2016年度 鷲崎ゼミ活動報告

教員からのご挨拶

 またも年度内に間に合いませんでしたが、昨年度のゼミ活動の報告を行います。3年目を迎える本ゼミは、各学年でそれぞれフィールドワークを計画し、そこに他学年や他ゼミの学生も参加してくれました。7月のスタートから順に追っていくと、夏にドラマ作品を舞台としたまちあるきプランを作り大阪市内を歩き、秋に近江でこちらも「ちはやふる」の舞台を訪れ、近隣の延暦寺などにも参詣しました。春には、近代遺跡が残る和歌山県友が島へ、そして昨年の続きとして伊勢参りです。伊賀から伊勢まで歩きました。このほかにも、学生だけで行ったFWもあり、本当によく出かけた1年でした。

大阪の魅力再発見!
—「大阪環状線ひと駅ごとの愛物語」の舞台を巡る 16/07/24

  • 左端には森重先生のお姿が見えます。お忙しい中、わざわざ参加してくださいました。

  • これは学内に貼った参加者募集のポスターです。

 3回生企画のまちあるきです。1グループ3名で「ひと駅ごと」に担当し、下見してルートを決めました。回った駅は、大正・西九条・福島・京橋です。回る駅は場所で決めたのではなく、各駅をテーマにした作品の面白さで決めました。途中で、電車に乗り遅れる人が出て、予定を変更したりもしましたが、大阪市内を作品越しに見ることで、また違う風景を発見できたと思います。途中、ドラマのワンシーンを再現して、盛り上げてくれたグループもありました。

近江神宮「ちはやふる」の舞台巡り
—石山寺・延暦寺参詣も 16/09/23.24

  • スタートの石山寺で集合写真。このあと苔生す庭で、お池に落ちてしまいました。

  • 延暦寺は山中で、階段も険しい。

 遊んでいるように映るかもしれませんが、一泊二日で、しっかり観光資源の調査をしてきました。一日目は石山寺・三井寺・近江神宮を回り、それぞれ担当する学生が道案内。石山寺は古典文学に描かれ、三井寺と近江神宮は近年映画のロケが盛んに行われております。近江神宮は、「ちはやふる」で盛り上がっているかと思いきや、時間が悪かったのか、資源の充実の割りに寂しかったです。撮影現場のかるた畳まで開放してくれてます。石山寺と延暦寺はさすがに人手が多かったですが、シニア層が多く、近江神宮も含めて、若い人に来てもらえるようなアイデアが必要と感じた学生も多かったです。京都から近いので、何とか足を伸ばしてもらえる工夫をゼミで課題としたいと思います。

大阪から歩く伊勢参りの旅
—4日目伊勢市~6日目伊勢神宮 17/02/28~03/02

  • 徐々に人が増え、最終日には約30名に。他ゼミ生や1年生も多数参加してくれました。

  • 前日に歩いた伊賀は山路でしたが、松坂市内はのどかな平地が続きました。

 昨年からのつづきですが5日で130km歩き、参詣を1日して、計6日間の旅でした。いったい何本の川を越えたのか、数えておけばよかったです。今年も松坂城址に立ち寄ったように、ところどころのんびりして、昔の人もかくお参りを楽しんだんだろうなと感じました。伊勢神宮は森の中にありますが、一通り参拝すると、最後に明るい平地に出るようになっており、なるほど闇を抜け、お天道様が迎えてくださったような気持ちになりました。
 道中、足を痛める人が続出でしたが、一歩一歩がゴールに近付いていく感じを身体に刻み込めたのではないでしょうか。学生と同じ体力ではないので、私は大変でしたが、帰ってしばらくは、山を見るたびに、不思議と「越えたいかも」と思うのでした。おまけ企画のフィールドワークにもかかわらず、外部から多くのご参加をいただきまして感謝申し上げます。ゼミ生諸子も人を連れて歩く大変さを学ぶことができて、よかったと思います。準備や案内、ご苦労さまでした。

観光資源としての近代遺跡
—和歌山県友ヶ島 17/03/13

 2回生が初めて企画したフィールドワークで、観光資源としての近代遺跡の現状と課題を探る調査です。友ケ島へは加太港から舟で20分程度、軍人の宿泊施設や砲台跡が良い状態で残されています。無人島と聞いていましたが、電気も水道もあり、宿泊できる場所もありました。とはいえ、売店や自販機はなく、島の中には非常用の毛布が置かれている小屋があったり、それなりに浮世離れした雰囲気は感じられます。当日は快晴で、淡路島がすぐ近くに見えました。きれいな海と対照的に、島内にゴミが多く、ゼミ生の中からは、ボランティアで清掃活動をしてはどうかという意見が出ました。下調べがしっかりされていたので、効率よく回れて収穫も多かったです。

おわりに
—卒業式 17/03/18

 初めてゼミから卒業生を送り出しました。今でこそすっかり大所帯ですが、彼らは立ち上げの学年で人数も少なかったです。ただ、そのぶんアカデミックな雰囲気で授業していたことを思い出し、本来ゼミとはこうあるべきだと再認識いたしました。  彼らが道筋をつけてくれたおかげで、後輩たちが自分たちのやりたい研究をのびのびできてます。これからは社会の荒波に揉まれますが、飲まれないように、しっかり根を張って、活躍してください。  3年間、ありがとう。卒業おめでとう。