2017年度ビジネス法Pゼミ 公務員試験合格者体験記

 本学経済学部では、公務員を志望する学生のために、公務員試験対策に特化した選抜ゼミ(ビジネス法プロジェクトゼミ)が設けられています。
 そして、今年度も同ゼミに所属する学生が各々の志望する職種の公務員試験に挑戦し、3名が無事に合格を果たしました。
 以下ではそのうち2名の合格に至るまでの体験記を掲載します。

川上泰宏 地方上級試験(奈良県職員採用Ⅰ種試験)合格

公務員を志望した理由

 私は利益だけを追い求めるのではなく、多くの人の生きがいや楽しみを創出し、安心した生活を提供できるような、生活基盤を整える仕事に就きたいと考え公務員を志望しました。現在、日本では少子高齢化が問題視されていますが、大阪にいると正直なところあまり実感できません。しかし、故郷である奈良に帰ると高齢の方が増え子どもが減っていると感じることが多々あります。そこで、地元の奈良でこのような問題などに携わり、奈良の発展や振興に貢献したいと思い、奈良県庁への就職を目指すことにしました。

試験直前まで

 1回生の頃は部活動(野球)や大学祭実行委員会で活動しつつ、単位を取得することに重点を置いて勉強していました。単位を早い段階で取得しておけば、公務員試験の勉強に集中できると考えたからです。

 そして、2回生からは公務員試験対策を集中的に行うビジネス法プロジェクトゼミを選択しました。ゼミでは、公務員試験で出題数が多い数的推理や判断推理を演習形式で勉強しました。
 選抜制のゼミだけあって、取り扱う問題は実際の公務員試験で出題されるレベルの難易度であり、当初は授業についていくだけでも大変でしたが、ほかのゼミ生も多くが公務員志望者であったため、お互いに切磋琢磨しながら頑張りました。
 また、2回生の頃には公務員試験の出題科目でもある法律学の勉強を始め、その一環として法学検定試験を受けました。法律学の勉強は覚えるべき用語が多く最初はとても大変でしたが、スタンダードコースに無事合格できました。法学検定試験の勉強を通して、日常生活ではたくさんの法律問題があることがわかり、法律を学ぶことの面白さや重要さを学ぶことができました。
 さらに、2回生の冬からは学外の試験予備校に通い授業やゼミで扱っていない科目の勉強なども始めました。地方上級試験では法律学や経済学など様々な分野から難易度の高い問題が出題されるため、かなりの勉強量でした。私は模試の成績が芳しくなかった等の状況から危機感を感じ、公務員試験の1年前あたりからは1日10〜12時間の勉強を続けました。友人たちと遊ぶこともなくなり精神的にもかなり辛い期間でしたが、自分の目標に向かって諦めずに勉強を続けていました。

試験直前〜試験当日

 試験直前は、暗記系科目の勉強時間を増やしたり、試験の時間帯に頭が働くように起床時間を調整したりしていました。また、勉強の息抜きとして面接対策にも取り組んでいました。たとえば、奈良県の政策などについてインターネットを利用しながら調べていました。体調面や精神面のコンディションを整えていたからか、試験当日は緊張なく受験することができました。もっとも、普段よりも慎重に問題を解いていたために時間がなくなり、かなり焦ってしまいました。いつも通りのペースで取り組むことが重要であると感じました。

将来取り組んでみたいこと

 奈良県庁で取り組んでみたい業務としては主に2つあります。1つは少子高齢化問題などに関連するような地域振興の業務です。もう1つは、幼い頃から野球をしているので、地域スポーツ関連の業務です。もっとも、これらの業務以外についても、奈良県民の方々の力になれるように積極的に携わっていきたいと考えています。

斎藤勇吾 第1回警察官採用選考(大阪府)合格

公務員を志望した理由

 私は以前から、『警察24時』という番組を観て、凶悪な犯罪者に立ち向かう勇敢な姿、被害者のためにという強い使命感を持って地道に捜査を続ける心の強さに感動し、警察官の業務に関心を持っていました。そして、高校時代に柔道部で培った体力や忍耐力を活かして、地元の大阪を安心して暮らせる街にしたいという想いから、本格的に警察官を目指すことにしました。

試験直前まで

 警察官になるために、まず公務員試験に特化したビジネス法プロジェクトゼミに入りました。ゼミでは公務員試験の合格に向けて、出題頻度が高い数的推理や判断推理などの科目を2年間勉強しました。また、ゼミ活動の一環として、海水浴場でのゴミ拾い、松原市内の商店街が主催する夏祭りの手伝いなどのボランティアも定期的に実施されていたため、これらの活動を通じて地域社会とのつながりの大切さを改めて実感するとともに、地域貢献のあり方や課題について身をもって学ぶことができました。

 また、公務員試験の出題科目は膨大であるため、大学の授業やゼミ活動のみでは勉強量が足りないと考え、学内の公務員講座を受けたり、参考書や過去問などを使って自習したりしていました。
 ゼミや学内講座で同じ目標を持った仲間たちと切磋琢磨し勉強していく環境は私にとって素晴らしい刺激となり、試験勉強の大きなモチベーションとなりました。

試験直前〜試験当日

 警察官の選考は学力試験に加え、体力試験や面接試験も実施されます。学力試験については上述の勉強を試験当日まで続け、体力試験については普段から定期的に運動することで対応しました。面接試験についてはできる限り簡潔に応え、テンポ良く面接官と会話することを意識して臨みました。また、説明会等での現職警察官からのアドバイスをもとに、質問に対する回答内容だけではなく、服装の乱れや入室する際のドアの開閉、立ち居振る舞い、仕草等についても気をつけました。
 なお、私の第一志望は大阪府警でしたが、採用選考の雰囲気に慣れるため、ほかの自治体の警察官選考も受けました。その結果、学力試験での時間の配分方法や面接での改善点を見つけることができました。

将来取り組んでみたいこと

 将来的には交通部に入り白バイ隊員となって、交通の取り締まりや指導に携わり、交通事故を減らしていきたいと考えています。白バイ隊員になるためには、採用選考とは別の試験や訓練などを受ける必要があるので、就職後も努力を怠らず謙虚に精進していきたいと思っています。私の理想の警察官像である「優しく強い警察官」になるため、市民の方々や同僚からも信頼されるようになるためにこれからも頑張ります。

今後もビジネス法プロジェクトゼミでは公務員を強く志望する学生をサポートするために様々な取り組みを試みていきたいと考えています。