2020.2.14

大和ハウス工業総合技術研究所を見学しました

 流通学部仲上ゼミ(3年次生14名)は、2019年11月29日に大和ハウス工業総合技術研究所の見学を実施しました。大和ハウス工業の昨年度業績は売上高4.1兆円に上り、大手ゼネコンを含む日本の建設業界トップです。近年の業績の著しい伸長は、従来の住宅建設に加えて、とりわけ商業店舗や物流施設の建設によるものです。

質疑応答

 ゼミでは見学に先立ち、建設業界と住宅産業および大和ハウス工業に関する事前学習を行い、あらかじめ質問事項を送付しておきました。関連部局で回答をご用意いただき、当日は案内のご担当者からご回答を頂戴しました。

見学会事前質問事項

1. 近年台風などの影響による水害が多く発生し、住宅に被害を及ぼしています。これまで御社の住宅にはどのような水害対策が講じられてきましたか。また今後、これまでの想定を超えるような水害が発生することも考えられます。水害に対する住宅の新たな技術や対処方法についてお聞かせ下さい。
2. 御社の売上高において住宅関連のセグメント以外に、店舗、商業施設、物流施設の売上高が高いことを知りました。これら非住宅系の売上高は今後も順調に成長するものと思いますが、店舗、商業施設、物流施設の中で、今後の成長を最も期待できるのはいずれでしょうか。よろしければその理由も教えて下さい。
3. かつて政府が提唱した「百年住宅構想」があります。耐久性があり長く住める優良住宅は素晴らしいものですが、建築費やメンテナンスなどのコストが掛かるため「百年住宅」は日本では敬遠されがちです。プレハブ住宅は、耐久性でもコスト面でも長期優良住宅の実現に近いと思われます。長期優良住宅に関して、「住宅の工業化」の先駆者である御社の取り組みや考え方をお聞かせ下さい。

参加者の感想

[1]ミゼットハウスに驚き

 私がこの企業見学で印象に残ったのは1958年当時大ヒットしたミゼットハウスです。ミゼットハウスを開発するきっかけとなったのが、夜遅くまで外で遊んでいた子供に大和ハウス創始者石橋信夫氏が理由を聞いたところ自分たちの勉強部屋がほしいと耳にしたため開発に取り掛かったということです。ミゼットハウスは鉄骨プレハブ建築による商品で、3時間以内に建てることができます。このアイデアは当時では画期的なもので住宅ローンもなかった時代なので、大ヒットした理由も頷けました。そのほかにも山岳で働く労働者のための簡易宿泊所としても利用されました。10㎡の建物が3時間足らずで建てられることに衝撃を受け非常に印象に残りました。

[2]消音室のドア技術

 今回の大和ハウス企業見学では、大和ハウスの独自の工夫と歴史に感銘しました。一番印象に残っているのはドアの工夫です。ドアが閉まっていると音楽が全く聞こえなかったのに、ドアを開けた瞬間ものすごい音で音楽がなっていたことが印象的でした。ドア1枚で音を殺せていることにすごい工夫があると感じました。歴史の面ではベビーブームによる教室不足の解消策として移動教室など時代に合わせて様々なことに対応してきたことを知りました。実際に企業に行って見学ができて非常に良い経験になりました。

[3]モジュール建築

 過去の住宅には熟練した技術者が必須でその技術者に支払う給料がとても高く、住宅を建てるということはお金も時間もかかるものでした。しかし、モジュール型の建築に大和ハウスが取り組んだことで、従来のものと比較するとごく短時間で、なおかつ熟練の技術者が必要ない住宅を建てることを可能としたとのことです。大和ハウスでは移動教室や子供の勉強部屋、ミゼットハウスや年若い夫婦にと作られたスーパーミゼットハウスなどにこのモジュール型の建材が使われたことを知りました。
 見学させてもらい特に気になったものとして、一方を止めるだけで固定できるねじの技術があります。ねじの先を回転させることで先がつぶれて固定される技術です。この技術を使えば本来反対側からしめないといけない工程が省けることを学びました。

[4]「奏でる家」の魅力

 私の印象に残っていることは「奏でる家」です。奏でる家には空間力、防音力、設計力、音響力の4つの魅力があります。空間力は“狭い・低い・暗い”という防音室の一般的なイメージとは違い、建物との一体設計により“広い部屋・高い天井・窓からの明るさ”を実現し、吹き抜けと大開口を通してよりたくさんの光を採り入れることを可能とします。防音力は、防音性能に優れた大和ハウスの建物をベースに設計・施工され、外壁はもちろん、防音の弱点になりやすい窓やドア、換気扇などにも防音仕様を施しています。屋外からの音も防ぐため、車の騒音などが気になりません。設計力は「吹き抜けのある明るい大空間で」「子どもの演奏を見守れるようリビング横に」、そんな要望にも建物と一体設計の柔軟なプランニングで対応できます。心から音を楽しむには、音響力が大切です。「奏でる家」は演奏用とオーディオ用の独自の音響アイテムを設置できるのが特長で、用途にあわせた美しい響きをつくることができます。このように「奏でる家」は工夫してよく考えてあるなと思いました。

[5]技術と発明品の展示がおもしろい

 今回の見学会で一番印象に残っているのは、大和ハウスの技術の高さです。防音設置の部屋はいたって普通の壁なのにものすごく音を吸収する素材であったり、窓ガラスが通常のガラスのようなのにほとんど透けなかったりすることに驚きました。技術者、研究者の方が日々研究されているからこそこういったものが開発されているのだなと思いました。
 今回の見学会についてゼミの授業で調べ、企業についての研究もしましたが、実際に見学してみて知らなかった大和ハウスの歴史や発明品もたくさん知ることができて面白かったです。また丁寧に説明をしていただいて質問にも答えていただき、行ってよかったなと思える見学会になりました。