2018.5.30

シネマ倶楽部(寿山ゼミ)2018年度学外活動第1弾!<古瀬まきをソプラノリサイタルを鑑賞しました!>

 2018年5月24日(木)、大阪狭山市にあるSAYAKAホールにおいて古瀬まきをさんのソプラノリサイタルをシネマ倶楽部(寿山ゼミの学外活動)として鑑賞しに行って参りました。関西を代表するソプラノ歌手である古瀬まきをさんとは以前から大変懇意にさせていただいており、過去のシネマ倶楽部活動においても二度舞台鑑賞させていただいています。
 今回のリサイタルは、当時から6年の歳月を経て、文化庁の新進芸術家海外研修制度で一年にも及ぶドイツ研修も終えられ、その成果を存分に発揮する内容を取り揃えたものでした。第一部にF.プーランク「偽りの婚約」全6曲、團伊玖磨:ジャン・コクトーによる8つの詩、第二部にF.プーランクのオペラ「人間の声」、ソプラノの魅力が十分に伝わる素晴らしい構成でした。特に、第二部のモノオペラは主人公の女性が電話で話しているシンプルな場面設定でありながらも、その心理変化や感情の起伏、人生の悲哀をはっきりと観客にイメージをさせる歌声、表情、演技で、迫力のあるオペラを45分間ひとりきりで演じきったことにとても感動しました。
 非常にレベルの高い芸術家の表現や能力を目の当たりにすると大きな感動が得られるものです。そうした感動が生まれるのは、その裏側に本番の舞台で観客に楽しんでもらうための日頃の練習の厳しさ、重要さを理解して消化し、さらに上を目指して改善しようとする意欲、表現力や伝達力をつけるためのたゆまぬストイックな努力が観客の見えないところであったからだと思います。クオリティの高い芸術鑑賞は面白い、楽しい、素晴らしい、凄いものです。単なる感動で終わらず、そこに隠された芸術家の熱い魂を受け取り、自分の感性と人間性を磨いていくことがとても大事なことだと思っています。(指導教授:寿山泰二)

シネマ倶楽部(寿山ゼミ)メンバーのコメント

西居彩香(3回生)

 5月24日は、古瀬まきをさんのソプラノ・リサイタルに行ってきました。2部構成で、第1部は5つの詩、F.プーランクの偽りの婚約を聴きました。それから、ジャン・コクトーに依る八つの詩を聞きました。その中でも、「耳」と「偶作」の2つはソプラノ公演が初めての私でもはっきりと声量の凄さや声の綺麗さが伝わりました。
 第2部では45分間1人で歌い演技をされた、オペラ「人間の声」を観ました。このオペラは別れた恋人との電話での会話でした。電話は利便性はありますが、人と人の直接的な繋がりを遠ざける物として表現されていました。電話を繋ぐ交換手が出てくるような、私の知らない時代の話でとても不思議な感じでした。この他にも登場人物が4人も居たのですが、台詞はなく1人の演技で十分成り立っていたのがとても凄かったです。