2014フィリピン語学研修(森下裕貴)

流通学部4回生 森下裕貴

 約一ヶ月という短い語学研修をフィリピンという国で終えました。
同じアジア圏内でも発展途上国という国で、楽しみな反面不安な点もたくさんありました。とはいえ、やはり海外という地の中で、言葉はもちろん文化、風習、食事や人柄と、日本と違う点をたくさん感じることができました。
 日本からマニラでの乗り継ぎを経て、私たち阪南大学生11名はフィリピン・セブの地に足を踏み入れました。到着当時の率直な感想としては、空港の建物が全体的に古いという印象が強く、すこし日本に比べると灯りが暗いなという印象もありました。空港まで現地の語学学校の日本人スタッフの方が、バスでピックアップしてくださりそのまま寮へ向かいました。その途中もやはり街の灯りがあまりなく暗い道路が続いていました。やはり夜一人で歩くのは危険だなと感じました。多くの道路も整備されている様子がなく、工事の途中で止まっているように見えました。道路の脇でストリートチルドレンと言われる子供たちを初めて目にし、胸を打たれました。しかし貧しさにも関わらず、バスに乗っている私たちに笑顔で手を振ってきた子供達を見て、何か強さを感じ感動しました。

 学生寮は想像よりも綺麗でガードマンも24時間駐在で仕事をされていたので、安心して生活ができました。フロアは6階まであり、各階にウオーターサーバーもついていました。気になっていたWi-Fiは、やはり日本に比べると使えないに等しいようなインターネットの状態でした。はじめはストレスに感じることもありましたが、インターネット抜きの生活もしてみるものだと思えたので、最終的にはそういった環境も良かったです。肝心のルームメイトは、幸運なことに韓国人学生二人という英語を話せる環境だったので、それからの留学生活に大きく期待が持てました。
 二人とも本当に良い人たちで、私には既に韓国人の友達が何人かいたこともあり、すぐに打ち解ける事ができました。寮のご飯も、韓国人の方がオーナーだったので、私たちにとっても食べやすいキムチやコチュジャンなどが毎食に出て、食事に問題を感じる事はありませんでした。
翌日、さっそく授業が始まりクラス分けもあったのでクラスメイトと出会えることにとてもわくわくしていました。しかし、実際に教室に行ってみると、ちょうど時期的な事もあり、予想を遥かに超える日本人学生の方々がいたので、まるで日本で授業を受けているようでした。授業のカリキュラムは、8人程度が上限のグループクラスが4コマ、マンツーマンクラスが4コマとスペシャルクラスが2コマの計10コマを一日のスケジュールとしてこなしていました(1コマ×40分)。
 私が中でも気に入った授業は、マンツーマンクラスとスペシャルクラスでした。マンツーマンクラスでは一人の先生と40分間、個室で行う授業なので人目をきにせず先生とゆっくり会話をできます。私はグループクラスでは座学で文法や単語、文を読む事に集中し、マンツーマンクラスではひたすら喋り、スピーキングに自信をつけようという考えで授業に励んでいました。一方、スペシャルクラスでは、ビジネスイングリッシュについてや、実際に外国の企業に入社するときに必要な面接で使う英語、ジョブハンティングについて学ぶことができ、とても有益な経験ができました。ネイティブスピーカーのイギリス出身の先生とアメリカ出身の先生との二人ととても良い関係が築けたので、そういった部分でもとても満足できました。
 私自身の率直な感想として、休日はとても綺麗なビーチに毎週行く事ができ、バカンスとはこういうものかと思ってしまうほどのもので本当の自然を満喫できたことは貴重な経験でした。エメラルドグリーンの海を目にした時は、あまりの美しさに開いた口が塞がりませんでした。

 一方の勉強面で気づいた点は、様々なアドバンテージを持っている語学学校ですが、フィリピンのもう一つの公用語、タガログ語とミックスされた発音が気になり、やはりフィリピンでは未だにタガログ語が主であるという印象が強く残りました。それは、昨年にアメリカのロヨラ大学(シカゴ)へ語学留学したため、シカゴでの生活と比較してしまったのかもしれません。場合によっては私自身のスピーキング力の方が増していると感じられた先生も若干見られ、タクシーの運転手や店員など公共の場でもそういった状況が少なくありませんでした。休日はとても充実していましたが、やはり目的はそれのみでなかったので、授業や日常生活での語学学習という点ではやや残念にも感じられました。
 とはいえ、フィリピンという国で日本との異なる文化を肌で感じる事ができたので、最終的にとても満足しています。これからも外国に行くチャンスがあれば積極的にどんどん挑戦していきたいです。