2014.7.16

あべのハルカス美術館に行きました。

あべのハルカス美術館に行きました。

 2014年7月12日(土)、あべのハスカス美術館で公開中の「ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション」展を観に行きました。ミラノのこの邸宅美術館は大聖堂脇の小さな路地にあるために、観光旅行でも見逃してしまいがちなのですが、ポライウオーロ作《貴婦人の肖像》やボッティチェリ作《死せるキリストへの哀悼》を所蔵する貴重な美術館です。特にポライウオーロの肖像画は15世紀フィレンツェ・ルネサンスを代表する傑作のひとつです。それが天王寺に来るのですから見逃すわけにはいきません。ゼミの2回生といっしょに観に行ってきました。
 美術展を見終わったあとは、エレベーターで23階まであがり、阪南大学あべのハルカスキャンパスでリラックスしておしゃべりしたり、眺望を楽しんだり、パソコンに向かって感想を書いたりしました。
(指導教授:松本典昭)

学生の感想

井月美来

 まず、印象に残ったのは《貴婦人の肖像》と《建物のエントランス》と《死せるキリストへの哀悼》です。《貴婦人の肖像》は画像やパンフレットで見るよりも肌が滑らかで、特に頭から首筋にかけてのラインとまつげがリアルですごいと思いました。額や首飾りにも意味があり、何気なく見える女性の絵でも一つ一つの意味を考えていくと興味深い作品でした。《死せるキリストへの哀悼》は思っていたより全体的に色鮮やかでした。特に赤い色がこの絵によく映えていて綺麗でした。また、一番後ろに立っている人が茨の冠と釘を持っているのも印象に残りました。《建物のエントランス》はこの美術展の中で一番身近に感じた作品です。現代でもヨーロッパにありそうな感じの場所の絵で親近感がわきました。他にも良いものはたくさんあったけれど、この作品が何気なくある日常のようで一番気に入りました。授業で観た作品や画家も何人かいて興味深かったです。

田中里奈

 様々な魅力溢れる展示品の中で最初に強く印象に残ったのは、《オリアーナを救うアマディージ》と《オリアーナに別れを告げるアマディージ》という二点のタペストリーでした。私は何よりこの二点がタペストリーだということに驚きました。絵画といわれても疑うことなく納得してしまう精巧さと、このタペストリーに綴られている壮大な物語に感銘を受けました。
 次にこの展覧会の本命ともいえる《貴婦人の肖像》を見たとき、ポスターなどでだいたいの外観は知っていたはずなのに、壁にたたずむ彼女の絵を純粋に素晴らしいと感じました。当時の肖像画の手本は古代のコインやメダルなので横向きであること、また当時の美人の条件は額が広いことだと授業で習いました。その額を出して結い上げている髪型、その頭部を彩る髪飾り、胸元にきらめく宝石のペンダント、着ている服の細かな意匠から、とてつもない気品や、まるでそこにいるかの様な美しさが感じられました。
 そのほかにも素晴らしい作品が数多くあり、その時代にタイムスリップしたかのような時間でした。一つ一つの作品にそれぞれの良さが滲み出ていて、昔の人々の凄さや作品に賭けた想いを感じることができたような気がしました。

田中宏明

「ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション」展に行きました。普段なかなか美術品を観る機会がないので、貴重なイタリアの美術品を見ることができて良かったです。
 今、講義を受けている松本先生の「ヨーロッパの美術」の中で聞いた内容と重なるところもあり、自然と作品への興味を持つことができました。美術展に入って最初に目に入ってきたポルディ・ペッツォーリの肖像画は暗い背景と細かな表情とのギャップにとても迫力があり、それを見ただけですばらしい美術展に来られたということを実感しました。
 また、今回の展示品は絵画以外にも鎧や甲冑、ガラス製の美術品や銅像など多岐にわたるものがあり、本当に楽しめました。まだまだヨーロッパ美術の良さや深さなど知らないことは多いですが、これから徐々に知識を増やしていきたいと思います。それが異文化理解につながると思うからです。

田中勇輝

 美術館を訪れたのは初めての経験でした。今回、松本ゼミであべのハルカス美術館に行けたのはいい機会になりました。まず入ってすぐの、ジャン・ジャコモ・ポルディ・ペッツォーリの紹介で驚かされました。遺言を残して自分の家を美術館にしたというアイデアに驚いたのです。私は今まで生きてきて、美術に興味を持ったことがないし、全く知識もないのですが、今日見て回った作品の中で一番興味を持てたのは《悪魔祓いをするリンカンシャーの聖ウーゴ》です。両手両足を縛られた人、聖水をかける人、荷車、逃げ出す悪魔、人々の表情からストーリー性を感じました。
 この美術館のパンフレットの表紙にもなっている《貴婦人の肖像》は、いまいちよくわかりませんでした。美術に興味の無かった人間の一回目の美術館訪問はよくわからないまま終わりました。これからは、もう少し予備知識をつけてから美術館に足を運ぶ必要があると思いました。