阪南大学経済学部では、「キャリアアップ」枠並びに「リーダーシップ」枠という学部独自の給付制奨学金制度(2・3・4年次生各5名、1名につき年間給付額40万円)を用意して、学生の成長をサポートしています。
 「キャリアアップ」枠は、金融・公務・国際という三つのキャリア分野を設け、学業成績が優良で主体的に進路目標の実現をめざして資格取得等に励んでいる学生に給付される奨学金です。
 「リーダーシップ」枠は、学業成績が優良で経済学部や大学が主催する行事等の企画・運営で中心的な役割を果たした学生に給付される奨学金です。
 今回は、2017年度「キャリアアップ」枠・金融分野奨学生である大坂成太さん(2年)、児玉樹太さん(2年)の活動成果を紹介します。

【金融キャリアを目指す資格勉強】 経済学部2年生 大坂 成太 さん

 二回生になって、阪南大学経済学部奨学金制度を知り、その中のキャリアアップ枠金融分野に応募しました。奨学金を給付して頂くことができれば、金銭面に余裕が生まれるだけではなく、今までアルバイトに割いていた時間も資格勉強に使うことができると考えたからです。そして、学部奨学金を給付して頂くことができましたので、学修に力を入れることができました。
 私は、金融キャリアプロジェクトゼミに所属し、このゼミが目的とする銀行・信用金庫等の預金取扱金融機関、金融関連企業への就職を目指しています。金融キャリアプロジェクトゼミではそれらを目指すための環境を提供され、学生のやる気次第で大きく成長することができます。このゼミではキャリアプロジェクト実習として、日商簿記やビジネス会計検定等の金融関連資格を取得するための授業も行われます。私は、そのなかで「ビジネス会計検定3級」に挑戦し、一回目の受検で無事合格することができました。
 ビジネス会計検定とは、財務諸表に関する知識や分析力を問われ、財務諸表が表す数値を理解し、ビジネスに役立てていくことに重点が置かれております。ビジネス会計検定3級では、基本財務諸表としての貸借対照表、損益計算書、およびキャッシュ・フロー計算書に記載されている項目と計算構造について学習します。その上で、企業が成長しているのか、債務等の支払い能力はどうか、収益性はあるか、株価は利益に対して高いか低いか等、財務諸表分析の基本を理解できているかが問われます。
 そして、このビジネス会計検定3級を受験するに当たり、会計の用語や、財務諸表の構造、その分析等に焦点を絞り、集中的に勉強しました。一回生の間に日商簿記3級を取得しており、会計知識が少しあったお陰で、ある程度スムーズに理解することができました。試験の1ヶ月前からは毎日ビジネス会計のテキストを読み込み、過去問を一日一回以上解くようにして、財務諸表を完全に理解するように努めました。その結果、ビジネス会計検定3級試験に合格することができました。
 他にも、新たな金融関連の資格取得に挑戦しようと考えております。新たに取得したい資格として、ファイナンシャル・プランナー検定3級や、日商簿記検定2級、ビジネス会計検定2級などを考えております。まずは、阪南大学の資格取得プログラムを活用し、来年6月の後半から始まる日商簿記講座を受け、日商簿記2級の取得を目指します。

【世の中を広く見るための勉強】 経済学部2年生 児玉 樹太 さん

 私は初めて経済学部の学部奨学金を頂き、頂いた奨学金を勉強の費用に充てようと決めました。ただ、自分が在学中に取得しようとしている資格の費用に充てるだけでは、奨学金をもらったというだけですることは何も変わっていないと考え、私が目指している金融業界に関係している資格の勉強のみでなく、興味があることも勉強しようと決断しました。
 勉強をするにあたって、ある程度明確な目標がなければ自身のモチベーションも維持できないと思い、年度内に資格を二つ以上取得するという目標を設けました。また、勉強をして得た知識を誰かにアウトプットするということも心掛けました。受講している授業や、将来のための資格の勉強に取り組むのはもちろんですが、私は自分の興味のあることや趣味にも重点を置きました。それは、目指している業界の勉強だけをしていればそこに特化した専門的な人間になってしまうと思ったためです。専門的な人間は自分の専門の分野にならば強いのですがその外に出てしまえば滅法弱く、柔軟性に欠けます。世の中にはそういった人ももちろん必要で、社会のいたるところでそういった人々が力を発揮しています。ですが、私は私自身に世の中を広くとらえ何事にも客観的な視点を持てるような柔軟性が必要だと考え、たかが趣味だと思わず、様々なことを経験することにしました。
 金融業界に就くために必要な資格については、9月にビジネス会計3級を取得し現在は1月の試験に向けFP3級を勉強しています。ビジネス会計を勉強するときには、自分に合ったスタイルの勉強方法が良いと思い一日の勉強時間は短くして毎日取り組むという方法をとり、無事合格することができました。趣味としては、英文書を読むことと紅茶についての勉強することに絞り、集中して取り組みました。英文書は原文の小説などを読むのは難易度が高すぎて長続きしないと思い、海外の雑誌や小中学生向けなどの自分より少し若い年代を対象にした薄い本などを繰り返し読んでいました。それにより、ノートを取りながら勉強するよりも無理なく英語の読解力を向上させることができました。また、全く知らないところに足を踏み入れるという意図で紅茶について勉強に取り組みましたが、目に入る知識すべてが新鮮でたのしく知識を身につけることができました。以前より広い知識の幅と無理なく勉強に取り組んだことで知識は増えたものの頭に余裕ができました。
 今後も、目指している業界にのみ焦点を当てるのではなく、何が起こるかわからない社会に対応できるように、自分の知識の幅を増やし必要な時には客観的な考えを持てるような柔軟性を伸ばすことにも尽力していきます。