2018.6.13

阪南大学サッカー部レベルアップへの支援活動

活動テーマ:阪南大学サッカー部レベルアップへの支援活動
連携先:(株)ダートフィッシュ・ジャパン、DJ SPORTS(株)


表記活動に関して、ゲーム分析ソフトウェアを取り扱う「ダートフィッシュ・ジャパン」の取締役・営業本部長の藤井透氏、「DJ SPORTS」の代表でゲームアナリスト庄司悟氏の協力を得て、4年生を中心に、3年生ゼミ、2年生ゼミを巻き込んで、キャリアゼミとして取り組んできた。

活動内容としては、
1.阪南大学サッカー部の公式戦のゲーム分析
 1)映像分析:①撮影&映像のキャプチャ、②映像編集(タグ付け)・情報収集・評価ソフトダートフィッシュを活用し分析、③プレー能力の評価・達成度・問題修正点を、ゼミ生中心に試合出場メンバー(一部重複)とともにディスカッション
 2)数量データ分析:①試合進行中リアルタイムに全部員を動員し(輪番制での協力を得て)、数量データを収集、②ゼミ生と試合出場メンバーとでデータ整理、③表・グラフの作成
 3)映像分析と数量データ分析を検討し、試合の達成度評価、問題点と課題の抽出を行う。
2.世界のサッカーの戦術のトレンドの学習
 1)2014年ブラジルワールドカップ以降世界のサッカーの戦術のトレンドが変化してきていることをワールドカップやEURO2016、特にヨーロッパのトップリーグの録画映像の分析を通じて把握する
 2)庄司氏から特にヨーロッパで話題になっている戦術傾向や分析視点に関して、折に触れてご教示いただき、サッカーの戦術の分析力を深め、阪南大学サッカー部の公式戦のゲーム分析力の向上に役立てていった。
3.SNS(ツイッター)を通じた阪南大サッカーの告知活動
自分達で分析力を高めるだけでなく、準備・リアルタイム速報・試合後のインタビューを実施し
今後の可能性を探った。

学生活動状況報告

1.に関して:阪南大学サッカー部の公式戦について、全部員の協力を得てデータ収集し、実際の試合出場メンバーとともに映像分析を進め、検討を加えて、毎試合ごとに達成度評価、問題点と課題の抽出を行った。試合終了後リカバリー活動を終えた後、試合日のうちに大まかなまとめ作業を実施し、火曜日の午後練習の前までにグラフ・表を添えた報告書を作成し、須佐教授・スタッフと打ち合わせをするのは大変であった。しかし、次節の試合の準備やトレーニング変更等に役立てたこと、サッカーの分析力の向上に役立ったと思う。そのためにダートフィッシュ・ジャパンの藤井氏には分析ソフトの活用法の改善、統計情報のまとめ方を学んだ。

2.に関して:それとともにDJ SPORTSの庄司氏からはゲーム分析・データ分析の視点、現在のドイツにおけるゲーム分析関連の情報を教示していただき、分析力向上に役立てた。
また、サッカー部の合宿などで、GPSによる走行距離・スピードデータと映像分析を連動させ、プレー能力の向上に役立てることも庄司氏から学んだ。

3.に関して:SNS(ツイッター)での告知活動に当たって、試合前日からスタメン予想メンバー等へのインタビューや試合中のリアルタイム速報、それに試合後のインタビュー含めて実施した。それとともに我々の活動についてアンケート調査を実施したところ、試合の克明詳細な記事はサッカー専門家や阪南大学サッカー部の関係者か熱烈なファンに受けるのみで、一般的なファン層獲得のためには、ツイートの内容を精査し、一般受け用に新たなアカウントを開設し、フォロアー数の拡大に乗り出す必要が出てきた。それでも当初より1000程フォロアー数を伸ばした。

参加学生一覧

(2年生)
石川 慧、呉 世心、小笠 姫馬、小國 憲弥、岸元 海、佐藤 幸太郎、佐藤 瑠己安、四ヶ所 昌宏、清水 大輝、名良橋 拓真、長谷川 隼、林 雄飛、朴 賢太、深見 蓮、吹ケ 徳喜、弥村 信幸、宮本 啓介、山田 楓真、横江 空

(3年生)
秋山 翔、大野 佑哉、大村 英梨也、金岡 蓮、木谷 将、志岐 厚郎、中島 隆司、羽根 幸四郎、原 さゆり、日髙 康平、藤井 潤太、町田 蘭次郎、三浦 敬太郎、宮郷 敦央

(4年生)
飯田 晃人、岩崎 渚、岡部 拓実、金 来遠、重廣 卓也、高森 詠人、田中 拓也、西浦 拓夢、藤岡 勇生、渡邉 健太郎、和田 凌、山口 一真

連携団体担当者からのコメント

株式会社 ダートフィッシュ・ジャパン
取締役・営業本部長 藤井 透氏

 映像をベースに運動学的観点から「動きの相違・経過・分析・評価」をおこなう「ダートフィッシュ・ソフトウェア」は2016年のリオオリンピックでは、462名のメダリストが活用したファイルで、世界各国のプロスポーツクラブチーム、ナショナルチーム、学校教育・研究・ 放送・医療など、幅広い分野で活用されています。
 日本国内のサッカー分野では、Jリーグチームから大学チームのトップパフォーマンス分析、スカウティング、選手育成で活用され、チームスポーツにおける情報戦略の現場で多用されており、阪南大学須佐ゼミ、サッカー部でも数年前から活用されています。
 取り組みの中で、学生達は以下の点について、悩みながらも身に付けたのではないか、そしてそれが今後のデータ分析活用に寄与するのではないかと思います。また、今後理解を深めてより的確にデータを抽出、分析する能力を身に付ける必要があります。
 例えば、従来から利用している本ソフトウエアのバージョンが5.5チームプロからコネクトプラス9に上がったことで、格段に使い勝手が良くなったが、その分対応力を付けなければなりません。また、情報統計資料の作成が容易となりましたが、これも慎重な処理を必要としていることも理解する必要があります。
 手作業によるところも多いなか、学生達は映像そのもの、映像から得られるデータと人海戦術で得られたデータを組み合わせて、何とかプレーの質の向上につなげる努力は認められのではないかと思います。今後さらに学生達には期待をしたいと思います。

DJ SPORTS株式会社
チーフアナリスト 庄司 悟氏

 公式戦でGPSを活用できなかったのは残念だが、準備期に活用し、一つの攻撃的パスに複数選手が連動して絡んでいく姿を映像と走行スピードデータをシンクロさせてプレゼンできる方法を学びつつ、実際のプレーに役立てたのは非常に意味があり、今後のデータ分析にもより役立ててもらいたい。
 また、従来の分析ポイントに加えて、「パスレシーブマトリックス」の作成等進歩を見せたことは学生自身の成長した点であると言える。

教員のコメント

流通学部 須佐 徹太郞 教授

 今年度はデータを取る項目が増えたり、分析ポイントが精緻化したりと、学生が作業するには時間的制約もあり、量的にも大変だったように思います。
 半数のゼミ生が卒業後もサッカーの現役プレーヤーを続けるわけで(入学時点ではほぼ全員がサッカーorスポーツに携わる仕事に就きたい希望を持っている)、プレーヤーとして、引退後指導者として専門的分析力の基礎的素養を学生時代に身に付けておくことは重要であると考えます。
 必ずしも「地域社会の課題」に取り組んだわけではないけれども、産学連携の一環として分析ソフトの専門家、サッカー専門のアナリストとタッグを組ませてもらって、シーズンを通してデータ収集、分析、課題の抽出・提示に取り組み、【現場】の改善に向き合ったことは彼らにとって有益な体験となったと思います。
 ある時の卒業生が(現役のプロ)、学生時代、下級生のうちは遅刻を繰り返し、とても主体的に取り組んでいたと思えませんでしたが、4年生になるにしたがい、主体的自覚的に、またリーダーシップを取りながら、この作業に取り組むようになってきて、先日移籍に伴い母校の高校に挨拶に行った際に、高校の指導者から「君は阪南大ではなかったら、サッカーやめてたよな!大学時代何が良かったのか?」と問われ、彼は「サッカーの見える世界が広がった。見える所が深くなった」と即答したという。分析力養成の成果が現れ始めています。