2017.9.20

国際観光学部学生広報誌「ラ・れっとる 41号」Life should be lived like a Music Video

わが道をゆく岩城直哉さん

 取材させていただきましたのは、国際観光学部の4回生、岩城直哉(いわきなおや)さんです。私たちも含め、大谷新太郎先生のゼミ生として観光学を学んでいます。ひとつ上の先輩である岩城さんは、とても個性的で、魅力たっぷりの方ですので、その人柄や活躍ぶりを紹介しようと、取材をお願いしました。4回生といえば、就職活動のことを、ぜひお聞きしたいところです。また、旅行が好きな岩城さんは、海外でのユニークな体験をたくさんお持ちです。ということで、就活と旅行のことにスポットを当てました。近い将来のことが気にかかる高校生、就職活動に向けて準備を進めている在学生の皆さまには、とても役に立つ経験談が盛りだくさんですので、ぜひ参考になさって下さい。旅の体験談には、私たちも亜然としました。こちらもお楽しみに。記事は3回生広報部員の織田星也と家次未來がお届けします。初めての記事ですので、至らぬ点もあるでしょうが、ご容赦ください。(織田星也)

※この広報活動は、阪南大学給付奨学金制度によって運営しています。

就活のコツは徹底した自己分析

家次織田:このたびは取材を受けて下さり、ありがとうございます。内定が取れたとお聞きしました。おめでとうございます。
岩城:ありがとう。
家次:これから就職活動に取りかかる3回生をはじめ、多くの後輩たちに体験談やアドバイスを。
織田:それでは、私からお聞きします。就職活動で一番大変だったことは、何ですか。
岩城:自己分析でした。就職活動を始めたときは、自分をよく見せようと、背伸びをしていた気がします。それを身の丈に戻すのに苦労しました。あとはメンタルを保つことかな。
家次:メンタルというと、面接の際に緊張されるとか?
岩城:いえ、面接での緊張は全くありませんでした。
家次:それは、聞くまでもなく、わかります。(笑)
岩城:それよりも、自分が社会に認められるかどうかが不安で。就職活動が終わるイメージも浮かばない。いろんなプレッシャーがあり、自分を追い詰めた時期がありましたね。
家次:岩城さんはプレッシャーとは無縁な方だと思っていたのですが。
岩城:プレッシャーというか、情報を共有できる仲間が少なく、それが不安でしたね。就活の開始当初は、どの企業からも声がかからず、かなり追い込まれました。
織田:就職活動はいつ頃から?
岩城:3回生の11月からでした。
織田:一般に比べると、かなり早いのでは?
岩城:そうですね。でも、内定を頂けたのは5月ですので、早く決まったように見えて、実際には皆さんと活動の期間は変わらないですよ。
家次:11月に、まず何から始められたのですか。
岩城:そのとき選考が始まっていた中小企業の面接を受け、年が明けた2月頃から大手の面接も受け始めました。ただ、面接で答えに窮する質問をされ、それからは徹底的に自己分析をしましたね。それが本格的な就活だったような気がします。
家次織田:私たちも授業で自己分析をするのですが、二人ともパッとしません。岩城さんの秘訣を、ぜひお教えください。
岩城:自己分析のマニュアル本がありますよ。それを細かいところまで、きちんと実践することですかね。子どもの頃から今までにやってきたクラブ活動や習い事、趣味などを書き出してみたところ、私の場合は、クラブ活動や習い事は、体育会系が多い。
家次:印象そのままですね。(笑)
岩城:ただ、趣味は違っていまして、バンドやダンス、ピアノといったところです。人に見てもらうことや自分を表現することが好きなのだと、気づきましたね。それからの面接試験は、この点を強調して臨みました。あとは、場数を踏むことも大事かな。面接を通じて自分が見えてくる感じです。
織田:自己分析が大事であることが、よくわかりました。自分のことは自分が一番よく知っているようで、意外とわからないものなのですね。参考にさせていただきます。就活の話題はこれで最後にしますが、面接でのPRポイントは?
岩城:ライフ、シュッビーリブド、ライクア、ミュージックビデオ(Life should be lived like a music video)ですかね。
織田:人生をミュージックビデオのように生きるべきだ、という意味ですか?

岩城:自分のモットーにしていて、自己PRとしても使っていました。ビジュアル・アート界の天才、ローリー=クレーマー(Rory Kramer)の言葉です。モットーに従い、大学1回生の時から色んなことに挑戦しようと決めていました。なので、就職活動だけに縛られず、プライベートを充実させることも大切にしました。

若いからこそできる体験を

家次:色んなことに挑戦されたとのことですが、例えば、どのようなことに?
岩城:フランス横断です。
織田:それはまた大きな話ですね。何か目的が?
岩城:特に理由は無く、ただ「フランスに行きたい」という思いから。ほとんどノリと勢いで、思い立ったその時に、図書館のパソコンで航空券を取りました。
織田:先輩らしさが出ていますね。フランスでは大変な思いをされたと、お聞きしていますが。
岩城:そうですね。ホテルまで歩いて行こうとしたのですが、途中で道を間違えて。
織田:かなり距離があったのでしょう。
岩城:そうですね、10キロ近くあったかな。歩いていると、途中で道が急になくなって川が流れている。近くに橋もなく、最悪です。あるのは川に架かる高速道路だけ。路面を歩くしかないと思い、フェンスをよじ登ることに。ただ、車のスピードが早すぎて、怖かったですね。
織田:高速道路ですから!
岩城:でも、ホテルにたどり着けたのはラッキー。
織田家次:いや、無茶でしょう。(笑)
岩城:到着すると、ホテルは閉まっていて、しかたなく駅に向かいました。そしたら、ホテルから「チェックインしないのですか」という内容のメールが入り、駅員さんに電話で確認してもらうと、実は開いていたのです。
家次:駅からまたホテルに戻ったのですか。
岩城:はい。さすがに今度はバスで行くことにしました。
家次:反省は、されているのですね。
岩城:最終便のバスに急いで乗ったのですが、どうやら行き先が違ったようで。
織田:やれやれ。
岩城:スケジュール帳に行き先を書いて、ドライバーにすがりました。必死の表情をしていたのでしょうね、「運行が終わってからになるけど」と言って、ホテルまで送ってくれたのです。
家次:何と親切な。というか、何と迷惑な。(笑)
岩城:ホテルに着いてわかったのですが、閉まっていたのはホテルではなく、前に併設されたレストランでした。もうこの日は本当に、災難でした。
家次:災難というか、岩城さんらしいというか。

岩城:大人の旅では、できないですね。若いから、できるのかも。
織田:そうですね、楽しいと思うことができるのは、若いうちだけかも知れません、ね。
岩城:ただ、僕が言うのもなんですが、ちゃんと下調べをしてから行くことが大事ですね。危険を感じることも、たびたびあります。写真が好きで、カメラを持ち歩くのですが、海外だと、カメラを出す場所も考えなければ。
織田:周囲に気を配るのが、事件事故に巻き込まれない基本ですからね。
岩城:一人で行く旅は、写真を撮るにしても、いつも一人。逆に自分をどのように撮ろうなんて考えるのが面白かったり。
家次:なるほど、楽しんでおられますね。それでは、働き始めても、旅行は欠かせないと。
岩城:絶対欠かせません。
織田:では最後に、残りの大学生活をどう過ごされるのか。抱負をお聞かせ下さい。
岩城:一日一日を大切にして、自分の成長につながることをしたい、と思っています。
織田:ありがとうございます。
岩城:ところで、お二人はどういう過ごし方を?
家次:今年はインターンシップやゼミ活動に力を入れようかと。
岩城:3回生のときが一番大事ですからね。頑張ってください。
織田:はい、ありがとうございます。また一緒にフィールドワークをしましょう。岩城さんの、さらなるご活躍を期待しています。

インタビュー後記

 広報部員に選ばれたときから、岩城さんを取材したいと考えていました。それで第一の取材対象になっていただいたのです。同じゼミの先輩ですが、改めて話をお聞きすると、とても刺激のある内容で、今後のモチベーションにもつながりました。大学生活を充実させられるかどうかは「やはり自分次第なんだ」と改めて考えさせられる、そんなインタビューとなりました。私たちも3回生の前期が終わり、4年間のうちの半分以上が経ってしまいました。半年後には就職活動も始まり、落ち着いた大学生活を送れるのは、ごくわずか。岩城先輩がモットーにされている「ミュージックビデオのような人生の送り方」ができるかどうかはわかりませんが、卒業後に振り返った時に「やり切った」と思えるようにしたいものです。何をしたいのかがわからなくても、興味をもったことに、とりあえずアクションを起こすことが肝心。岩城先輩のように、若さを武器にして、大きなことに挑戦して下さい。末ながら、快く取材を引き受けて下さった岩城さんに感謝します。後輩としても、岩城さんの今後の活躍を楽しみにしています。(家次未來)