2016.2.16

国際観光学部学生広報誌「ラ・れっとる 第10号」プレゼミナール活躍するAО入試の学生

国際観光学部学生広報誌「ラ・れっとる 第10号」プレゼミナール活躍するAО入試の学生

AО入試合格者のプレゼミナール

 11月21日(土)にAO入試(スタンダード型、観光地域型、帰国子女型)合格者を対象としたプレゼミナール(入学前教育)が実施されました。今年度は18人の合格者が出席し、本キャンパスに新設された50周年記念館に集まりました。毎年、プレゼミナールでは入学前教育としてワークショップを行なっています。その企画と運営を担当するのは、同じAO入試で合格した在学生です。時間的に余裕のある2回生と1回生が昼休みを利用して集まり、準備に当たりました。私も学生スタッフとして当日の司会進行を務めさせていただきましたので、当事者のひとりです。
 ワークショップの内容は、1泊2日の旅行を企画し、提案することでした。場所は国内外を問わず、ターゲットやコンセプトについても考えてもらいます。わずか1時間半の限られた時間ではありましたが、高校生と在学生が一丸となってワークショップに取り組みました。提案は模造紙にまとめ、発表してもらいます。企画段階では在学生も手伝いますが、発表するのは高校生のみ。緊張しながらも、精一杯、気合の入った発表を見せてくれました。

 森重昌之先生より講評をいただいたのち、昼食会場へ。食堂で各自好きなものを注文し、同じ部屋で食べました。昼食後、在学生の提案で自己紹介が始まりました。趣味や特技を披露し合い、高校生どうしの距離が一気に縮まります。ワークショップと食事を共にすることで、初対面とは思えない、打ち解けた雰囲気となりました。このたびはプレゼミナールでワークショップをリードした1回生を取材しました。いつも人なつっこい笑顔を絶やさない新留由来(しんどめ ゆき)さんへのインタビュー記事をお届けしましょう。(湯栗未名実)



※この活動は、阪南大学給付奨学金制度によって運営しています。

高校生の柔軟な発想

湯栗:プレゼミナールお疲れ様でした。新留さんは新入生のワークショップに参加されていましたね。どうでしたか?
新留:グループに3回生の先輩がいて、発表までの段取りや時間配分を指導してくださったので、とてもスムーズに進みました。私は迎える側でしたが、いつの間にか立場を忘れていました。高校生と一緒になって考え、プランに対する意見も遠慮なく出しました。
湯栗:それで、できあがったプランは?
新留:1泊2日で行く沖縄への卒業旅行です。思い出づくりの要素をプランに入れて、お揃いのオリジナルTシャツ作りも盛り込みました。沖縄での体験と言えば、シーサーや琉球ガラスの制作体験が思い浮かぶのでしょうが、現地で記念のTシャツを作るという発想は、高校生らしくて、ユニークなアイディアだと感心しました。
湯栗:講評でも高く評価されていましたね。観光学をかじった在学生は「その土地ならではの体験を考えなければ」という思いが強くなり、逆に提案がありきたりなものになってしまうのでしょうね。白紙状態の高校生だからこそ、新鮮なアイディアも出てくる。
新留:そうですね。もちろん、その土地を活かすことも大事だとは思います。ですが、新入生のためのワークショップですので、新入生の意見や、自由な発想を尊重するよう心がけました。

芸は身を助ける、かもしれない

湯栗:高校生と接してみて、どうでしたか?
新留:とにかく「キャラが濃いなあ」と感じました。
湯栗:どういうところが?
新留:自分の魅力を伝えることが、とてもうまい。昼食後の自己紹介が始まったとき、「初対面同士では緊張してうまく話せないのでは」と心配していました。ところが、ところが。ひとりの男の子が「手拍子お願いします」と言ってブレイクダンスを踊り始めたのです。それに続いて得意のモノマネを披露する子、口笛を吹く子も出てきました。実に個性的で、あれほど楽しい自己紹介はありませんでした。
湯栗:新留さんの学年と比べて、どうですか?
新留:私たちは、プレゼミでもお互い探り合っていたというか、打ち解けたのは、入学して少し時間が経ってからでしたね。学年ごとにカラーがあるのでしょうか。今年は明るくて積極的な子が多いので、とても楽しみですね。
湯栗:ちなみに、新留さんが自己紹介を求められたら、何を披露しますか?
新留:普通だと思います。名前や出身地、趣味や特技を紹介して終わりです。でも、それでは印象に残りませんね。新入生を見習って、私も即興で披露できる一芸を身に着けたいですね(笑)。

出会いのあるイベントに魅かれます

湯栗:このプレゼミナールの対象となったのは、AO入試の合格者ですが、自分がAO入試で入ってよかったと思う点はありますか?
新留:AO入試での入学生だけでないのかも知れませんが、先生と接する機会が多いことですね。早く名前を憶えていただき、「イベントに参加しないか」と声をかけてもらえたのは、嬉しかったですね。
湯栗:実際に、イベントには参加しましたか?
新留:はい。最近では、東京で開催されたツーリズムエキスポに行ってきました。オープンキャンパスでは、スタッフをAO入試の学生が務めます。イベントが好きなので、運営に携わることができるのは、とても楽しいし、勉強になります。
湯栗:イベントのどのようなところに魅力を感じますか。
新留:一番の魅力は、たくさんの人に出会えることでしょうか。とにかく、人と接することや、人を見ているのが好きなのです。イベントがあると、色々な人に出会えるので、楽しいですね。

早く進路が決まった高校生のみなさんへ

湯栗:後輩には、どんなことを期待しますか?
新留:大学にはさまざまな活動やイベントがあるので、どんどん参加してほしいですね。経験することで行動力もつきますし、いろんな人と出会うことにより、刺激も受けます。
湯栗:入学してから積極的に活動やイベントに参加し、充実した大学生活を送っているようですね。では逆に、「入学前にやっておけばよかった」と後悔していることはありますか?
新留:勉強です。AO入試では早く進路が決まりますので、一般入試で大学を受ける学生に比べると、真剣に勉強をする期間が短くなります。入学してから一般入試の学生と接してみると、知識の差に唖然とします。頭に入っている英単語の量が違うことに衝撃を受けました。
湯栗:勉強の遅れがなかなか取り戻せず、気持ちだけが焦ってしまいますよね。
新留:そうですね。大学も決まり、思いっきり遊びたい気持ちはわかりますが、勉強も怠らず、努力を維持してほしいですね。知識が多いと、それだけ大学の授業がよく理解でき、楽しくなると思うので…
湯栗:その通りですね。お互い頑張りましょう。ありがとうございました。

インタビュー後記

たくさんのイベントや学校行事に積極的に参加している新留由来さん。ワークショップでは、高校生との壁を感じさせず、彼女ならではの和やか空気を作り出していました。たくさんの人と出会い、充実した大学生活を送っているかと思いきや、「入学前にやっておけばよかったこと」に挙げたのは、己の勉強不足。同級生との実力に触発され、コツコツと努力することで、今は克服したそうです。とにかく明るい新留さんですが、受け身で楽しむのではなく、「進んで楽しんでやろう」という積極性が感じられます。芯の強さも感じます。その向上心をもって、大きく伸びてくれるものと期待できます。