国際観光学部学生広報誌「ラ・れっとる 43号」自らプレッシャーをかけた留学体験の成果

2017.10.12

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【国際観光学部 国際観光学科】

国際観光学部学生広報誌「ラ・れっとる 43号」自らプレッシャーをかけた留学体験の成果

常に前向きに、常に全力で

 国際観光学部の学生は、当たり前のように海外旅行や国外留学を経験しています。留学には1ヶ月の短期留学と半年や1年の長期留学があり、渡航先はアメリカ、オーストラリア、カナダなどの英語圏もあれば、中国や韓国に留学する学生も少なくありません。それぞれの目的に合わせて国や期間を選ぶのです。語学の能力を向上させるために留学する学生が多い中で、海外でのインターンシップを受ける学生もいます。語学力の向上に加え、海外での就業体験を通じてスキルアップをはかるのです。このたび紹介する3回生の北川晶穂(きたがわあきほ)さんもそのひとりで、カナダでの長期ホテルインターンシップを受けて、この夏に帰国しました。ウィニペグ大学での半年間の語学研修のあと、3ヶ月間、英語を使ったホテルでの就業体験をするプログラムです。北川さんがホテルインターンシップを受けようと決意してから、帰国するまでのエピソードを語っていただきました。同じような留学を考えているみなさんには、貴重な体験談ですので、ぜひお読みください。(織田星也)

※この広報活動は、阪南大学給付奨学金制度によって運営しています。

電話でのスピーキングテスト

織田:取材を受けて下さり、ありがとうございます。
家次:そしてお帰りなさい。
北川:ありがとうございます。
家次:さっそくですが、ホテルインターンシップのことを教えてください。
北川:インターンシップ先はカナダですが、フランス語とならび英語が公用語ですので、職場はもちろんオールイングリッシュです。
家次:世界共通言語ですからね。
北川:インターンシップのプログラムは1ヶ月ごとに3つの違う仕事に就かせていただけると聞いていました。初めはハウスキーピング、そしてレストランとフロントという順序で。しかし。私の場合はホテル側の都合もあり、1ヶ月のハウスキーピングを終えても、他の部署に移していただけませんでした。
織田:そんなこともあるのですね。それを聞いて、どうされました。
北川:はい。残りの2ヶ月もお客様と触れ合うことのないハウスキーピングをするのでは、海外インターンシップを受けた意味がありません。担当の方に相談し、ホテルを変更しました。そこでは2ヶ月間、フロントに立たせていただき、週に一度のペースでレストランでの研修をさせてもらいました。
家次:海外では、はっきりと主張しなければならないのですね。ところで、ホテルインターンシップに入る前に、学校に通うのですか。
北川:大学と語学学校に通いました。初めの4ヶ月はウィニペグ大学で日常会話程度の英語を学び、バンクーバーの語学学校では、主にビジネス英語を学びました。
織田:英語をみっちりと勉強したあと、3ヶ月間のインターンシップを体験するのですね。
北川:そうですね。
家次:日本を出発される前に、ホテルインターンシップに参加するには、テストに合格しなければならないと聞きましたが。
北川:日本ではなく、ウィニペグ大学での在学中です。
家次:テストの内容は?
北川:スピーキングのテストです。向こうが質問してくることに対して答える会話のテストです。
家次:大学に試験官が来られるのですか。
北川:いえ、電話です。どんな内容を聞かれるのかはわからず、大体の日時を知らされるだけ。リーディングやリスニングのテストもあるのですが、電話でのスピーキングテストは緊張します。ジェスチャーや表情で誤魔化せませんから。
織田:聞くだけで、緊張しますね。
北川:はい。合格しなければ、ウィニペグ大学にそのまま1年間留まるか、あるいは帰国するかのどちらかを選ばねばなりません。
家次:厳しいですね。でも、合格されたからホテルに行けたのですね。英語を上達させるために特別な勉強をされていたのですか。
北川:阪南大学では、派遣留学生を対象として、放課後に語学の授業を開いてくれています。なので、積極的に参加しました。イングリッシュスペースもフルに活用しました。
織田:北川さんはチアリーディング部にも所属されていますが、部活との両立はどうでしたか。
北川:部活をしながら時間を空けようとしても、挫けます。語学研修の授業に出たのは、自分を追い込む意味もあるのです。少しの空き時間があれば、単語の勉強をしていました。ホテルインターンシップに申し込むのには、TOEICが470点以上なくてはなりません。基準点まで上げるためには、毎日のリスニングが欠かせませんでした。
家次:やはり相当な努力をされていたのですね。私も短期ですが、留学経験がありますので、わかります。リスニングが少しできるようになっても、スピーキングが全くできない。北川さんはどうでしたか。
北川:TOEICの点数も上がり、自信は持っていたのですが、実際に現地へ行くと、リスニングやスピーキングがあまりにもできない。焦りましたね。授業の復習を毎日して、先生にも聞きに行き、ホストファミリーとも積極的に話すよう心がけました。
家次:部屋に閉じこもる留学生もいると聞いていますが。
北川:いえいえ、迷惑じゃないかと思うくらい、ひたすら話しかけました。映画好きの家族だったので、よく一緒に観ましたね。
織田:日本でしたら、日本語の字幕が入ったりするのですが。
北川:出ても英語ですよ(笑)。しかも、字幕は出ません。最初のうちは、画面を見ながら粗筋を想像するだけでした。だから、何の映画を見るのか先に教えてもらい、あらすじを事前に調べました。ネタバレになってしまうのですが、目的は英語の勉強です。教科書には載っていない言い回しなども勉強できるので、映画やドラマの観賞は意味があります。ほかにも、毎日の課題であるエッセイでライティングが鍛えられ、友達と遊びに行くことで、スピーキングも伸びていきました。

自分にプレッシャーをかける選択

家次:毎日、自分から進んで努力をすることが大事なのですね。ところで、語学留学のみ、という選択肢もあったと思いますが、なぜホテルインターンシップの留学を選択されたのですか。
北川:働くことによって、英語を使わなければならない機会が増えますし、真剣な状況に身を置いて、自分にプレッシャーをかけることが必要だと思ったからです。英語が話せないことで辛い思いをするのが自分であるならば、きっと励みになると思ったからです。
家次:その職場がたまたまホテルであったと。
北川:いえ、ホテル業界には元より興味がありました。英語の勉強と興味を足せば、答えはおのずとホテルインターンシップとなります。
家次:自分を追い込んでモチベーションをあげようとする積極性が素晴らしい。見習わなければならないですね。
織田:そもそも北川さんが留学に行こうと思われたきっかけは。
北川:阪南大学には「カナダ長期ホテルインターンシップ制度」があり、もともとホテルにも興味があったので、これは一石二鳥だと思ったからです。
織田:ということは、高校生時代の大学選びの時から、留学を考えられていたのですね。
北川:その通りです。高校生の時から英語やホテル業界に興味があり、大学で実践的に学びたいと思って調べていると、阪南大学にこういう留学制度があることがわかったのです。それでここを受験しました。
家次:高校時代から将来のビジョンやチャレンジしたいことが決まっていたのですね。ところで、留学を経験して、語学能力は向上しましたか。
北川:はい、向上しました。日本にいても英語の勉強ができる人はいますが、追い込まれながら勉強することが自分には向いているようです。ホームステイ先の家族はまったく日本語ができません。英会話にジェスチャーを交えながら、とにかく気持ちを伝えることに、毎日必死でしたね。
織田:それほど必死に毎日を過ごして、体調は崩されなかったのですか。
北川:風邪をひいたことがありまして、その時も、ホストファミリーに病状を伝えるのが大変で、薬を与えられても、症状に合っているのかどうか。心配でしたね。でも、そのような時でさえ、風邪に関する単語を調べたりして、自分の勉強にプラスアルファになるように努めました。
家次:日本で英語を学習していても経験できないことですね。
北川:言葉を尽くして伝えなければならない。大変でしたが、日本人の友達以外に、他の国からの留学生も多かったので、互いに意識を高め合いながら頑張れたのは、よかった。
織田:互いを高めるとは?具体的に。
北川:一番仲のよかった台湾人の友達が、いつも発音を直してくれたり、会話の中で指摘をしてくれたりしたので、勉強になりましたね。楽しい遊びも勉強につながりました。日本であれば、教室に座っての勉強が多いですが、留学では、いろいろな学習スタイルがあり、それが自分にも合いました。
家次:海外はアクティブに動くイメージがありますよね。例えば、どういう学習スタイルが?
北川:授業が終わってから、放課後に集まり、ボランティアに出かけるのです。そこでも色々な国の友達と交流ができるので、有意義な時間でした。

マシンガントークに鍛えられる

家次:ホームステイのことをお聞きしていいですか。
北川:ウィニペグ大学にいた4か月間のホストファミリーは、ご夫婦と2人の娘さんがいました。
家次:おいくつくらいの?
北川:17歳と11歳です。下の女の子との会話には、苦労しましたね。日本でもそうですが、いろんなことを話したい年頃なので、いっぱいしゃべろうとして話のテンポが速い。マシンガントークについていけず、首をかしげてばかりでした。困惑ぶりが彼女にも伝わったのか、しだいに会話をしてくれることが少なくなり、壁ができてしまいました。
織田:僕なら、そこで心が折れますね。17歳のお姉さんとは?
北川:彼女は表情をよく見てくれていて、ゆっくりと、わかりやすく話してくれました。妹さんはまだそういう年齢ではなかったので、「なんでわからないの」と聞いてくることが多く、逆に鍛えられましたね。厳しい先生ですが、とてもかわいかったですよ。
家次:ホームステイ先でも、いい勉強ができたようですね。で、インターンシップを始めてからのホストファミリーは?
北川:移動先のバンクーバーでも、ホストファミリーはご夫妻と2人の娘さんでしたが、お2人とも独立されていて、家にはいませんでした。ということで、少し年配のご夫婦だけでした。
織田:それでは、北川さんと3人だけだったのですか。
北川:いえ、いろいろな留学生を招かれる家で、私が行った時には、コロンビア人とブラジル人の2人がホームステイをしていました。
織田:もちろん、留学生どうしも英語ですよね。苦労されたことでしょう。
北川:特にコロンビア人留学生との会話に苦労しました。伝えたいことが伝わらなかったり、伝えたことが間違っていたりと、かみ合わず、その人とはあまり親しむことができませんでした。一方、ブラジル人の留学生はとても気さくで、毎日話しかけてくれたので、友達になれました。
家次:ホームステイ先も、いろいろとあるのですね。でも、北川さんなら、どちらでも前向きに進んで行けたのでしょう。
北川:一言一句に重さを感じ、「この人にこの言葉が伝わるのだろうか」なんて考えながら話すことは、正直しんどかったです。また、私も含めた日本人は深く考えてしまいがちなので、言われたことを気にして、落ち込むこともたびたび。でも、学校に行けば、理解してくれる友達がいて、気持ちを共有することができたので、励まされました。失敗もプラス思考で考えられるようになりました。
織田:落ち込んだ時の友達はどこであってもありがたいものですね。ところで、ホームステイで楽しかったことは?
北川:もちろんありますよ。週末ごとにホームパーティーがあり、多国籍の人と交流できます。文化の違いなども学べました。そのときの仲間とは、今もSNSでつながっているので、交流を続けています。特別な友達ですね。
織田:日本では、毎週末のホームパーティーなんて、考えられないですね。SNSで交流を続けられることも、今の時代ならではの魅力ですね。これから留学を考える高校生や在学生にとって、参考になるお話しをたくさん聞かせていただき、ありがとうございました。

インタビュー後記

 長期留学には期待と不安がつきもので、大きなチャレンジとなります。北川さんの体験談をお聞きしていても、二つの心がよく伝わってきます。ホテルインターンシップでは、電話でのスピーキングテストに合格しないと、参加できないということで、電話をとるまで、どれほど緊張されたことでしょうか。ホームステイ先で会話力の不足から小学生の女の子に遠ざけられた話なども、胃が痛くなりそうな体験です。いろいろな戸惑いを感じながらも、努力でカバーされてきた北川さんの姿勢が素晴らしい。10か月という、長いようで短い期間のなかで、いろいろな経験を積むことができる。留学が人を成長させることを、改めて感じました。記事でお伝えできなかった体験談もまだまだいっぱいあることでしょうから、「もっと聞きたい」と感じられた方は、ぜひご本人に話しかけてみてください。末ながら、答えにくい質問にも、的確に答えて下さった北川さんに感謝申し上げます。(家次未來)

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