2017年度 新入生オリエンテーション事業が始動しました

 阪南大学経営情報学部には,新入生を対象に「大学入門ゼミ」という科目が設置されています。この授業は,新入生が経営学を学ぶに当たって必要な知識を,フィールドワークの体験を通じて楽しみながら身につけてもらう特色ある講座の1つです。
 フィールドワーク先としては,基本的にテーマパークなど,新入生達にとって身近なエンターテインメント施設が指定されています。一昨年はUSJ,昨年はひらかたパークに調査に出かけました。この4月に入学される新入生も,5月にフィールドワークを経験することになりますが,今回はひらかたパークに加えて,みさき公園も選択肢に入り,各ゼミで行き先を選択してもらうことになりました。
 私達,経営情報学部オリエンテーション委員会のメンバーは,毎年この大学入門ゼミにSAとして参加しています。フィールドワークの方法やプレゼンテーションのノウハウに不慣れな新入生と一緒に活動し,彼らが困ったときには相談に乗ることで,授業をより実のあるものにするためのお手伝いをしています。
 その一環として,5月にフィールドワークを実施するに先立って,例年3月に受け入れ先の下見に行かせてもらっています。今年は阪南大学学会の教育活動補助を得て,あらたに調査対象に加わったみさき公園に34名,ひらかたパークに19名が事前視察に行ってきました。今回は特に,新しい調査対象であるみさき公園に焦点を合わせて,私達が行った視察の成果を報告したいと思います。
 みさき公園は1957年に開園し,今年60周年を迎える老舗のテーマパークです。都会の喧騒から隔たった,和歌山に近い風光明媚な場所に立地するみさき公園は,約29万?という広大な敷地に遊園地と動物園を併設する特徴的な構造を持っています。とりわけここでは,大阪府で唯一イルカショーが見られるという,他のテーマパークにない魅力があります。私達も,さっそくこのイルカショーを楽しんできました。たくさんの元気なイルカ達が見事に芸を披露する姿に,とても感銘を受けました。
 動物園にいる多くの種類の動物達が,このように滅多に触れることのできない自然の生態を活き活きと私達に教えてくれます。それだけでなく,みさき公園はもともと南海電鉄が70周年記念事業として創業した経緯があるため,わくわく電車らんどをはじめ,電車にちなんだアトラクションが結構あり,これも他にない魅力の1つだと思います。オリエンテーション委員会のメンバーの中にも鉄道マニアが何人かおり,実際に使用していた車両の展示を見て非常に感動していました。
 一通り園内を散策した後,みさき公園の副園長である新家誠司様からお話を伺うとともに,私達の質問に答えていただきました。次年度の大学入門ゼミのテーマは,「エンターテインメント施設の経営課題」を探ることですので,質問は主にみさき公園の経営に関するものがほとんどでした。新家副園長は,私たちが提起した,ともすれば答えづらい疑問に対して,非常に丁寧に解説してくださいました。
 特に,テーマパーク間での競合について,ひらかたパークが年間入場者数100万人を回復した一方で,みさき公園の年間入場者数は現在40万人ほどに留まっています。動物園に関しても,天王寺動物園がナイトZOOのような企画を軸に,来場者の獲得拡大に向けた積極的な取り組みを展開する中で,みさき公園が動物園の魅力を戦略的にどう向上させるのかが問われました。
 もちろん,イメージキャラクターの導入や各種イベントの拡充を絶えず考える必要がありますが,予算の制約があることも忘れてはならない重要な視点になります。エンターテインメント施設を今以上に活性化するための処方箋は簡単に見つかりそうもありませんが,それだからこそ私達若者の立ち位置から発信できる大胆な提案も必ずあるはずです。次年度の大学入門ゼミで新入生の皆さんのお手伝いをする中で,私達自身もエンターテインメント施設の活性化に寄与するアイデアを考えていきたいと思います。

※この活動は、学部教育研究活動助成制度(阪南大学学会)の補助を受けています。

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