2013.6.7

シネマ倶楽部(寿山ゼミ)2012年度学外活動第8弾!

シネマ倶楽部(寿山ゼミ)2012年度学外活動第8弾!
<第2回神戸スイーツ学会研究発表会に参加しました>

 昨年に引き続き、今年もシネマ倶楽部(寿山ゼミ2回生)の公式行事として、2013年3月23日(土)に大手前大学で開催されました第2回神戸スイーツ学会研究発表会に参加致しました。神戸スイーツ学会とは、神戸の地場産業としてのスイーツ業界を全国的に広め、盛り上げていく幅広い活動の一環として、学術研究の立場から支援・協力をしている学会です。第2回の今回は、より積極的に学会活動に関与し、問題意識を持って業界を取り巻く環境、社会情勢を理解するため、ゼミ生全員が当日のプログラムを分担してレポート並びに感想等をまとめてみました。

※この学生教育研究活動は阪南大学学会の補助を受けています。

1.開会挨拶・基調講演「顧客価値向上の戦略」
(加護野忠男氏:神戸スイーツ学会理事長)

 開会の挨拶、基調講演「顧客価値向上の戦略」を共に、神戸スイーツ学会の加護野理事長からお話を伺うことが出来ました。開会挨拶では、神戸スイーツ学会は研究者だけでなく、スイーツ好きが集まるおもしろい学会だとおっしゃっていて、どんな話が聞けるのか私自身すごく楽しみでした。基調講演では、顧客価値向上のためのそれぞれのお店の戦略などを聞くことが出来ました。その中でも私が特に印象に残ったのが、ドーナツ屋さんの戦略方法です。「ドーナツ屋で美味しいドーナツを出してもその店は売れない」という加護野理事長の言葉の意味が、最初私には理解出来ませんでした。
 しかし、成功しているドーナツ店の例として、おじさんたちが好まないような女性受けする可愛らしい商品を提供したり、外から見えるようにガラス張りにすることによって、おじさんたちを入りづらくし、男性の目を気にせず、女性がくつろげるスペースづくりをしているということを聞き、改めて考えると確かにそうだなと感心させられました。また喫茶店では、お客さんの滞在時間をコントロールするために、椅子の固さや店内の温度を調節したり、店内が騒がしくならないよう、イタリアオペラのような音楽をかけたり、その店の食べ物に力を入れるだけでなく、お客さんにくつろげる空間を提供するということを大事にしているんだということも分かりました。このように顧客価値というのは、使う場所や相手によって変わっていくものなんだと、この基調講演を通してとてもよく理解することが出来ました。(江口菜穂子)

2.特別講演「スイーツストーリー お菓子の歴史・文化をさぐる」
(吉田菊次郎氏:ブールミッシュ代表取締役)

 僕は、この吉田菊次郎さんのことをよく知らず、資料を見て初めて知りました。経歴を見たらとてもすごい方だとわかりました。講演タイトルは「お菓子の歴史・文化をさぐる」というものでした。普段お菓子はよく食べますが、それがいつ、どこでできたかを考えたことはあまりありませんでした。お菓子の世界大会で銅賞を受賞した人からそのような話を聞けることにワクワクしました。話を聞いてわかったのですが、吉田さんはとても気さくな方で、自分がテレビに出演すれば視聴率が上がるとおっしゃっておられました。そのあとに、本題に入ったのですがジェラートは、イタリアのぬくい地域が発祥であること、チョコレートは飲み物だったこと、カカオがフランスに伝わりショコラブームがきたことなど、普段知りえないことや当時の歴史にスイーツがどのように関わっているかをわかりやすく教えていただきました。お菓子が生まれるきっかけというのは、戦争や宗教、若い女性に走ろうとする夫を振り向かせるためなど、いろいろなものがあったようです。
 また、吉田さんは日本人が「ふんわり、しっとり、クリーミー」が好きだとおっしゃいました。
 それは、まさに人気のあるショートケーキが当てはまります。最後に、僕の心の中に一番残っているのは吉田さんの話姿でした。とても楽しそうにしておられ、お菓子のことが本当に好きなのだと見ていて思いました。自分の好きなことをとことん突き詰めて自分の職業にしてしまうのは本当に素晴らしいと思いました。だからこそ、あんなに楽しそうに気持ちよく話しておられたんだと思いました。僕はこの講演でそこが一番印象に残りました。(岸大輔)

3.分野別発表会
A:技術研究分野「洋菓子のおいしさの要因」
(松井博司氏:大手前大学教授)

 私の担当は、技術研究分野でした。なので、洋菓子のおいしさの要因について書いていきたいと思います。まず、はじめに「おいしさとはなんだ?」と問われても、すぐに答えることは出来ません。味覚も人それぞれ、1人が美味しいといっても、もう1人は美味しくないと言ったり、もしくは、その人が味音痴だったりと、感じ方も人それぞれです。そこで、おいしさの要因は10個あるといわれているので、その要因10個をあげてみたいと思います。それは、1味覚(五味)、2色彩、3形状(造形)、4テクスチャー(食感)、5嚥下感、6香り・風味、7後味、8食べ方、9飲料、10空腹感、です。消費者の90%は外観で選ばれているともいわれています。次に、トッピング、生地、クリームなどのデコレーション、ここで80〜90%はもう決まっています。これは、お菓子に対する情報がないということです。ここでお肉を例にあげてみます。それが神戸牛とわかって食べるのと、知らないまま食べるのでは知っているほうがよりおいしく感じます。情報がわかって食べるということは、脳が食べているということにもなるからです。こうしたことから、特に食べ物の情報と3つめの形状が大事だなと思いました。味覚の面では、甘味と酸味を合わせた時、酸味が甘味を消し去ってしまったり、苦味と甘味のバランスが良かったり、塩味→甘味の拡がりを引き締めたり、旨味→甘味・旨味→塩味で強弱がついたりします。この学会を通して、スイーツそのものの奥深さ、「おいしい」の深い意味などを知ることができてとても良かったです。(水野夏美)

B:商業・経営研究分野「老舗の挑戦 〜 pon pon Ja pon 〜 」
(西村順二氏:甲南大学教授、 小林昌平氏:株式会社あみだ池大黒専務取締役)

 今回、大黒あみだ池の小林専務の話を聞かせてもらうことができました。そこで学ばせてもらったことは、新しいことに挑戦することなかで何が大切であるかです。大黒あみだ池さんは昔からある老舗です。老舗のイメージでは「考えが古い」などがあります。しかし、小林専務は「何もしないで業歴が長いわけではなく、最終段階までいったからそれを続けている」とおっしゃっていました。僕は軸がちゃんとしているからこそ、企業として何百年も続くのだと感じました。どんな企業でも衰退期を迎えることがあると思います。そこで、小林専務は老舗の固いイメージをなくすような商品を作ろうとしました。そこで出来たのが「pon pon Ja pon」です。コンセプトは女性向けで、可愛らしいというイメージです。パッケージにも工夫がされとおり、とても手の込んだ商品だと思いました。「pon pon Ja pon」ができるまでのお話をきかせてもらうと、多くの出来事が起こっていることが分かりました。男性の社員と女性の社員では思っているイメージが違うということなど、新しい挑戦をする中で新しいことを学ぶことができると感じました。
 この挑戦はイメージを変えるだけではなく、今後、自分が開けた穴を他の社員が広げていってほしいとおっしゃっていました。僕はただ新しい商品をつくるのではなく、その先のことまで考えているのだと学ばせていただきました。このように軸がちゃんとしており、先のことまで考えているからこそ長い間続くのだと思いました。甲南大学の西村教授のお話も聞かせてもらうことができました。そこで学ばせてもらったことは、サービスするなかで消費者に耳を傾けることの重要性です。消費者が求めるものを超える提供をしなければならないということです。多くの意見を聞くことが必要であると思いました。今回、お二人の発表を聞くことができ、とても勉強になりました。(河西俊彦)

C:商品化・デザイン研究分野「商品化の流れとデザイン」
(大田尚作氏:神戸芸術工科大学教授)

 現在のデザインについて3つのコアがあるとおっしゃっていました。私はそのことを簡単にまとめてみました。

1.ニーズとマーケットへの想像力
 ここで重要なのが自分の感覚を大切にして、ニーズやマーケットなどの消費者に楽しい日常生活を提案することです。デザインは視覚で商品に付加価値を付けるもので、その例として、キウイそっくりの形をした紙パックのジュースが紹介されました。とても面白い発想で普通の紙パックジュースと並んでいると私はデザインされた方を手に取ると思いました。

2.未知の領域・プロダクトや先端技術を使う
 未知の領域とは要するに今までにないものです。ありきたりのデザインだと無難かもしれませんが、消費者の目を引くことは難しいでしょう。そこで、今までに見たことがないようなデザインで消費者の興味を引くわけです。例えば、マイナスなものをプラスにするデザインです。コップに水を入れると、周りに水滴が現れて底が濡れてしまうことがあります。しかし、底が桜の花びらにデザインされたコップは、水滴で桜を描くことができます。まさにこれがデザインの力だと思います。また、最近では3D造型機ですぐに試作品ができるので、デザインがしやすいそうです。

3.現実化
 先に挙げた3D造型機のおかげで考えたデザインをすぐに現実化することができる時代です。さらに、この造型機は人間の歯や臓器なども造型できるそうで、技術の進歩は素晴らしく、また恐ろしいものだと思いました。最後に、大田教授は「デザイン=なんだかわからない」とおっしゃいました。とても意外な答えでしたが、非常に理に適っていると思います。「デザインとはこういうものである」と定義されていれば、個性的なデザインは生まれないと思います。デザインは正解のないもので、それ故に消費者の興味をそそるデザインが生まれるものだと思いました。

4.パネルディスカッション「神戸スイーツの未来を考える」

・パネルディスカッションのパネラーとして、神戸スイーツに関わっているパティシエ、農家の人、神戸を中心に農業や神戸市、神戸の大学を中心に神戸スイーツの新しい商品を作っていこうという「1・2・3=6プロジェクト」の代表の学生、スイーツ会社の社長が臨席され、これらのパネラーが個人個人考えている神戸スイーツの未来を話してくれました。
 パネルディスカッションで話していた人たちは、それぞれに志を強く持っていました。例えば、モンブランの松田社長の場合は、日本の「父の日」はモンブランをプレゼントしようという志をもって、季節の食材でモンブランを作るなど工夫をしています。日本では、「母の日」ではカーネーションをプレゼントするが、「父の日」では特に決まったプレゼントはない。そこで、松田社長は神戸から「父の日」はモンブランをプレゼントしようというイベントを発信しているのです。松田社長以外でも、農業をしている大西さんの志は、いろいろなイベントなどを通じて多くの人たちに農業に触れてもらえる機会を増やそうと考えていましたし、「1・2・3=6プロジェクト」の学生代表の吉川さんは、スイーツを作っている生産者の話を多くの人に聞いてもらいたいという志を持っていました。そういった志を持った人たちが、神戸スイーツの未来について考え行動すれば、良い未来になっていくだろうと感じました。兵庫県は、多くの種類の農作物がとれるため、ブランド化がしにくいが、それらの農作物を使ってスイーツにしてしまえばブランドになっていくとの話がありました。このように、農業のプロとプロのパティシエが手を組めば良いスイーツが生まれてきます、そこに、消費者代表としての学生のアイディアが加われば、もっと良い商品に変わっていく、これが「1・2・3=6プロジェクト」でした。このように、プロとプロが手を組むことが大切で、良いものが生まれることがわかりました。さらに、志のある第三者のアイディアを加えればより良いものに変化していくことを実感しました。これは、神戸スイーツだけの話ではなく、あらゆることに活用できると思いました。(北田伸之介)

・午後に行われた「神戸スイーツの未来を考える」をテーマで話し合いがされたパネルディスカッションについてまとめていきたいと思います。このディスカッションは、神戸を拠点として国内外活躍する一流パティシエの方や自分の田畑で取れた神戸野菜や花を全国に広めていくイベントを定期的に開催されている方など、聞き手役を勤めた神戸スイーツ学会の加護野理事長を含めた6名で行われました。ディスカッションの内容としては、今後の神戸スイーツのあり方についての話し合いもちろんの事でしたが、「なぜこの職業を選んだのか?」、「ここまでの地位を築くためにどういう努力をしてきたのか?」など私達学生がこれからの就活に向けて参考になる事も話し合われ、とても幅広い内容を聞く事ができました。その中で、私が特に印象に残っているのは、皆さんが今後の神戸スイーツついて、パティシエの方だったら工夫されたスイーツを作ったり、イベントを開催する時にいかに他県の方を呼びこんで神戸に足を運んでもらうかなど、神戸スイーツの未来が明るくなる様に努力されているのはもちろん感じ取れたのですが、それと同時にその努力が、自分達の会社の利益にしっかりと繋がる様にも工夫しているのが、1人の経営者としても凄いなと感じ印象に残りました。最後に、皆さん、自分の考えにしっかりと自信を持って発言しておられていたので、見ている私にとっては、とても見応えのあるパネルディスカッションでした。(林玲於)

5.親睦会

 学術研究発表会後に行われた親睦会についてまとめていきたいと思います。大勢の企業の方や社長の方々の中に私たちのような学生が入り、正直何を話せばよいかはじめは戸惑いました。しかし、どの方も気さくに話しかけてくださり、とても充実した時間を過ごせました。特に「パティシエ ニシカワケンジ」の西川健司さんとのお話は、とても興味を引くものがありました。西川さんは、21歳で自分のブランドを持つこと考え、23歳で起業したそうです。今の私とほぼ同じ歳に起業を考え、実際に成功している姿をみて、今の自分がどれだけ将来について曖昧な目標しか持っていないかを改めて思い知らされました。
 そして、西川さんは、現在はほんの通過点に過ぎず、まだまだ上の目標に向かって努力したいとおっしゃっていました。人は壁にぶつかるたびに成長し、そのたびに周りの人間関係が新たに作られる、自分にとって本当に必要な人間は何も言わずともついてくるし、必要でない人間はおのずと去っていく、そうして人間関係は作られていくとおっしゃってました。また、単純においしいお菓子を作れば顧客を獲得できるのではなく、その店の人間の質がそのお店のお菓子の価値を決めるとおっしゃっていました。だから西川さんは、現在でもお店に立っていらっしゃるそうです。私は、西川さんのお話を聞いて、いかに人間関係が大切かを知ることができ、大変勉強になりました。(佐山勝紀)

寿山教授のコメント

 学会活動は、各分野における専門的な学問をより深く探究し、その成果等の公開発表を行い、社会に貢献していくことにあります。神戸スイーツ学会も同様に技術研究、商業・経営研究、商品化・デザイン研究といった異なる視点からスイーツを学問的に研究しています。また、研究者だけでなく、スイーツ商品を取り扱う企業の経営者、個人で製造・販売されているオーナーパティシエ、スイーツ評論家・愛好家なども正会員として受け入れ、とても幅広い様々な視点から実践的に神戸スイーツ業界を認知、盛り上げようとしているのが特徴です。敷居を低くすることにより、親しみやすさと異分野の刺激的な交流も深めながら、本格的・専門的な学術研究が行われています。そんな学会活動を通して、学生たちが「社会」の現実・現状を少しでも体験的に知り、理解する支援を今後も継続できればと思います。レポート及び感想等を見ながら、それぞれに大きな成果等があったことを嬉しく思います。

参加学生の感想等

江口 菜穂子

 3月23日に大手前大学で行われた、神戸スイーツ学会の学術研究会に参加しました。この学会ではスイーツ業界でとても有名なパティシエの方や、スイーツの技術やデザイン、経営学などに詳しい様々な大学の教授の方から直接お話を聞くことができ、とても貴重な体験をすることが出来ました。今まで何気なく食べていたスイーツでも、それぞれに細かい工夫が凝らされており、たった一つのスイーツにも、たくさんの人の思いが込められているのだと改めて実感しました。この学会を通して、みなさんの神戸スイーツに対する強い熱意を感じ、私自身も今まで以上にスイーツに関心を持つことが出来ました。これから神戸に行く際には、いろんなお店をたくさん回って、是非自分のお気に入りの神戸スイーツを見つけたいなと思います。

岸 大輔

 僕は、このような学術研究発表会という場は初めてですごく不安でした。話についていける気がしなかったからです。ですが、スイーツの学会でしたのでそんな堅苦しくもありませんでした。普段食べるために買うスイーツですが、売り手側の話はとても興味がありました。甘みと苦みの相対性という酸味は甘みを消しさり、苦みと甘みはバランスで成り立つなど、何も考えずに食べている裏側では、このような法則があることを知りました。一番興味が湧いたのは、体がほしがるものは体が受け入れておいしいが、人工甘味料などは体が欲していないので、後味などに不快な味がするということです。自分自身もゼロコーラなどは後味が嫌いなので、その理由に納得しました。最後の親睦会では、発表していた教授やパティシエの人たちとお話しすることができ、とても有意義な時間を楽しむことができました。

水野 夏美

 3月23日私たちは神戸スイーツ学会の学術研究発表会にお邪魔させて頂きました。学会は、加護野理事長の挨拶で始まりました。私がこの学会で1番印象に残ったのは、「洋菓子の父」と呼ばれている吉田菊次郎さんのすごいテンポの良いトークでした。講演の内容は『スイーツストーリー お菓子の歴史・文化をさぐる』というものでした。その中でも、マリー・アントワネットが出てくるところが私は好きです。話の内容も始めから最後まで、とても面白く楽しかったです。その次に気になったのは、『商品化の流れとデザイン』についてお話ししてくださった神戸芸術工科大学 教授の大田先生のお話しでした。
 バナナジュースのパックを本物のバナナの皮みたいにしたり、ガラスのコップの底を桜型にすることによって、テーブルに残る水滴を桜が咲いている様にするといったような、ちょっとしたひと工夫で劇的な変化が起こることがわかり、凄い衝撃を受けました。このような学術研究発表会に参加したのは初めてでしたが、大変勉強になりました。

河西 俊彦

 今回、神戸スイーツ学会に参加させてもらってとても良かったと思いました。発表している人の共通点は、目標や考えにちゃんと軸があるということでした。みんな自信を持っていると思いました。僕が心に残ったのは懇親会です。僕自身、初めての経験だったのでどんな感じになるのか不安でした。日常では会社社長などとお話する機会なんてありませんので、少しでもお話ができて良かったです。しかし、話をするキッカケなど、自分から質問することが出来なかったのが今回の反省点です。自分から質問するには、知識が必要だと感じました。新しい経験ができて、次に懇親会などがあるときは考えて質問をして、相手の良いところを盗んでいきたいと思いました。そして、就活において幅も広げていけたらと思っています。

辻本 一樹

 私は3月23日に大手前大学で行われた「神戸スイーツ学会」の第2回学術研究発表会に参加しました。今回の発表会で一番印象に残ったのが、商業・経営研究分野「老舗の挑戦〜pon pon Ja pon〜」で講演された株式会社あみだ池大黒の小林昌平専務です。「おこし」の老舗メーカーあみだ池大黒の新商品「pon pon Ja pon」の開発から発売にかけてのお話をされました。その中で私は、新ブランドを立ち上げることの難しさを知りました。特に、商品名は社内でも意見が分かれたようで、なかなか決まらなかったそうです。また、味のバリエーションを予定よりも増やすなど商品も試行錯誤を重ねて今の形に至ったそうで、新商品を棚に並べるのはとても難しいことであると感じました。
 そして、小林専務の次に発表された甲南大学の西村教授が1つの商品の市場での賞味期限をグラフにしたものを示され、新商品を出すことの意味を分かりやすく勉強できました。親睦会では、私が就きたい仕事をされていた方が偶然にもいらっしゃり、色々な質問をさせて頂き、大変充実した時間を過ごせました。

北田 伸之介

 今回はゼミ活動で3月23日(土)に大手門大学アートセンターで行われた、神戸スイーツ学会の学術研究発表会に参加しました。そこで話されていた内容としては、もちろんスイーツの味についても話されていましたが、スイーツのデザインや売り方や歴史、スイーツの作り手であるパテェシエの話や、そのパテェシエに素材を提供している兵庫県の農業の人の話など神戸のスイーツに関わっているいろんな人たちの話を聞くことができました。そういった話を聞いていろいろ考えさせられたが、スイーツの価値というものについてです。スイーツの価値とは、おいしさや、甘さだけではないのではないということです。同じケーキを持って帰って家でゆっくり食べるケーキと、できたてのケーキをそのケーキ屋さんのソファーに座って、ゆっくり食べるのでは同じケーキでも全く違う価値観になってしまうということです。スイーツの価値は、人それぞれですが、味だけではなく、食べる場所、デザインもスイーツの価値といえることがわかりました。神戸スイーツの価値としては、味もデザインの価値のうちの一つですが、一番の価値は兵庫でとれた素材を生かして作っているところだと思いました。
 そのことによって、スイーツがブランド化されて地域が協力し、「1・2・3=6プロジェクト」といった第3次産業に対抗できる第6次産業が誕生して、他の地域の農家にも希望が生まれると聞きました。そういったように、いろいろな価値観が生まれてくる現在があるのは、今まで神戸スイーツに関わって来た人たちの努力という過去の延長線上であり、これからの未来へもつながるというのも神戸スイーツの価値でもあることがわかりました。

林 玲於

 今回、神戸スイーツ学会の学術発表会に参加させていただき、人間の味覚とスイーツの味の関係性や老舗の菓子屋が経営を再建した話や消費者の購買意欲を高めるデザインついての話など、スイーツのいろんな面の話を聞くこと出来て、スイーツの奥の深さを感じることができました。今回の学術発表会された方々は、スイーツを食べる時は、ただおいしいとかだけではなく、「なぜおいしいのか?」とか「どうしてこの商品を買ったのか?」など、いろんな事を感じながら味わうのだと思いました。もう少し純粋楽しめばいいのにと思う部分がありましたが、このように感じ取って味わってくれる方たちがいることで、おいしいスイーツが誕生していき、さらにどんどん新しいスイーツが誕生していくのだと思います。なので、私もいろんな好きなものがありますが、それを純粋に楽しむだけではなく、そこで「なぜ?」とか「どうして?」と少し考えて見ていきたいです。そして、その一つの疑問で自分の好きなものがさらに魅力的なものになっていけばいいなと思いました。そんなことも感じた学術発表会でした。

佐山 勝紀

 今回の学会で、普段おいしいなどとしか考えていなかったスイーツを、経営学、歴史など様々な角度から考えることができ、非常にいい経験になりました。ただおいしいお菓子を作るのではなく、どのようなデザインにするか、ターゲット層はどこに絞るかなど、お菓子はひとつのビジネスとして、わたしたちの生活にあるのだと感じました。
 また、親睦会では大勢の企業の方や社長の方々がいらっしゃり、正直何を話せばよいかとても戸惑いましたが、どの方も気さくに話しかけてくださり、とても楽しく充実した時間を過ごすことができました。普段関わることのない様々な方とお話をさせていただくことができ、これからの自分にもいい刺激になりました。今後もこのような活動に積極的に取り組み、自分自身をもっと成長させていきたいです。