2019.4.2

熊野本宮地域の特性を活かした観光土産の提案

活動テーマ:地域の特性を活かした商品企画を通じて地域再生を考える
産学連携先:熊野本宮地域の特性を活かした観光土産の提案


 流通学部の大島ゼミ2回生は、和歌山県田辺市本宮町の熊野本宮観光協会と連携して、「地域の特性を活かした商品企画を通じて地域再生を考える」をテーマにキャリアゼミ活動を行ってきました。
田辺市本宮町での実地調査に始まり、観光土産の専門家へのヒアリングや商業施設で市場調査を通して、約半年間かけて熊野本宮地域の特性を活かしつつも、若者ならではの斬新な発想で観光土産を企画しました。また、マーケティングの学びを活かし、商品の内容のみならず、価格、販売方法、プロモーションについても検討しました。

・和歌山県産フルーツの果汁や果肉を用いたフルーティーな味わいが特徴なスパークリング日本酒(諏訪田、谷井、中村、平野)
・温泉地を連想させ、かつ、熊野の大鳥居や八咫烏をモチーフにした人目を惹く可愛いバスフィズ(奥、亀本、坂上)
・地元特産の上質な音無茶が味わい深く、八咫烏のパッケージデザインが特徴的な本宮ぷりん(太田、岡田、斎藤、阪上)
・みかんや梅など地元の食材をふんだんに用い、可愛い巾着袋に入った御御籤付きのアイスボックスクッキー(岩田、中多)

 最終的に、キャリアゼミの成果報告としてプレゼンテーションを行い、熊野本宮観光協会の山下義朗氏に企画を提案しました。

学生活動状況報告

 私たちが企画した熊野本宮地域の特性を活かした観光土産はスパークリング日本酒です。和歌山県では梅酒が有名ですが、日本酒については決して充実しているとは言えません。しかし、今や日本酒は世界的に注目されており、訪日外国人旅行者が多く訪れる熊野本宮地域で特徴的な日本酒を開発することに可能性を感じ、今回の商品企画に至りました。
商品の特徴として、梅の調味液を使って抑草し、化学肥料を減らして栽培した熊野米を原材料とし、若者や外国人にも親しみやすいように、蜜柑の果肉を入れることでフルーティーな味わいを表現することを提案しました。
 私のグループへの貢献は、スパークリング日本酒のラベルやパッケージのデザインを提案したことです。自身のアイデアがチームで採用されることをとても嬉しく感じました。キャリアゼミ活動を通して、マーケティング的な発想力や提案力を身につけることができました。最初は手間取りましたが、チームで力を合わせて企画を完成し、プレゼンを終えた時には、何とも言えない達成感がありました。

流通学部 平野 央

参加学生一覧

奥 毬菜、亀本 彩乃、坂上 真夕、諏訪田 実也、岩田 紗和、太田 悠真、岡田 和也、斉藤 翼、阪上 大輔、佐藤 新、谷井 悠也、中多 茉那、中辻 颯、中村 斗洋、平野 央

ゼミ集合写真

連携団体担当者からのコメント

熊野本宮観光協会
山下 義朗 氏

 今回は、大島ゼミの2回生に本宮町の特色を生かしたお土産の企画・開発について4件の提案を頂きました。今後はこの提案を踏まえて、観光協会内部でも本宮町の特色を生かした、お土産造りについて検討を進めていきたいと思います。今後とも、新鮮なご提案をいただける、このような連携を続けていければと思います。

〇フルーティーな日本酒
・梅酒は土産物として普及しているが、日本酒を造る文化はなかったので着眼点が素晴らしい。
・特産品の熊野米についてよく調べられていました、煮詰めていくと面白い企画になると思います。

〇バスフィズ 
・温泉地なので入浴関連の気軽な土産であり、ターゲットを女性に絞っている点がよく考えられています。
・観光協会の職員の中では、最も実現性が高い商品企画であったことが評価されています。

〇本宮プリン
・土産物でスイーツは充実していないので、よい着眼点だと思います。
・音無茶や八咫烏についてよく調べられており、地元の特色が活かされていました。

〇おみくじクッキー
・ターゲットに対し、商品、価格、販売方法、プロモーションが適切に組み合わされていました。
・おみくじ、和柄、八咫烏など斬新なアイデアがふんだんに盛り込まれていました。

教員のコメント

流通学部 大島 知典准教授

 大島ゼミは、2018年度のキャリアゼミとして、和歌山県田辺市本宮町の熊野本宮観光協会と連携し、地域の特性を活かした商品企画に取り組みました。田辺市本宮町は、全国3000社の熊野神社の総本宮「熊野本宮大社」の神明町として古くから栄え、2004年には「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されたこともあり、近年では欧米圏の外国人観光客の多い地域として注目されています。しかしながら、観光を地域経済を支える基盤の一つとして確立するには未だ道半ばで、とりわけ観光客に訴求力のある土産品が十分に展開されていないという課題があります。学生は社会人と対話しながら課題に主体的かつ協調的に取り組むことができ、①地域調査ならびにマーケティングリサーチの基礎的な技法②地域における観光振興および産業振興を考える際に必要な基礎的問題解決能力を身につけることができました。今回は、学生が2回生だったこともあり、教員が提示した課題に指定された計画で取り組みましたが、次年度は学生が自ら課題を設定し、その解決に向けた計画を立て、責任感を持って取り組むという「Project Based Learning(プロジェクト型学習)」に展開したいと思います。最後に、熊野本宮観光協会の山下義朗様をはじめ大島ゼミのキャリアゼミ活動にご協力いただきました皆様に感謝の意を表します。