北海道標津町で現地調査を実施しました

サイクリングコースの調査と飲食店情報の収集を中心に、現地調査を行いました

 国際観光学部では、2014年度のインカレねむろ・大学等研究プロジェクトをきっかけに、北海道標津(しべつ)町とかかわっています。3年目となる今年度も、1〜3年生の学生有志8名が個人観光客の受け入れツールを提案するため、毎週火曜日と木曜日の放課後に集まり、さまざまな検討を重ねてきました。その中で、サイクリングコースと飲食店情報誌の作成に取り組むことに決め、11月18日から5日間、現地調査を実施しました。
 現地調査では、最初に標津町の観光関係者との意見交換会を行った後、サイクリングコースの試走から取りかかりました。また、昼食、夕食時には町内の飲食店をグループに分かれて周り、さまざまな情報収集と店主への簡単な聞き取り調査を実施しました。さらに、今年度からかかわっている1年生を中心に、昨年度作成した「謎解き観光マップ」の実証に取り組み、多くの課題を発見しました。そして、調査最終日に現地調査の成果報告会を開催し、標津町の観光関係者に披露しました。それぞれの調査内容の詳細については、以下で参加した学生が報告します。調査の合間には、町内の酪農見学や体験型観光のメニューの1つである生キャラメルづくり体験を行いました。なお、今回の現地調査の成果をブラッシュアップして、来月中旬に開かれるインカレねむろ研究発表会2016に挑む予定です。
 標津町での現地調査のたびに、標津町役場や標津町観光協会の皆さまをはじめ、町内の多くの方々から多大なるご支援ご協力をいただいております。今回も言い尽くせないほど、お世話になりました。ここに記して、心より感謝申し上げます。(森重昌之)

フィールドワークの様子

  • 町内の観光関係者との意見交換の様子

  • 町内の飲食店店主への聞き取り調査の様子

  • サイクリングコースの試走の様子

  • サイクリングコース沿道の観光資源調査の様子

  • 町内の酪農見学の様子

  • 生キャラメルづくり体験の様子

  • 「謎解き観光マップ」の実証調査の様子

  • 成果発表会に向けた旅館での準備の様子

  • 現地調査の成果発表会の様子

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参加した学生の報告

標津町の方々のさまざまなこだわりを実感
 国際観光学部3年 栗田真衣

 私は昨年に引き続き、標津町の観光地域プロジェクトに参加し、11月18日から22日までの間、実際に標津町でフィールドワークを行いました。昨年は「謎解き観光マップ」を作成するために標津町の観光資源を調査しましたが、今回は「グルメ」に着目しました。
 今年のプロジェクトが始まった当初、グルメマップを作成しようと考えていました。しかし、ただ飲食店の場所を掲載するグルメマップはすでに作成されていたため、新たにつくる必要性がないと感じました。私たちが飲食店を探す際、「食べログ」や「ぐるなび」などのインターネット情報から探す傾向にありますが、標津町の飲食店の中には店の口コミや詳細が掲載されていない店も多々ありました。そこで、私たちが飲食店の情報収集をすることで、標津町を訪れる方々のニーズに合った店を「選ぶ」ことができるよう、グルメ情報を調査することにしました。
 標津町内にある22軒の飲食店を実際に訪れ、店の詳細などの聞き取り調査や店内外、料理の写真を撮影させていただきました。聞き取り調査を終えた18軒すべてで地元の食材を使用していることがわかり、地元産へのこだわりを感じました。また、多くの店では裏メニューがあり、旬の食材が異なる標津町ならではの特徴と思いました。私が特に印象に残っている裏メニューは、北海シマエビと鹿肉です。どちらも今まで食べたことがなく、無我夢中で食べていました。こんなにも地元の食材を存分に使われている地域はあるだろうかと不思議に思うほどでした。しかし、それも酪農業と漁業という2つの産業が盛んな標津町の最大の魅力だと感じました。
 5日間、飲食店を調査していて、ランチの価格が多少高く感じましたが、それに相応しく、またそれ以上のボリュームにとても満足しました。一方で居酒屋は比較的安く、親しみやすい店主と落ち着いた空間がとても心地良かったです。多くの飲食店があるにもかかわらず、どの店へ足を運んでも満足できました。どの店もまた行きたいと思わせる料理はもちろん、店主がつくる店の雰囲気であると飲食店を巡っていて感じました。
 調査の合間には、酪農見学や生キャラメルづくりを体験させていただきました。酪農見学では数えきれないくらいたくさんの乳牛がいるにもかかわらず、農家の方が少しの変化にも気づくこと、チーズや牛乳にも標津産というこだわりを感じました。さらに、生キャラメルはどこでもつくることができますが、体験する人の標津町での滞在時間に合わせて、1、2度の微妙な温度変化や無添加などに気を配っておられました。標津町の方々の人柄や温かさを改めて感じました。
 今回も標津町の方々には本当にお世話になりました。毎回私たちを快く迎えてくださり、本当にありがとうございます。大学生の目線、そして一観光客としての目線で精一杯知恵を出し合い、町民の方々の期待に少しでも近づけていきたいと思います。

謎解き観光マップを使って標津町の魅力を発信するために
 国際観光学部1年 高田有規子

 私は今回のプロジェクトで標津町を訪れ、飲食店マップ、サイクリングマップの作成、謎解き観光マップの完成のための現地調査を行いました。現地調査の前に、ウェブサイトで標津町について調べました。町内にはたくさんの飲食店があるにもかかわらず、そのほとんどの店舗情報がインターネット上で公開されておらず、観光客にとってはとても不便であり、その点が大きな問題点であると感じました。
 現地調査の初日、夕方の17時頃に根室中標津空港に到着したにもかかわらず、外はすでに真っ暗で、日の入りの早さに驚きました。空港から標津町まで自動車で30分ほどかけて移動したのですが、本州では見かけないほどの真っ直ぐな道が続き、北海道ならではの道路標識や雪対策の道具などを見かけ、北海道らしさを感じました。
 昨年先輩方が作成した「謎解き観光マップ」を、初めて標津町を訪れた私たち1年生が観光客の立場になって実際に各チェックポイントを周り、問題を解いていきました。チェックポイントに設置されている説明の書かれた看板などを見なければ、問いの答えがわからない問題があり、答えがわかったときの達成感が嬉しく、楽しみながら周ることができました。
 しかし、問題点もたくさん見つかりました。例えば、問いと答えのつじつまが合わない問題があり、問題か答えのどちらかの変更が必要と思いました。また、チェックポイントに行っても答えはおろか、ヒントすらないところもありました。さらに、顔出し看板に答えが書かれているにもかかわらず、今夏の台風の影響で破損し、撤去されているところもありました。答えを見つけられず、観光客が途中で謎解きを諦めてしまうと、標津町内を巡っていただけず、意味がありません。
 一方、各チェックポイントへ自動車で向かう途中、広い空に大きな山が連なる北海道らしい美しい風景が広がり、感動的でした。謎解きをしていく中で、わからないことは現地の方々に聞いて、標津町の方と交流もできました。私が謎解きをしていて特に印象に残った施設は、ポー川史跡公園内にある歴史民俗資料館でした。標津町の自然・歴史・文化についての展示がありましたが、私が一番印象に残ったのはクマやウサギ、リスなどの剥製でした。動物の剥製を見たのは初めてでしたが、今にも動き出しそうな迫力があり、いつまでも見ていられました。動物の剥製が謎解きの問いになってもおもしろいと感じました。
 今回標津町に4泊5日間滞在して、たくさんの町民の方々とお話しさせていただきましたが、皆さん気さくで、とてもフレンドリーな印象でした。しかし、私たちと同じ世代の方をほとんど見かけなかったので、標津町に暮らす若者の話を伺い交流することで、新しい魅力を発見できるのではないかと感じました。

地元の声の重要さを実感したフィールドワーク
 国際観光学部3年 山内菜美子

 11月18日から23日まで標津町に訪れ、フィールドワークを行いました。そして、19日には標津町の観光関係者の方々へ今回のフィールドワークの内容を発表しました。個人観光客が標津町を訪れた際に町内の自然を堪能できる手段として「サイクリングマップ」の提案と、町内のグルメ情報が詰まった「グルメ情報誌」の提案を行いました。標津町の方々からは、地元の声や今後の課題など、とてもたくさんのご意見をいただきました。
 まず、「サイクリングマップ」の内容として、標津町はクルマ文化が根付いており、観光客もほとんどがクルマで訪れます。車内では標津町の広大な自然や澄み渡った空気などを存分に感じることができないと考え、レンタサイクルを利用した「サイクリングマップ」を提案しました。自転車での移動を通して自然を肌で感じることを目的とし、海の景色が楽しめるコースと山の景色が楽しめるコースを発表しました。質疑応答では、移動距離が長いのではないか、交通量が多いコースはよくないのではないか、サイクリング中にトラブルがあった場合の対応方法を考えるべきではないかなどのご意見をいただきました。そこで、コースをもう一度見直す必要があると考え、地元の方々がお勧めするサイクリングコースを教えていただきました。交通量が少なく景色が良い道や、山と海を一度に楽しめるコース、標津町の歴史を感じながら自然も堪能できるコースを教えていただきました。
 一方、「グルメ情報誌」の内容として、標津町には現在も食事マップがあるのですが、店舗の営業時間や定休日、電話番号など、詳細な情報がまったく載っていませんでした。また、ウェブサイトなどを調べても、情報が載っている飲食店が少数でした。そのため、個人観光客が訪れた際に食事場所の選択に困るのではないかと考え、「グルメ情報誌」の提案を行いました。私たちが旅行で観光地に訪れた際に、どのような情報をもとに食事する場所を決めるかについて事前に話し合い、必要になる情報を整理しました。そこで、営業時間や定休日、電話番号以外に、地元の食材を使ったメニューや予算、お子様対応の有無のほか、飲食店に親しみを持てるように店主の顔写真なども調査内容に入れ、発表しました。質疑応答では、基本的にどの飲食店もボリュームがあることや、お勧めのメニューなどを教えていただきました。
 標津町の方々からたくさんのご意見をいただいて、標津町に住んでいるからこそわかる地元の声が重要であることを実感しました。何度か訪れたことのある町ですので、ある程度知っていると思っていたのですが、地元の方々の声を聴くと、新しい発見が多く、とても参考になりました。ご協力いただいた地元の方々に御礼申し上げます。

標津町を走って見つけた新たな資源
 国際観光学部2年 井上佑太

 11月18日から22日にかけて、北海道標津町で現地調査を行いました。昨年に続いて3回目の訪問で、ある程度の標津町の観光資源を学んでいる状態での調査でした。今年度はサイクリングマップの作成が1つの目標であるので、19日午後に実際に自転車を借り、2つのグループに分かれて調査を行いました。標津町内では自動車の利用がほとんどで、初めて自転車に乗りました。私は、午前中の地域の方々とのミーティングで教えていただいた、ポー川史跡自然公園から川に沿って標津湿原の中を通り抜けるルートを走りました。昨年、標津湿原を訪れた時は、入り口にあるポー川歴史民俗資料館から木道を歩いて奥に行きましたが、今回は森を抜ける普段使われない道を自転車で走りました。普段人が立ち入らない道であり、手つかずの自然が広がっていました。
 途中には、アイヌ人が縄文時代に実際に住んでいた竪穴住居が残されている伊茶仁カリカリウス遺跡があり、自転車を止めて見学に行きました。幾つかの建物が復元されており、当時の生活が学べました。さらに奥に進むと、平成元年に廃線になったJR標津線の跡が森の中を直線に貫いており、実際に列車が走っていたことがわかりました。ほぼ森に覆われているルートなので、ところどころに「クマ出没注意」の看板やクマよけの鐘が設置されており、危険な場所であることを改めて実感させられる場面もありました。
 しかし、道は舗装されておらず、砂利がところどころに落ちていたので、自転車では走りづらくなっていました。さらに、ところどころにぬかるみもあり、アップダウンも激しく、出口ではゲートに鍵がかかっていて、自転車を持ち上げて通り抜ける必要がありました。最初に調べていた情報との違いも多く、自分で実際に走ってわかる課題がとても多かったです。ただ、普段ゲートが締まっていて、許可がないと入れない道を走ったので、自動車の心配をする必要がなく、自分たちのペースで走ることができました。深い森の中だったので、森林浴をしながら走ることができました。
 今回、実際にポー川ルートを走ってみて、自転車ルートとして整備していくことは難しいと感じましたが、ウォーキングルートにすることで、お客様を呼べるのではないかと思いました。寒空の北海道の森の中を3時間走ったので、とても寒かったですが、普段大阪では味わうことのできないことが、このサイクリングで味わえました。自然の中を走ることで、今まで自動車の中から見ることしかなかった標津町を、今回のサイクリング調査で学ぶことができました。

ぬくもりあふれる標津町で見つけたもの
 国際観光学部1年生 安田知弘

 私は今回、人生で初めて北海道へ行きました。そして、北海道標津町において、個人観光客が飲食店を探すために必要な情報を集めるため、グループに分かれて飲食店を調査しました。私は、標津町の飲食店の数は少ないと感じていましたが、実際に調べてみると22店舗と、意外にたくさんあることがわかりました。事前調査では各店舗の基本情報を集めようとしましたが、情報量が少なく悪戦苦闘しました。そこで、私たちは基本情報をはじめ、個人観光客が食べに行きたいと感じる条件は何かということをメンバーで話し合い、意見を出し合いました。その結果、予算はどれくらいか、地元の食材を使っているか、宴会や予約ができるのかなどの意見が出され、それらを現地で調査することに決めました。
 標津町に到着した日に、町内でははしご酒のイベントがありましたが、私は飲食店の調査をするため、聞き取り調査を行いました。これまで聞き取り調査をしたことがなかったので緊張しましたが、先輩方にフォローしていただいたおかげで進めることができました。飲食店の方とお話ししているうちに緊張も解け、標津町の特産品や魅力について話しました。そして、たくさん美味しい食事を出していただき、標津町の特産品のサケや貴重な北海シマエビ、ホタテ、コマイという魚などを食べました。私はこの時感じたことは、店を見た目で判断してはいけないということです。店によっては、わかりづらいところや開店しているのかどうかわからないところもあります。しかし、店内に入ると優しく接していただいたり、ためになる話を教えていただいたり、とても温かい空気にあふれていました。
 その後も2日目から4日目にかけて、昼と夜の食事ごとにグループに分かれ、飲食店の調査を続けました。毎日外食ということもあって、なかなか大変ではありましたが、飲食店や地元の方との交流を楽しみながら食事ができました。調査を続けていくうちにわかったこともあります。例えば、どの飲食店でも地元の食材を使っていることや、食事のボリュームが多い分、値段も少し高く設定されていることなどがわかりました。このようなことは、現地に実際に行って食べてみないとわからないことでもあります。都会の飲食店とは違って裏メニューもあり、メニューが定まっていないことも課題にあげられます。しかし、裏メニューがあることによって、どのようなものが出てくるのかという楽しみが増えるのではないかとも考えています。
 私は今回の標津町の調査で、地元の方々の温かさを感じることができました。初めて訪れた私にも優しくアドバイスをいただき、私たちと一緒にどのようにすれば町が活性化し、観光客が来てくれるのかを考えてくださり、とても感謝しています。これからも標津町の観光産業の発展に尽力していきたいと考えています。

謎解き観光マップをよりよくするために
 国際観光学部1年 清水遼

 私は11月18日〜22日にかけて、北海道標津町で調査を行いました。今回、プロジェクトに参加するにあたって、事前に標津町の歴史や文化などを調べました。また、毎週火曜、木曜日に現地調査の準備に向けた会議を重ねてきました。
 調査内容は、昨年に調査した先輩方が考案した「標津町謎解き観光マップ」を実際に体験し、良かった箇所や改善点を見つけることや、標津町にある飲食店の詳細をまとめたグルメマップの調査・作成、自動車では感じられない自然を体感してもらうためのサイクリングマップの作成など、この6日間で調査しました。その中から、今回は「標津町謎解き観光マップ」について報告します。
 一昨年の2014年から始まった「インカレねむろ・大学等研究プロジェクト」は「個人観光客が自由に楽しむ標津町に向けて」という調査から始まり、翌年の2015年にはこの「標津町謎解き観光マップ」の作成・調査を行っていました。そして、今年はその「標津町謎解き観光マップ」の実践、改善する点を調査しました。謎解き観光マップを実際に体験して感じたことは、標津町とはどのような町なのかというのがわかりやすく伝わる観光マップでした。クイズを解くには、実際にその問題が出されている場所に行かないとわからないものや、現地の人に聞かないとわからない問題などもあり、現地の方々と交流する機会がきちんとあり、観光にしっかりつながっていたので、楽しく標津町の観光地を回ることができました。
 しかし、謎解き観光マップを活用して回るうちに、改善点がいくつか出てきました。まず、謎解き観光マップ(晴れバージョン)の問い「標津番屋屏風で船から運び出している魚は?」の答えは「サケ」なのですが、ポー川歴史民俗資料館には「秋鮭」と表記されていたので、解答欄の文字数を増やし、正しい表記に訂正する必要を感じました。また、問い「根室標津駅と上武佐駅の間に存在する駅とは?」の答えは「川北駅」なのですが、根室標津駅跡に行ってもヒントが書かれておらず、川北駅の情報が一つもなかったので、他の問題より難易度が高いと感じました。そこで、根室標津駅跡に川北駅やその他の情報もわかるようなものを設置する必要があると思いました。問いの「アイヌ種痘之碑」に関する問題では、実際に碑がある望ヶ丘公園が謎解き観光マップの地図に載っていなかったので、情報をマップに追加すべきと感じました。また、雨バージョンについては、問い「ポー川史跡自然公園にある顔出し看板に描かれているのはアイヌ人と何?」ですが、今夏の台風で顔出し看板が損傷し、撤去されていたので、新しい問題に変える必要があります。このように、クイズが解けなくなるものもあるので、その都度確認が必要だと感じました。
 その他にも、地域の方々にお話をうかがう機会があり、その時に謎解き観光マップについて、「もう少し問題数を増やしてもよいと思うよ」や「晴れ、雨バージョンだけではなく、季節ごとのバリエーションもあったらおもしろそう」など、貴重な意見もいただいたので、それらも参考にしながら謎解き観光マップをより良いものにしていきます。
 私は今回、初めてこのプロジェクトに参加し、とても貴重な体験をさせていただきました。森の中を自転車で進んだり、生キャラメルづくりを体験したりするなど、楽しかったことの中にしっかりと学べたことがありました。今年のこのインカレねむろプロジェクトで学んだことを来年につなげられるよう、次の発表に最善を尽くしたいと思います。

標津町民とともに取り組むまちづくり
 国際観光学部3年 西内拓史

 私たちは11月18日から22日までの5日間、北海道標津町に訪れ、フィールドワーク調査を実施しました。フィールドワークの目的は主に3つありました。1つ目は、標津町の雄大な自然を活かす、サイクリングマップを作成するために、事前に決めたコースを私たち自身で走ってみることです。それによって、また新たなコースや観光資源の発見ができると考えました。2つ目は、標津町の中にある飲食店の詳細な情報がインターネットや標津町観光協会のホームページなどでほとんど掲載されていない、また掲載されている飲食店が現在営業していないといった問題がありました。これらの問題を解消するために、標津町の飲食店情報を整理し、事前に調べた標津町内の飲食店すべてをいくつかのグループに分かれて調査することです。そして、3つ目は昨年度作成した謎解き観光マップを実際に1年生に解いてもらい、実践することでしかわからない矛盾点や間違いを見つけ、訂正することです。以上の3つの調査を、今回のフィールドワーク中に実施しました。フィールドワーク調査を行っている際は、やはり標津町の良さである町民の優しさや、道東ならではの自然景観など、標津町の観光資源や魅力を体感しながらフィールドワーク調査をすることができました。また、フィールドワークを実施していて、私たちが話し合いをしているだけではわからなかった問題点を見つけることができました。
 フィールドワーク中は毎晩、部屋にみんなで集まり、調査内容やフィールドワーク中に見つかった問題点をまとめました。これらの結果をまとめ、11月22日に、実際に1年生が解いて明らかになった謎解き観光マップの改善点と、サイクリングマップとグルメ情報誌について、町内の観光関係者に発表しました。
 最初に、グルメ情報誌について発表しました。営業時間や定休日、席数といった基本情報の他に、それぞれの飲食店のアピールポイント、どういった特産品を料理に使用しているか、店主がとてもお話上手など、各飲食店らしさの出ている情報を掲載することを模造紙にまとめ、完成版のイメージを提示しました。次に、サイクリングマップについて発表しました。サイクリングマップでは、私たちが事前に考えていたコースが距離的に実現困難であったため、19日の事前ミーティングで現地の方々に教えていただいたルートを基準として、3つのサイクリングコースを提案しました。初級、中級、上級の3つのコースを作成し、訪れた観光客のニーズに合わせて楽しんでもらえるよう、発表しました。さらに、謎解き観光マップの発表では、1年生が実際に問題を解いて出てきた課題を模造紙にまとめ、どのように改善していくか発表しました。
 今回の発表で、たくさんの質問や意見をいただくことができ、実際に標津町に住んでいる方からの意見の重要性がよくわかりました。現地で暮らす方々からの声は、まちづくりを進めていく上で大切なことなので、これからも意見交換を行いながら、標津町に貢献できるように研究を進めていきます。

サイクリングによる新たな標津町の見どころの発見
 国際観光学部2年 平澤ななみ

 11月18日から22日にかけて、昨年度に引き続き北海道標津町を訪れ、現地フィールドワークを行いました。今年度の標津町プロジェクトの目的は『グルメ情報誌』と『サイクリングマップ』の作成です。サイクリングマップの調査では、最初に私たちが事前に考えたサイクリングルートを標津町の方々に提案しました。その際にいただいたたくさんのご意見をもとに、もう一度メンバーでルートを練り直し、ポー川方面を通るコースと防災道路から茶志骨方面を通るルートの2つにまとめ、それぞれグループに分かれて実際にサイクリングルートを試走しました。
 私は防災道路から茶志骨方面を通るルートのグループでサイクリングを行いましたが、自転車で走ってみると新たに発見することの連続で、自分自身もとても楽しみながら調査を行うことができました。私が標津町を訪れるのは今年で2年目になりますが、これまで移動手段は自動車ばかりでしたので、立ち止まって風景をゆっくり眺めたり、写真を撮ったりするなど、調査を進めていく中で、サイクリングの醍醐味を大いに感じました。途中にはアップダウンの激しい道もありましたが、坂を登り切った時に振り返ると、北海道ならではのまっすぐな道やその両側に大自然溢れる広大な牧草地が見え、とてもきれいな風景が広がっていたことが印象に残っています。また、自転車で走っている途中、とても近くでウシやウマ、そしてタンチョウヅルも見ることができ、身近に動物を見ることができるという点も、標津町でサイクリングを楽しむ意味であると感じました。そして、目で見る楽しみだけでなく、牧場のにおいや草木の音、海沿いの風や波音など、サイクリングを行うことで、標津町という町を体全体で感じることができたように思います。
 今回の調査を通して、いつも私たちを温かく迎えてくださる標津町の方々のおかげで、私たち自身とても有意義な時間を過ごさせていただいています。そのため標津町がさらに大好きになり、もっと標津町の良さをたくさんの人に知ってもらいたいという気持ちが大きくなりました。私たちが1人の観光客の目線で感じたことや今回の調査を通してわかったこと、地元の方々の目線から見た標津町の素敵だと思えるスポットなど、すべてを含めてもう一度メンバーで話し合いを繰り返し、標津町の街全体を満喫してもらえるようなサイクリングマップの作成に向けて、精一杯取り組んでいきたいと思います。