2019.10.3

特講1/スポーツ組織論 報告⑫(最終回) サッカー元日本代表選手 加地 亮 氏

サッカー元日本代表選手で、現在は多方面でご活躍されている加地 亮 氏にご講義いただきました。

2019年7月25(木)に流通学部「特講1/スポーツ組織論」にて、サッカー元日本代表選手で、現在は多方面でご活躍されている加地 亮 氏にご講義いただきました。
 加地氏は、サッカーの名門高校、滝川第二高校を卒業しセレッソ大阪に加入。その後、FC東京、ガンバ大阪にて数々のタイトルを獲得し、日本代表にも選出されました。2006年のドイツワールドカップに出場するなど日本代表としても活躍し、国際Aマッチ64試合2得点の記録を残しています。2014年にはアメリカのメジャーリーグサッカーにも挑戦し海外でのプレーも経験。2017年にJ2のファジアーノ岡山にて引退をされました。

 現在は多方面で活躍されていますが、一般的なプロサッカー選手のセカンドキャリアと比べると、例を見ないチャレンジをされています。それは奥様が経営されているカフェ「CAZI CAFÉ」の店員として奮闘していることです。飲食業という新たな仕事にチャレンジをしたことで、これまでの人生とは違う新たな広がりが生まれつつあるとおっしゃっていたのが印象的でした。その他にも、多彩な才能を活かし、サッカースクールでの指導、サッカー解説者、テレビコメンテーター、講演など、その活躍の場は多岐にわたっています。
 今回の講義は教員との対談形式で進められました。プロサッカー選手としてどのような想いで過ごしてきたのか、日本代表で国を背負って戦う責任、なぜ引退する決断に至ったのか、引退後のセカンドキャリなどについてお話しいただきました。
 講義中は加地氏の明るいキャラクターを全面に出しながら進める一方で、プロ選手としての哲学をお話しいただく際は、厳しい表情で思いの丈を学生たちに伝えていただき、教室内に緊張感のある雰囲気もありました。
 特に学生たちが印象に残ったことは、「重要なのは結果ではなく準備。良い準備をすれば結果はついてくる。」という言葉でした。加地氏は現役時代、練習開始の4時間前には練習場に到着し、自身の準備を始めます。そのルーティンは引退するまで毎日続けたそうです。10時から練習開始の際は、6時にはクラブハウスに到着していました。その準備が出来なければプロとして試合を迎えるコンディションを整えることが出来ないとおっしゃっており、「完璧な状況で迎えるための準備を怠る選手にプロ選手を語る資格はない。」とプロ選手としての哲学も教えていただきました。
 また、「突発的な怪我はともかく、風邪をひいたり、筋肉系のケガをすることも自分としては準備が足りてないと思っている。」ともおっしゃっており、家族が病気にかかった時は自分に感染するリスクを回避し、毎回ホテルに宿泊していたそうです。「選手時代は完全に選手としての目的を達成する事しか考えてなかった。自分が万全の状態で試合に臨めないことは、どんな理由があってもプロとしては失格。現役時代は家族を犠牲にしてしまっていたが、そのことを家族も理解してくれていたので本当に感謝している。」というお話もありました。
 今回はその“準備の大切さ”をメインテーマにお話しいただきました。これまでの講義では、スポーツを支える側の仕事を、それぞれの講師の先生方が属する組織全体の経営手法や組織自体の展望について学んできました。そして、最後はスポーツビジネスの最大の主役であるプロ選手、しかも日本を代表する選手経験をお持ちの加地氏をお招きし、選手の実態や考え方の一部を理解することが出来ました。
 加地氏はこれから社会に飛び出していく学生に対して「何事も準備したことしか結果には現れない。たまたま結果が出ることはあっても、その次はない。確実に目標を達成するために、学生でいる今できる準備を頑張って欲しい。」とのメッセージで講義を締めくくりました。

加地 亮 氏ご略歴

1980年1月13日生まれ。兵庫県南あわじ市出身。95年にサッカーの名門・滝川第二高校に入学。全国高校サッカー選手権大会やインターハイに出場して注目を集める。98年、セレッソ大阪でプロサッカー選手としてのキャリアをスタート。当時から若い世代の日本代表にも選出され、同年にはU-19日本代表としてアジアユースに出場すると、翌99年にはU-20日本代表としてFIFAワールドユース選手権・ナイジェリア大会に出場し、準優勝に貢献した。02年にはJ1のFC東京へ。4シーズンにわたり右サイドを定位置に存在感を示し、その活躍が評価されて初の日本代表に初選出される。以降、『ジーコジャパン』ではレギュラーとして定着を見せる中で、04年のAFCアジアカップ2004中国大会や05年FIFAコンフェデレーションズカップ2005ドイツ大会、06年のワールドカップ・ドイツ大会等に出場し活躍を見せたが、08年5月には自らの意思で日本代表からの引退を発表した。06年にガンバ大阪に移籍。08年のAFCチャンピオンズリーグや08年、09年の天皇杯連覇など、数々の栄冠に貢献をみせながら、約8年半にわたってチームの顔として存在感を発揮。14年6月にはかねてから希望していたメジャーリーグサッカー・チーヴァスUSAに自身初の海外移籍を実現する。だが同チームの解散に伴い15年には再び日本へ戻り、J2リーグのファジアーノ岡山で3年間にわたってプレー。レギュラーとして活躍したが、17年11月25日に同シーズン限りでの現役引退を発表した。

学生の声

澤田 祐輝さん(流通学部3年)

 今日は加地さんの話を聞くことが出来て、本当に良かったと思いました。とても人として格好良くて、自分と照らし合わせた時に、自分はまだまだ甘いし、本当に自分はサッカーが好きなのかという思いになってしまった。
 自分の人生の全てをサッカーに捧げる覚悟や、本当にサッカーで頂点を目指したいのかを考えさせられた。自分を磨くことに終わりはないし、どこまでも上を目指したいという向上心が必要だし、そんな想いは勝手にうまれなければならない。物事を極めれば、お金は後からちゃんとついてくる。
 結果は準備段階から決まっている。これから夏休みに入るので今日の話を聞いて刺激をもらうことが出来た。自分が納得する2ヵ月にしたい。そのために、今の自分としっかり向き合っていきたい。

田羅鋤 和弘さん(流通学部3年)

 「プロの世界は皆が思っているような華やかな世界ではない。」と加地さんがおっしゃっていましたが、プロの世界で活躍するために誰よりもプロ意識を持っていて、誰よりも自分にストイックな加地さんの姿は、プロの鏡のような存在だと感じました。
 サッカー選手としてだけでなく、一人の人間としても加地さんの考え方は見習うところが沢山あり、自分もこういう人になりたいと思う格好良い人でした。
 これから社会に出て、就職がゴールではなく、その仕事に自分がどう向き合っていくか、どれだけ自分に甘えずにストイックに取り組めるか、自分に甘い自分にとっては、とても考えさせられるものがありました。こういう人がプロで活躍できるんだと改めて感じました。

奥田 大雅さん(経済学部4年)

 今日の授業は元プロサッカー選手の加地亮さんのお話を聞きました。実際にプロで活躍していて、日本代表にも選ばれていた人の話を聞くとあって、華やかなことを想像していたけど、実際には色々なプレッシャーあり、ストイックな生活などを聞いて驚きました。多くの人たちの前で試合をするという華やかなところはほんの一部でしかなく、それ以外の裏の部分がほとんどなんだなと感じました。そこでトップに立っている人たちは、自分の状況を理解して、常に向上心を忘れずに、何をすればいいかを考えて行動していると思いました。
 プレッシャーなどの苦しい状況もプラスに変え、甘えず、向き合い、頭を使い自分に厳しく出来るかでその後が変わってくるという話を聞き、本当にそうだなと思いました。それはスポーツ選手に関わらず、一般企業でも同じことだなとも思いました。
 そして一番感じたのは、何かのことを突き詰めた人は、自分の中に軸があり、スタイルを確立しているので、今日の授業においても話の中に軸があり、聞いている側として納得する事ばかりだった。そして、自分のモチベーションも上がった。そういう意味では何かを突き詰めた人は、人々に影響を与えるんだと思った。