実学シリーズ2013 阪南大学の2ゼミが準グランプリと優秀賞を受賞

実学シリーズ2013 阪南大学の2ゼミが準グランプリと優秀賞を受賞

国際観光学部 国際観光学科の2ゼミが旅行企画コンテストに応募

 実学を教育の中心に据えている阪南大学。企業や地域と連携して課題解決に取り組む実践型のゼミナール活動も活発に行われている。(社)日本旅行業協会と新関西国際空港(株)が2010年から開催するコンテスト“関空発「学生と旅行会社でつくる」海外旅行企画”のコンテストに、国際観光学部から小林弘二(こばやしこうじ)研究室と清水苗穂子(しみずなほこ)研究室のゼミ生が応募し、最終選考に残った。いずれも旅行ビジネスや観光資源開発に関する活動を積極的に展開しているゼミだ。

4年連続で阪南大学の旅行企画が入賞

 2013年5月18日(土)、ホテル日航関西空港で第4回“関空発「学生と旅行会社でつくる」海外旅行企画”の最終審査会が行われた。このコンテストの特色は、応募した企画が一次選考を通過すれば旅行会社のサポートを受けられること。そして最大の魅力は最終選考まで残った企画は実際に商品化される可能性があること。それだけに独創性・プレゼンテーション能力・可能性など、提案を様々な視点から厳しく審査されることになる。
 応募総数27作品のうち、一次選考を通過したのは6作品。その中の2作品に阪南大学の作品がノミネートされ、各組が8分間のプレゼンテーションを行った。

 惜しくもグランプリ受賞は叶わなかったものの、今回初応募となった清水ゼミが準グランプリを、また第1回でグランプリを受賞している小林ゼミは、4年連続で最終審査に勝ち残り、優秀賞を受賞した。


清水研究室のプレゼンテーション


小林研究室のプレゼンテーション

準グランプリを受賞した
「おやこ・おやまご・こまご旅 〜一生に一度の三世代ハワイ旅行〜」

 準グランプリを獲得したのは、清水ゼミの黒川隆介さん、瀬尾拓弥さん、夏野未羽さんの「おやこ・おやまご・こまご旅 〜一生に一度の三世代ハワイ旅行〜」(サポート企業は近畿日本ツーリスト株式会社)。

 少子高齢化・核家族化の傾向が強まる中で、家族間の絆を深めるために親夫婦(中〜高年層)・子夫婦(若〜中年層)・孫(小学生二人)を想定した三世代6人でのハワイ旅行の提案だ。タイトルにも含まれる「おやこ」「おやまご」「こまご」は、親・子・孫の組み合わせを表しており、毎日のイベントごとに体験する組み合わせが変わるのが特徴。例えば「おやまご」でエコアドベンチャーツアーを体験している間、「こ」は夫婦水入らずでコーヒー農園で焙煎体験を楽しむ。また宿泊先はホテルではなくコンドミニアムにして、リビングルームでお互いの思い出を語りあって共有する。最終日には共に歩んだ夫婦が再び愛の誓いを立てるハワイ伝統の儀式「バウ・リニューアル」を行い、三世代揃って家族の絆を確かめ合うというものだ。

 準グランプリの理由として「三世代というターゲットの立て方、 “おや/こ/まご”という組み合わせも面白い」という審査員からのコメントをいただいた。
 また一次選考通過後、企画開発のサポートを務めて下さった近畿日本ツーリスト関西海外企画センター支店長の岩田高伸氏からは需要層をしっかり捉えた点が優れているとの評価をいただいた。「“おや”である中高年夫婦は、所得に余裕があり旅行業界が今後特に狙っていきたい層です。ターゲットの心をつかむ企画になっていたので、アドバイスは最後のバウ・リニューアルの儀式くらいでした。私にとってはグランプリ。商品化の可能性もあると思います」

「おやこ・おやまご・こまご旅 〜一生に一度の三世代ハワイ旅行〜」プレゼン資料

※クリックすると大きく表示されます。

優秀賞を受賞した
「ほんじょおいで 〜癒しのJeju〜」

 優秀賞を受賞したのは、4年連続の入賞となった小林ゼミの辻本恵理さん、姜キョンリさん、児玉葉月さん、時子山王子さんの「ほんじょおいで 〜癒しのJeju〜」(サポート企業は株式会社日本旅行)。
 20〜30代の女性をターゲットとした2泊3日の韓国・済州島への旅で五感の全てで癒しを感じる旅の提案だ。3日間で日ごとに癒しのテーマが変わる。
 1日目は“Natural healing”でピジャリムと呼ばれるカヤの林での森林浴。
 2日目は“Active healing”で、ヨットクルーズや「オルレ」と呼ばれる海岸沿いのウォーキング。
 3日目は“Health healing” で、済州島伝統の健康食とエステ体験。
 
 視覚・味覚・触覚・嗅覚・聴覚の全てで済州島を満喫し、短い旅ながら日々のストレスを解消するという企画だ。
 この企画には韓国からの留学生で済州島出身の姜さんのアイデアが豊富に含まれており、オリジナリティあふれる企画となったことが評価された。「オルレ」は済州島の方言から生まれたウォーキングを表す言葉だが、最近では「九州オルレ」など日本にも広まりつつある癒しワード。これをいち早く取り入れたことも注目された要因となった。

「ほんじょおいで 〜癒しのJeju〜」プレゼンテーション資料

※クリックすると大きく表示されます。

経験が自信になり、就職力へと繋がる。

 初応募で準グランプリ獲得という快挙を遂げた清水ゼミの3名は就職活動と併行しながらの挑戦だった。リーダーの黒川君は「近畿日本ツーリストの方々からプロのアドバイスを受けられるチャンスをいただけた上に賞までもらうことができ嬉しいです」と感想を述べた。また3名中唯一ハワイ旅行の経験がある瀬尾君は「就活で忙しいからこそ力を合わせて良い企画が作れたと思います」と、また“おや/こ/まご”の組み合わせを発案した夏野さんは「二人に誘ってもらって感謝しています。図書館でプレゼンの練習をしたりと大変でしたが、今後に生かせる課題も見つかりました」とそれぞれ手応えを述べてくれた。

 清水准教授は「ゼミでは“旅行業の現状と課題”と“南大阪の観光資源の発掘と活用”という2つのテーマの研究を行っています。学生が主体となり、旅行会社へのヒアリング調査をしたり、南大阪地域で魅力的な観光資源を見い出し、その商品化を試みてきたりしました。それらの経験が旅行企画立案の際の背景のとらえ方や目標の設定につながったのではないかと思います。よく頑張ってくれました。」と受賞の喜びを語った。

 また第1回から4年連続で入賞を果たす当コンテストの常連・小林ゼミの辻本さんと姜さんは、当日朝5時までプレゼンの練習をしていたという。
 辻本さんは「日本旅行の方には地元の人しか知らない済州島の情報を盛り込んだことは誉めていただいたのですが、プレゼンに関してはもう少し改善した方が良いとご指摘を受けました。練習を重ねたことで人にアピールする営業職にも興味が湧きました」。また留学生の姜さんは「故郷のチェジュを紹介でき、ここまで来られたことが嬉しいです。できれば日本の旅行業界に就職したい」と就職への意気込みを語ってくれた。

 小林教授は「今回の企画は当ゼミで日韓の交流を続けてきたからこそ立案できたもの。日本と韓国の学生が双方向に働きかけることによって、これからも旅行業界を活性化させる新しい試みを行っていきたいですね」とチャレンジはさらに続くと述べた。

 両ゼミ生が共通して述べた感想は、コンテストを通じて自信がつき、自分たちの出した成果を今後の就職活動に生かしたいということだった。

 旅行業界に貢献する阪南大学国際観光学部出身者は、今後きっと増えていくことだろう。
 
(取材:2013/05/18)
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