鹿児島県大阪事務所で成果報告を行いました

パンフレットのたたき台について、好評をいただきました

 森重ゼミでは今年度、鹿児島市でフィールドワークを行ってきました。これまで、昨年12月の第31回日本観光研究学会全国大会学生ポスターセッション、今年1月の学内での1年生を対象としたゼミ報告会、2月のゼミ2〜4年生を対象とした発表会において、それぞれ研究成果を発表してきました。そして、その都度いただいた意見をフィードバックしながら、研究内容の改善を図ってきました。これらの成果を踏まえ、若者に鹿児島市の魅力を伝えるため、「厳選 鹿児島ならココMAP!−イマドキの若者が巡る旅」と題するパンフレットのたたき台を作成しました。
 パンフレットのたたき台ができあがったことから、昨年9月に聞き取り調査でお世話になった鹿児島県大阪事務所を2月16日に訪問し、これまでの経過も含めた成果報告を行いました。当日は鹿児島県大阪事務所の石塚さま、井上さまにご対応いただき、ゼミ生の梶原奈津希さん、小林廉くん、仲田玉徳くん、三谷悠子さん、若林佳代さんの5名が発表しました。たたき台についてはおおむね良い評価をいただくとともに、研究過程で明らかになった旅行雑誌の情報と実際にわれわれがフィールドワークで訪れた印象のギャップについても、関心を示していただきました。当日の様子を以下で参加したゼミ生が報告します。
 今後、3月に鹿児島市を再訪し、鹿児島市役所や鹿児島観光コンベンション協会の皆さまにも成果報告を行う予定です。(森重昌之)

当日の様子

  • ゼミ生による成果報告の様子

  • 報告を聞く鹿児島県大阪事務所の皆さま

  • ゼミ生による成果報告の様子

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参加したゼミ生の報告

鹿児島県大阪事務所での発表で得たもの
 国際観光学部3年 仲田玉徳

 私たちは2月16日に、鹿児島県大阪事務所で「若者が求める観光情報とメディアによる情報発信の相違に関する研究−鹿児島市を事例に−」のタイトルで、約1年間の研究成果の発表を行いました。鹿児島県大阪事務所で発表を行った経緯は、昨年9月上旬に一度聞き取り調査を実施し、協力していただいたことから研究成果を報告するに至りました。
 発表の概要は、次の通りです。鹿児島市は歴史資源の印象が強い都市ですが、若者向けの観光資源が少ないのではないかと考えました。私たちは、若者が旅行に行く動機を調べ、鹿児島市の観光資源を紹介したパンフレットやガイドブックを用いて、若者が関心を示す観光スポットを洗い出し、昨年9月中旬に3日間をかけて、実際に現地での聞き取り調査や資源調査を行いました。事前調査と現地調査の結果を比較すると、若者が関心を示す観光資源があり、ガイドブックなどで情報発信が行われている資源もありましたが、適切に発信できていない資源も見受けられました。若者の関心を集めるには、たんに観光資源を紹介するだけでなく、若者に焦点を合わせた資源の紹介の工夫が必要と考えました。これらの調査の結果から、若者を「カップル」、「一人旅」、「男友達」、「女友達」に細分化し、ターゲット別に色でわかりやすく、お勧めスポットを紹介したパンフレットの作成を行いました。
 鹿児島県大阪事務所での発表ではパワーポイントを利用し、鹿児島市を選んだ経緯やパンフレット作成までの過程、パンフレットのコンセプトなどを発表しました。発表の際は、5人それぞれが発表するところを振り分けて行いました。鹿児島県大阪事務所では2名の職員が私たちの発表を聞いてくださいました。そして、発表後にはフィードバックをいただきました。その中で、若者が旅行に行く動機をもとに分別した観光スポットをまとめた分析・考察を「とても良かった」とおっしゃってくださいました。私の中では、作成に一番時間がかかった部分ということもあり、達成感を覚えました。他にも、「パンフレットに鹿児島県の地図を入れたら、よりわかりやすくなると思う」、「パンフレットで掲載している観光スポットの説明文を伝わりやすいように変更したら、もっと良くなる」、「QRコードを載せた紹介の方法もある」など、さまざまなアドバイスやご指摘をいただきました。
 大阪事務所の方々が優しく聞いてくださったおかげで、自分たちの研究の成果を伝えることができました。そして、ご意見やアドバイスをいただき、自分たちが考えていなかったことや研究に足りなかった部分を教えてくださり、とても良い機会になりました。いただいたご意見を参考に、残りの報告会に向けて、より完成度の高い発表ができればよいと思います。

パンフレット作成で鹿児島市にご恩返しを
 国際観光学部3年 小林廉

 私たち森重ゼミは2月16日に鹿児島県大阪事務所にて、ゼミ活動の報告を行いました。鹿児島県大阪事務所では、私たちが鹿児島市で現地調査を行う際の下調べとして、昨年9月に聞き取り調査にうかがいました。聞き取り調査では、鹿児島市の強みや鹿児島市の良いところなどについてうかがいました。その他にも、地元の方しか知らないようなおすすめのスポットや食べ物なども教えていただきました。それらをもとに、現地調査を行ってきました。
 私たちは、若者に魅力のある観光資源を鹿児島市で探しました。鹿児島市のイメージは、歴史や食べ物の印象が強く、あまり若者向けではないのではないかという印象でした。しかし、実際に行ってみると、若者にも魅力に感じる観光資源をたくさん見つけることができました。全体的に観光資源となるものが多く、魅力的な場所であると感じました。その後、現地調査で得た情報と事前に調べていた情報を使い、若者に特化したパンフレットの作成に取りかかりました。ゼミ生で話し合い、おすすめしたいスポットを厳選し、パンフレットをつくりました。カップル、男友達、一人旅や女子旅といったジャンル別におすすめする場所を分けて紹介することで、見やすくわかりやすいパンフレットを心がけました。
 このパンフレットの成果報告と私たちがどのように研究してきたのかについて、鹿児島県大阪事務所の方に発表しました。まず、私たちの研究内容や一連の流れを説明しました。最後にパンフレットを成果として提出しました。発表した後に、私たちの研究内容とパンフレットに対してさまざまなご意見をいただきました。特に、若者が観光に行く動機を調べたデータは今後いろいろなところで活用できると、良い評価をいただきました。どのような若者が、どのような目的で、誰と旅行に行くのかをまとめたデータでした。また、今回は若者にターゲットを絞りましたが、鹿児島市には多くの温泉があることから、温泉のPRや鹿児島市の温泉を選んでいただくための工夫や仕組みも考えればおもしろく、温泉の認知度向上にもつながるということでした。さらに、鹿児島市の観光スポットを紹介しているが、鹿児島市が県内でどの辺りに位置するのかがわからない人もいるのではないかと指摘されたので、位置の情報もパンフレットに取り入れたいと思います。今後、指摘された点など改善し、仕上げていきたいと思っています。そして、このパンフレットを完成させて、鹿児島市役所や大阪事務所、観光地などで配布できればと思っています。

温泉地・食でアピールできる可能性がある鹿児島市
 国際観光学部3年 三谷悠子

 鹿児島県大阪事務所での発表では、私たちが作成した若者に向けた観光パンフレットを用いて、職員の方々に発表するような流れで進みました。私たちはゼミ活動の中で、若者がどのようにして鹿児島市へ観光旅行に来ていただけるかについて考えてきました。現地調査を行う前に、まず鹿児島県大阪事務所を訪問し、聞き取り調査を行いました。そこで教えていただいた若者が行きたいと思う観光スポットや雑誌・ウェブサイトなどに掲載されていない情報などのお話をうかがい、それを踏まえてまとめた後、現地調査を行い、今回のパンフレットを作成する運びとなりました。私たちの発表後、鹿児島県大阪事務所の方からのアドバイスとして、パンフレットの表面に鹿児島県全体の地図を入れたらより良いものになると言っていただきました。
 また、鹿児島県の源泉総数は全国2位であるにもかかわらず、知名度が高いとはいえず、鹿児島県に対して「温泉」のイメージがあまりないという現状にあります。そのうえ、九州の温泉地といえば、やはり別府温泉の地獄めぐりなどのイメージが強く、温泉となると大分県に旅行に行く人がとても多いと思います。そのため、鹿児島県大阪事務所の方は鹿児島にも温泉が至るところにあるので、ぜひ観光客に温泉目的でも来ていただきたいとおっしゃっていました。実際に私たちが鹿児島市へ現地調査に訪れた時にも、温泉が多いことに驚いたと同時に、事前に雑誌やパンフレットで調べていった温泉地の情報と現状が違っている点がいくつかありました。観光客の目線に立って考えてみると、一番参考にしているパンフレットと現状が違っていたら落胆するだろうと感じました。鹿児島県大阪事務所の方がおっしゃるように、温泉で鹿児島県をどのように盛り上げていくか、またどのような手段でより多くの観光客に来ていただけるようにするかが今後の課題だと感じました。さらに、鹿児島市は鹿児島ラーメンや屋台村、黒豚など、ご当地ならでは食の魅力が豊富なので、より一層食に関してもアピールしてほしいというアドバイスもいただきました。
 鹿児島市を訪れる前後に、それぞれ鹿児島県大阪事務所を訪問したことによって、改めて鹿児島県の方しか知らないスポットがいかに重要か感じることができました。同時に、鹿児島県大阪事務所の方に指摘された点については、今後のゼミ活動の中で改善していきます。また、今回私たちが作成したパンフレットをもとに、今後は若者が来て楽しい、来てよかったと思えるようなパンフレットの作成に励んでいきたいと思いました。