。
 ジャン・バルジャンを追っているジャベール警部が橋で自殺するシーンにとても関心を持ちました。ジャベール警部は法を忠実に守り、ジャン・バルジャンを追っていたが、ジャン・バルジャンの法とは関係なく、人を助ける行動見て、完全に打ちのめされ自殺した。そのシーンの演技は一人で舞台に立っているのにもかかわらず、とても圧巻されました。そこにかける役者さんの思いがとても伝わってきました。そこにはジャベール警部の法の信念やジャン・バルジャンから見せられた法とは違う信念で混乱している姿が写し出されていました。
 自分とは違う信念を持っている人と出会うことは必要だと思いました。ジャベール警部は強い信念を持っていため自殺してしまいましたが、変われるチャンスだったかもしれません。ジャベール警部のように、ひとつの強い信念を持つことはあまり良くないと感じられました。やはり、相手の良いところを見習い、変わっていかなければならないです。私もこれから多くの人に出会い、自分が信じてきた事が違っていることがあると思います。その時は、良いところを吸収していきたいです。二人が関係するシーンで、ジャン・バルジャンがジャベール警部を射殺できるところがありましたが、ジャン・バルジャンはジャベール警部を逃がしました。そこで射殺していれば、自由の身になれたはずでした。そこには、正義感もあったと思いますが、私は「人は変われる」という思いがあると感じました。
 ミュージカル「レ・ミゼラブル」を見に行って、とても良かったです。映画を見ていたため、どのようにミュージカルで演じられているのか、気になっていました。映画とは違い熱意が伝わり、生の歌声にも感動しました。しかし、席が遠かったため、役者さんの表情が見えかったのは残念でした。表情が見える席でもう一回ミュージカルを楽しんでみたいです。ミュージカルで楽しく、新しい感性を磨くことができるため、今後も「体験学習」に参加していきたいと思いました。

辻本一樹(3回生)

 「迫力と感動の波が映画とは比べ物にならない」これがミュージカルを初めて見た私の正直な第一印象です。私は9月16日に、国際コミュニケーション学部の「体験学習」であるミュージカル「レ・ミゼラブル」をフェスティバルホールで鑑賞しました。「レ・ミゼラブル」は19世紀フランス革命の時代の物語で、ジャン・バルジャンという1人の男の人生を描いた作品です。映画は2012年の12月に公開され、数々の賞を取るなどして大成功を収めました。
 私は映画版の「レ・ミゼラブル」を3回見ました。とても素晴らしく、感動できる作品です。しかし、今回のミュージカルという形になるとどうなるのかとハッキリ言って不安でした。そもそも、ミュージカルというものを見たことがなかったので、なおさらどんなことになるのか想像出来ませんでした。私たちの席は最上階の一番後ろでした。ミュージカルが始まるまでは、こんな席からしっかり見ることが出来るのかと考えていましたが、そんな愚かな考えは始まりと共にどこかへ飛んで行きました。
 最初は「囚人の歌」から始まるのですが、音楽が鳴った瞬間に音と迫力に体がビクっとなりました。オーケストラボックスから演奏される生の音楽と出演者の歌声の心を抉るような力強さと響きに、只々圧倒されていました。歌は日本語で、セリフは映画の日本語の字幕と一緒でした。「囚人の歌」の場面は船着き場のような場面で舞台のセットも当然そのような物となっていましたが、場面が変わった瞬間、まるで全く違う場所に居るかのようにセットが変わりました。各場面でほとんど同じセットを使っているのですが、ライトの色を変えたり、設置する角度を変えたりすることによって、全く違った場面を作り上げていました。
 私は印象に残ったシーンが2つあります。1つはバリケードを築いて学生と警察が戦うシーンです。映画の方では警察が出てきて学生と戦うのですが、ミュージカルの場合、警察関係者はジャベールただ1人だけです。これをどのようにして表現したかというと、警察のセリフと銃声と光です。警察隊がいるようなセリフで警察を表現し、銃や大砲の爆発音と光で戦いを表現していました。
 もう1つは、ジャベールが川に自らその身を投げ出すシーンです。映画では、橋の上から渦巻く川に向かってキレイに落ちていきますが、ミュージカルの舞台の上であれをどう表現するのか。私は当日、家を出る前からずっと気になっていました。答えは、後ろのスクリーンに落ちていく背景を映し、落下していることを表現したのでした。さらに、段々と舞台を暗くしていくことによって、水に沈んでいることも表現していました。私の頭には全くない表現の仕方だったので、このような表現方法があるのかと気づかされました。
 舞台が終わると観客の拍手は鳴りやまず、何回も何回もカーテンコールに応えてくれました。まさにこのミュージカルの素晴らしさを表しているのではないでしょうか。このような素晴らしいミュージカルを鑑賞できるチャンスを下さったことを非常に嬉しく思いました。ありがとうございました。