神戸スイーツ学会 第1回学術研究発表会に参加しました

国際コミュニケーション学部 寿山ゼミ 多野 加菜子

神戸スイーツ学会第1回学術研究発表会

 3月25日(日)13時、大手前大学で神戸スイーツ学会第1回学術研究発表会が開催されました。今回は、寿山ゼミ2回生のほとんどの学生が参加。私は今回、初めて参加させていただきました。

 開催大学の大手前大学の福井理事長の挨拶の後、第1回の神戸スイーツ学会ということもあり、兵庫県洋菓子協会の副会長を務める福原氏と、株式会社CUADRO代表取締役三坂氏の両名が、兵庫県洋菓子協会の65年に渡る歴史をお話くださいました。

講演の様子

 どんなものにも歴史はありますが、スイーツの歴史は明治初期から始まり、平成へと時代の流れと共に変化しました。その中で、私が強い印象を受けたのは、「バブル崩壊時、阪神淡路大震災時のスイーツ」です。大震災のため、数多くの店舗が廃業となりました。菓子ライバル会社同士の商品を一緒にトラックに積むなど、普通では有り得ない事態や、一旦、社員をリストラしなければならない状況、そして再び社員を雇用することなど、様々な苦労を乗り越えて今があるということを、ていねいに細かく説明してくださいました。

講演の様子

 続いて、大手前大学のスイーツ学専攻の松井教授による、洋菓子の原点「甘味と焼成」を聞きました。私はあまりお菓子作りをしませんが、「なるほど」と思いながら聞き入るお話でした。甘味というものは、人それぞれ違うが、スポンジの甘味が強いものと生クリームの甘味が強いものでは、前者によるものを美味しいという人が多いと言われるそうです。考えてみると、確かにそのような気もします。焼成は、オーブン、レンジで決まる。ケーキを焼くのにも、温度は大変重要なもので、松井教授によると、その二つのバランスを上手く調整出来たものが、とても美味しいスイーツを生み出せると教えていただきました。

洋菓子類

 そして、私が講演の中で面白いと感じたのは、あまから手帳の編集顧問、門上氏による「ヴァーチャルか甘み〜甘くないのにより甘く〜」この題の意味は、実際に甘味成分が少ないのに、甘く感じる料理があるといいます。それは、色の使い方、いわゆる見た目や香りの使い方で感覚的に甘さを上乗せできるのです。しかし、考えてみると匂いの良くないものは、勝手に脳が判断して食べられなくなってしまったり、似たようなこともあります。これは同じ現象で、人間の感覚は素晴らしいものだと感じました。

寿山教授

 最後に、本学会のメイン講演として「エス コヤマ」の小山進シェフの特別講演がありました。最初にDVDを見てからの小山シェフの登場でした。小山シェフが話を始めると、明石家さんまさんのようだ、という印象を受けました(笑)。とても面白い方で、小山シェフは、「小さい頃の遊びや夢を今に継続し学びに変えられる」という話をしてくださいました。自分はどんな家庭で生まれ、どう育ち、そして今があるということを教えてくれます。「小山シェフがこれからどうスイーツ展開をしていくか?」という質問に対しては、「僕は毎日ジョギングをしている。それは、お菓子職人やから身体なんか壊されへん。自分の中のスイーツの“美味しい”はどんどん変わっていく。これからもずっと食べ続けたい。それが大事やと思ってる」とおっしゃっていたことがとても印象に残りました。

寿山教授のコメント

 神戸スイーツ学会の学術研究発表会にどんな人たちが集まり、どんな雰囲気で、どんな社会貢献をしているのかを知ってもらうだけでなく、今学会の特別講演者であり、テレビの情報番組にもたくさん出演され、今日本で最も有名なパティシエであるエスコヤマの小山進シェフの若者へのメッセージを直にぜひ聞いてもらいたくてゼミ生たちに参加を呼びかけました。私がゼミ生たちに伝えたかった「社会に出て就職する」「人生の生き方」などを小山シェフが代わりにわかりやすくお話していただけたことに感謝しています。講演終了後、小山シェフといろいろお話をさせていただき、私も「人を育てる」ことに関するヒントをたくさんいただきました。ゼミ生たちも今学会から得たことは近い将来にきっと役立つだろうと彼らの感想等を見て確信しました。

シネマ倶楽部メンバーの感想

中村 友紀

 今回の神戸スイーツ学会では、神戸スイーツの「文化」「歴史」「洋菓子の原点」、日本を代表するパティシエの「小山進さんの講演」と盛りだくさんの内容でした。神戸に美味しいスイーツがたくさんあるのは、阪神間に高所得者の三代の「舌」が理由の一つだ言われたことがとても興味深かったです。ひとつのスイーツを作る過程でいろいろなことが関係しているんだと知りました。最後の特別講演では、エスコヤマの小山進シェフから貴重なお話を沢山聞かせていただきました。質問に対して、とてもわかりやすく面白く答えていただき、もっとお話を聞いていたかったです。一番心に残っていることは、「一つ一つの点を切り離さず、好きだったことをつなげていくこと。諦めてそこで終わりではなく、形が違ってもそこでの経験を次に生かしていくのが大事だ」と教えて下さいました。本当に貴重な体験をさせていただき、またぜひ参加したいと思いました。

福地 俊介

神戸スイーツ学会に参加する前、私は単純にスイーツを食べ、それについて意見するのではないだろうかと考えていました。しかし、神戸スイーツについて深く知ることができる内容の学会でした。神戸港はヨーロッパと物流があり、それゆえにスイーツがより発展したという歴史や、スイーツを食べることによって疲労回復やストレス解消になると科学的に証明されていることなどを知りました。そして、特に心に残ったのは、エスコヤマのオーナー、小山進シェフの講演会でした。小山シェフの話は、とてもわかりやすく、はっきりとした意見で聞き惚れました。私が小山シェフの話の中で実践しようと思った事は、「自分の興味のあることをとことん掘り下げる」ということです。それを繰り返して自分の知識を増やしていくと、「いつかは点と点で繋がり、自分のプラスになる」という話でした。神戸スイーツ学会は私にとって、とても勉強になりました。

多野 加菜子

 初めてスイーツ学会に参加しましたが、期待以上に学べることが多く、これからも積極的に参加していきたいと思いました。たくさんの企業の方々が、来場されていることもあり、就職を含めたたくさんのチャンスが芽生える場だと思いました。特に、世界の小山シェフのお話は、これからの自分へのヒントになる講演でした。その中で一番共感し、感心したお話は「小さい頃の何気ない遊びや好きなことが、大きくなるにつれ学びに変えられる」ということ。そして、自分の周りには、たくさんチャンスとヒントがあるということを学びました。小山シェフは今までの何気ない過去のほとんどを、自分への力に変えていて、すごく感心させられました。とても明るく面白い方でした。これからの就職活動、そして自分作りに活かしていきたいと思います。

伊勢 勇大

 スイーツ学会に参加させていただいて、神戸スイーツの技術は日本のみならず、世界の舞台においても栄誉ある賞を受賞するなど、トップクラスであることや、あまりスイーツに詳しくない私でも知っているような名店の数多くが、神戸発祥であるということを聞き、スイーツ界においての神戸のレベルの高さを知らされました。エスコヤマのオーナーシェフである小山進さんのお話も、時間を忘れて聞き入ってしまうくらい本当に印象深いお話でした。小山シェフが大事にしている「子ども力」という、子供の頃に培った経験や技術を、どれだけ仕事に生かせるかという力のお話が、これからの私にとっても大きな参考になると思いました。さらに小山シェフは、エスコヤマに駄菓子屋構想などの斬新な計画を提案し、よりよい店づくりを目指し続けている姿勢が、お客様の心を掴み、エスコヤマの成功に繋がったのかなと感じました。

楊 靜

 スイーツ学術研究発表会を参加していろいろなことが勉強になりました。スイーツ業界がよくなるためには素材、技術、環境、教育など様々なことが重要です。しかし、何よりも重要なものは「人」、すなわち優れた「パティシエ」が育つことです。これは、特別講演会の小山シェフの話にありました。小山シェフの作り出していくものは、時代をとらえ、斬新、新鮮です。新しいことを創造すれば必ず世の中で注目を集める。なぜなら、目の前にある全てのものを、自分自身の視点と哲学と方程式で冷静に分析し、整理し、自分の中にどんどん蓄積していく。小山シェフの根源は、幼い少年の頃から全く変わってない。お菓子を作ることは、自分を表現する、自分らしく生きていくことだとわかりました。私も大学に在籍している間に、もっとよく考えて自分らしい人生を見つけて頑張っていきたいと思いました。

藤村 祐司

 初めてスイーツ学会に参加させていただきました。私はスイーツが大好きなので、どのようなスイーツが食べられるのか、またテレビにもよく出演されている「エス コヤマ」の小山進シェフの講演を聞けるとあって、すごくワクワクしながら行きました。小山シェフの講演はスイーツの世界を超え、私たち学生にとってとてもためになるお言葉ばかりで、その中でも「大学生活を楽しみ好きなことをもっと一生懸命に頑張ることが重要だ」という言葉が印象深かったです。そしてこの講演を通じて、「どんなことでも掘り下げて考えることがきっと将来に役立つ」ということにも気づくことができました。今回スイーツ学会に参加し、素晴らしい発表や講演を聞くことができ有意義な時間になりました。また、おいしいスイーツを食べることもできたので良かったです。再びこのような学会があればぜひ参加したいです。

佐藤 貴大

 色々な方の話を聞かせていただき、とても貴重な体験になりました。その中で自分が印象に残り、今後成長していくうえで参考にしていこうと思ったものが2つありました。1つ目は、日本の文化の吸収力です。洋菓子という他国のものを、こんなに専門的に店を構えてやっているのは、日本くらいだという話でした。自分はそこに日本人の良さが非常に出ていると思いました。元は外国の文化でも、それを吸収し、しっかりとやっていくことで世界でも認められる形を確立できるという自信に繋がりました。 2つ目は、小山シェフの話で、「子ども力」を大事にするという話です。「子どもの頃の遊んだ事や、考えた事、それをいつまでも忘れずに大人になって、仕事に活かす」ということでした。自分も小山シェフとまではいかなくても、幼い頃の経験を活かし、良い方向に繋げていこうと思いました。

須蒲 伸一

 神戸スイーツ学会に参加してこの学会の内容、経緯、歴史についてたくさん学びました。また実際にスイーツ業界で働いている小山シェフの話にも触れ、色々なアドバイスを頂き、これから先の自分の材料にすることができ、とても貴重な体験になりました。スイーツ学会の設立は一般の方々に知ってもらうためだけでなく、神戸のスイーツ産業を発展させることにも力を注いでいると学びました。スイーツの美味しさをさらに向上させるためにも、お客さんに実際に試食してもらい意見や感想を聞く。非常に魅力的な事だと思いました。歴史については、関東大震災で非常に大きな損害を受けても、周囲の関連した人々の支えや力によって現在の学会が存在するんだと、挫折を見ても投げ出さないことが大切だと学んで思いました。そして、やはり小山シェフの話が非常に印象に残りました。「夢がなくても今ある1つ1つ目標を達成する。そうすることで何かが見えてくる。今を大切にすることが大切だ」と実感しました。

田坪 千佳

 「スイーツ」という言葉が広まったのは、洋菓子が作られ、発展していき、スイーツと呼ばれるようになったと聞いて衝撃を受けました。私たちが普段、なにげなく食べているスイーツにも古い歴史があったんだと思うと、これからのスイーツも、どんどん変わっていくんだろうなと思いました。小山シェフの質疑応答では、小山シェフの考え方にすごく驚き、衝撃を受けました。「好きなものは、それで何かを学べるくらい、それを好きになれ!」この言葉を聞いて、私も何かひとつでも誰かに負けないくらい語れることを見つけていこうと思いました。今後の自分の生き方に大変参考になりました。

川中 美咲

 神戸スイーツ学会設立の経緯から始まり、明治初期から現代の洋菓子店の時代背景などの兵庫県洋菓子協会の歴史を紹介していただきました。普段、特に何も考えずにスイーツを食べていますが、スイーツの歴史や甘味のメカニズムと洋菓子の関係を知ることが出来ました。最後は私が一番楽しみにしていたエスコヤマの小山進シェフによる特別講演です。質疑応答での講演会ということで、色んな質問や悩み相談などに答えて下さいました。たくさん役に立つ助言をして下さったのですが、その中でも私は「夢は持たなくても良いけど目標を一つずつクリアすること」「好きなことから何を学ぶか」と言っていたことが心に響きました。私はスイーツ学会に参加するのは今回で3度目ですが、学ぶことが沢山あり、美味しいスイーツも食べられるのでまた参加したいと思います。

出口 智健

 神戸スイーツ学会には、これまでに2度参加させてもらったのですが、今回はこれまでとは比べものにならないほど長時間の発表でした。その中で神戸スイーツや、スイーツ(洋菓子)についてのその歴史、ルーツ、神戸の市民性や文化、甘みのメカニズム、食べ物の色や香りがもたらす効果についてそして、小山ロールを作られているエスコヤマのオーナーシェフ小山進さんの「パティシエを志す若い人たちへ」という講演会まで、とても広範囲でした。特に小山シェフの話が印象に残っていて、「今が大事で今やるべきだと思うことをコツコツやって行くことで自分が納得できる結果を作る、最短距離だ」と言う事と、もう一つは、「仕事に使命感を持ち、やりたいことは家でやったらええ」という事を言われていて、僕にとってすごく必要だった言葉を聞けた気がします。今回も参加してとてもよかったです。

辻本 夏海

 第1回学術研究発表会に参加させてもらって、いろんなスイーツの歴史を学びました。私は兵庫県洋菓子の歴史で心に残っているものが2つあります。1つは兵庫県のシンボルの姫路城をデザインとした洋菓子です。瓦から始まり全て本物の姫路城と一緒で、すごく印象的でした。お菓子でここまで細かくいろんなものを表現できるということを知り、感動を覚えました。2つ目は世界三大美女と言われている3人をモチーフに作られたスイーツです。クレオパトラはハイビスカス、小野小町は抹茶と桜というようにそれぞれイメージし、それをケーキにするという考えが私の印象に残りました。このような素晴らしいアイディアを聞き、もっとスイーツのことを勉強していきたいと感じました。また、小山進シェフの話を聞いて、将来について考えさせられました。やりたいことに関係するものは何事も真剣に取り組み、努力をすることが大切だということが伝わってきました。このスイーツ学会で学んだことを生かして自分のキャリアを築いていきたいと思います。