国際観光学部1年生オリエンテーションで、塩路ゼミがはじめてのフィールドワークを体験

 2017年5月13日(土)に国際観光学部の新入生オリエンテーションが実施されました。
 これは、各大学入門ゼミで、大阪市内の地下鉄・ニュートラム・バス1日券「エンジョイエコカード」を使って、自由に大阪をフィールドワークする、というものです。
 朝10時にあべのハルカス、阪南大学キャンパスに集合し、地上24階から大阪のまちを眺めたあと、塩路ゼミでは「国際観光という視点で大阪を考える」という全体テーマのもと、3つのチームに分かれて、各チームが準備した大阪の魅力を発見する旅に出かけました。
 今回は、1年生が大学入門ゼミで行ったそのはじめてのフィールドワークを経験しました。以下は、大阪城チーム、インスタントラーメンと企業家チーム、大阪の異文化チームのそれぞれの代表による報告です。

大阪の歴史と外国人観光客の視点
1年生 岩田 栞奈

 今回、フィールドワークで大阪城を訪れ、館内で大阪の歴史を学びました。最初に建築された豊臣氏の大阪城は現在全て埋没しており、今日大阪城として見られる城は徳川氏が新築したものであるということを知りました。また、前代の大阪城が建築されていた場所も異なるそうです。そして、大阪城の博物館を訪れた外国人観光客にアンケートをしたところ、カナダやコスタリカ、また近隣の中国、韓国とさまざまな国の人が大阪城に興味を持っていることがわかりました。その他にも、好きな日本食を質問すると、「とんかつ」と答える人が多く、とんかつが外国人に好まれている事を知り、予想外の回答に驚きました。

 私は、大阪で訪日観光客は天王寺動物園や四天王寺、通天閣などを訪れるものだと思っていましたが、他に観光する予定の場所を尋ねると、「大阪くらしの今昔館」や「着物体験をする予定だ」という回答がありました。「大阪くらしの今昔館」には、私も十年ほど前に訪れましたが、外国の方が来ている印象はありませんでした。外国人の関心が日本人の暮らしとその歴史にもあることを知りました。それと同時に、日本のインバウンドが増加している影響もあるのかと思いました。また、大阪城内見学後には、1階にある土産物売り場を訪れました。そこには、お菓子やグッズなど、さまざまな品が並んでいましたが、特に私が興味をもったのは、お菓子です。お菓子には、大阪城のデザインがされたものよりも、餅や抹茶など、日本がテーマの物が多く売られ、店員さんに聞いてみると、よく売れるというところです。グッズの中では、キーホルダーが観光客は小さくて持ち帰り易いため多く売れているとのことでした。
 その後、私たちは、「大阪くらしの今昔館」付近の天神橋筋商店街を訪れました。そこでも、たくさんの外国人観光客が見られました。商店街内にあるうどん屋、寿司屋など、日本食が食べられる店に外国人観光客が多くいる印象を持ち、日本食に魅力を感じている人が多いのではないかと思いました。
 今回のフィールドワークにおいて、私が気付いたことは、外国人観光客にも、日本の歴史や文化に興味を持っている人が多く、大阪城内の展示物も長時間見入っている方が多くいたことです。また、外国人観光客は、大阪にいても大阪の名物よりも、日本の代表であるうどんや、お寿司、トンカツを食べたいと思っている方が多いようでした。やはり、外国人観光客にとって大阪は日本の一部にすぎず、日本にいる限り地方に関係なく日本全体を体感、体験したいと思っていることに気付きました。

大学入門ゼミ フィールドワークを終えて
1年生 山本 名桜

 大阪に住み始めてからまだ大阪観光をしたことがなかったので、今回のフィールドワークを通してたくさんの発見がありました。フィールドワークではじめに訪れたのはインスタントラーメン・ミュージアムです。その施設の存在は知っていたものの、訪れたことはまだありませんでした。自分も身近に思っていたインスタントラーメンは日本発祥だということを初めて知ることができました。また、安藤百福という人物が戦争で飢えた人を見て発案したことで今のインスタントラーメンができたことも学ぶことができました。ミュージアム内の展示はたくさんの仕掛けがあって、壁にある扉を開くとインスタントラーメンの中の具に関する歴史や、中の構造はどのようになっているのかといった細かい情報が隠されていて、インスタントラーメン・ミュージアムでしか知ることのできないような知識を得ることができました。その上、インスタントラーメンを作る体験を通して製造の過程までより詳しく知ることができ、大変興味深かったです。子供連れの家族や外国人観光客が多く、外国の人だけでなく、国内観光客においても存分に楽しめる施設であるように感じました。
 次に訪れたのは、大阪企業家ミュージアムです。そこでは、さらに自分の身近にあるものを発明、一般化した人物たちについて知ることができました。特に興味を引かれたものは昔の電卓です。展示されているその電卓を最初に見たときには、料金を支払うさいのレジか何かだと思いました。それほど昔の電卓は大きく、今自分たちが使っているようなコンパクトな電卓になるまでの歴史を感じさせられました。そして、あのように大きかった電卓を今のサイズにまで小さくした人物たちの技術の高さや努力にとても感銘を受けました。

 大阪起業家ミュージアムのあとに少し遅めの昼食をとりました。風月という店で大阪では有名なお好み焼きを食べました。机に鉄板があって、店員さんが焼いてくれるのですが、異文化を求めてきた外国人観光客の方々にとっては、この光景は面白いのではないかと感じました。本場のお好み焼きはやはりおいしく、まさに「大阪の魅力を外国人観光客に伝える」というフィールドワークのテーマに合致したものでした。
 最後は、通天閣へ行きました。たくさんの人々で賑わう通天閣付近は大阪を象徴するものであり、外国人観光客や国内観光客であふれていました。今回のフィールドワークは、大阪ならではの文化に触れられた上に、自分の身近にあるものについて深く知ることができた点で、とても有意義なものになりました。

大阪異文化交流フィールドワーク
1年生 宮村 里沙

 5月13日、あべのハルカスに集合し、私たちのチームは、最初に難波のアメリカ村に行きました。そこではナイジェリア人の方にインタビューしました。あまり詳しく聞く事が出来ませんでしたが、その人は、ナイジェリアから来て、大阪に15年住んでいると教えてくれました。その店は、靴と帽子、ストリート系の洋服を販売しており、ブランドものだったので高価で買うことができませんでしたが、店員さんは、優しく勧めてくれました。
 その後、道頓堀に移動し、韓国の「雪の華」という店のかき氷を食べました。1度食べた事があったのですが、韓国から来たかき氷だとは知りませんでした。とてもボリュームがあり、お昼はそのかき氷だけでお腹がいっぱいになりました。「雪の華」のように、韓国だけでなく色々な国のスイーツが日本に出店して、その国に行かなくても食べられるのはとても良い事だと思います。そのような店が大阪に増えていってほしいです。

 次に、鶴橋のコリアタウンに行きました。聞いた事はあったのですが、初めてコリアタウンに行きました。最近の韓流ブームでとても人がたくさんいました。コリアタウンを歩いていると、キムチや肉まん、トッポギ、チヂミなどたくさん美味しそうな料理がありました。私自身も白菜キムチとスルメキムチを買って帰りました。その他にもキムチケーキやキムチパフェなどユニークな食べ物がありました。その後キムチ屋の店員さんにインタビューをしました。その女性は、若い時に日本に来て貿易会社で働き、その後、仕事を辞め、でもまだ働きたくてキムチ屋さんでアルバイトしていると教えてくれました。日本と韓国どちらが住みやすいか聞いてみると、今は日本でも問題はないけれど、最初は文化の違いに戸惑ったと教えて下さいました。そして、帰れるなら自分の母国である韓国に帰りたいということも教えてもらいました。その店員さんの気持ちになってみると、私ならば文化の違う国で働くことは、とてもできないだろうと思いました。
 1日で沢山の異文化について知る事が出来ました。大阪にいながら、街のにおいが違っていたり、まるで外国に来ているような気持になりました。大阪に住みながら働く外国人の人々と話すことができ、彼らの強さを見た気がしました。
 大阪には、今回フィールドワークで行ったところ以外にも異文化を体験できる場所があります。例えば、大正区は沖縄の文化を体験できる場所です。今度はそこへ行って異文化を体験してみたいと思います。