大盛況の新今宮TIC!! (レポーター:松村嘉久・丸市将平)

何かと忙しかった7月の土日

 7月の新今宮TICは11日(土)・12日(日)・18日(土)・19日(日)・25日(土)・26日(日)と,実質6日間運営しました。12日と19日はLet’s walk around OSAKA!!の街歩きと,25日・26日は阪南大学のオープンキャンパスと重なったため,何かと戦力が分散してバタバタしました。新今宮TICに松村が不在で,西口OIG会長・ホテル中央グループ山田社長・OBの濱中さんにご協力いただいての運営が多い日々でしたが,ゼミ生たちの頑張りと踏ん張りで新今宮TICはしっかりと運営できました。
 新今宮TICでは利用者について,国籍・性別・年代・来訪時間・問い合わせ内容・対応実績などの記録を,可能な限りで残すようにしています。なかには不充分な記録もありますが,将来に向けた戦略を練るためにも,とにかく,しっかりと記録するよう指導しています。ここではその記録ノートから,7月中の6日間の利用状況について報告します。8月に入ってから応対者たちの記憶を精査して,記録内容を修正するので,現時点での速報です。

新今宮TICの7月の利用概況

 6日間の運営で利用件数は91件,利用者数は163名となり,男女比は男性95名・女性68名となりました(表1参照)。1日当たりの平均ならば,おおよそ15件27名くらい。忙しすぎず,暇すぎず,とてもいいペースです。時間帯による利用件数は,12時までが43件,12時から13時までが10件,13時以降が38件となりました。新今宮界隈のゲストハウスはチェックアウト時間を10時に定めているところが多いこともあり,やや午前中が忙しいという傾向があります。街歩きやオープンキャンパスと運営日が重なったので,ボランティアスタッフの確保が大変でしたが,何とか6名以上は揃えられました。
 夏休み期間中の新今宮界隈のゲストハウスは欧米系のFITが特に増えます。新今宮TICの利用者からもその傾向は顕著に伺え,91件の利用件数中,過半数を超える54件が欧米系の利用でした(表2参照)。欧米系とアジア系の旅行者という枠組みで考えるならば,新今宮界隈の夏休み期間中は,日本全体の観光構造とは大きく異なり,圧倒的に欧米系が多い。

多様なニーズ

 利用者からの問い合わせ内容について,我々は大きく7つのカテゴリーで捉えています(表3参照)。DESは広域の行先案内,「奈良・京都・姫路にはどう行けばいいのですか」といったニーズです。DESNは大阪市内あるいは近場の行先案内,多かったのは「天神祭りを見たいがどこに行けばいいのか」,もっと近場ならば「通天閣はどこですか」や「○△ホテルはどこですか」の類です。CNSは広い意味での旅の相談で,「Let's walk around OSAKAに参加したいがどのような内容か」などです。TNSは旅行滞在や旅行生活で必要とされるニーズのことで,「朝ごはんの美味しいところはどこ」や「外貨両替をしたいがどの銀行でできる」といったニーズです。RECはほぼノープランで,「これから大阪を観光しようと思うが,どこがおすすめですか」といたニーズです。HELLOは観光情報だけを求め,単純に「大阪市内の地図をください」といったケースです。TICはチケットの購入方法やホテルの予約などの問い合わせです。
 新今宮TICを常設運営するに際して,たこ焼き屋風カウンターにしたため,我々スタッフに声をかけやすくなったようです。その結果,日本人利用者も増え,近場の行先案内DESNやHELLOが増えたとの印象があります。特に天神祭りの時の運営で,どこに行けば天神祭りが見られるのかという質問が多かった。
 詳細な分析は機会を改めて,学術ベースで行いたいと思います。確実に言えるのは,FITがこれほどの規模で集う地域は日本でも稀有であり,このような記録は存在しないと思われるので,我々の日々の運営記録が,日本の「観光立国」に向けた戦略策定の貴重な基礎資料になるということです。

表1 新今宮TICの7月の利用概況

運営日 利用件数 利用者数 男性 女性 ボランティアスタッフ数
7月11日(土) 14 19 11 8 13
7月12日(日) 19 42 25 17 9(午前中のみ応援も含む)
7月18日(土) 18 35 23 12 10
7月19日(日) 11 21 13 8 6(午前中のみ応援も含む)
7月25日(土) 17 25 10 15 6
7月26日(日) 12 21 13 8 6
合計 91 163 95 68 50

表2 国籍別の利用件数

利用件数 ヨーロッパ 北米 南太平洋 アジア 日本 その他(不明を含む)
91 25 20 9 15 11 11

表3 問い合わせ内容別の利用件数

利用件数 DES DESN CNS TSN REC HELLO TIC
91 9 32 5 6 16 8 15

地域との連携が深まった濃い一日(レポート:松村嘉久)

今池本通商店街との連携に向けて

 7月29日(水)は松村にとって久々のとても濃い一日でした。朝から大学の研究室でたっぷりと働いて,夕方の17時過ぎに西成区の今池本通商店街の「焼肉友園(ともえん)」に向かいました。ここで西口宗宏OIG会長と合流して,焼肉友園の若大将・金沢さんと打ち合わせ。新今宮界隈の地域マップを作成してネット上で公開する方法と段取りのプレゼンテーションを行いました。金沢さんには今池本通商店街との間をとりもっていただくことになりました。8月に入ったら,新今宮TICから学生たちが今池本通商店街へ通い,商店主たちにインタービューして,お店を紹介するコンテンツ作りにとりかかります。
 美味しい焼肉を食べながらの打ち合わせも,ふと気づけば19時前になっていました。ここは西口OIG会長におごっていただきました。

松村君,もう一軒行こうか!!

 友園を出ても,まだ外は明るい。「松村君,もう一軒飲みに行こうか!!」と西口会長からのお誘い。「望むところです。」と私。西口会長は明日から東京出張でこの日は簡宿泊,実は松村も仕事が立て込んでいて,29日はホテル中央オアシスに宿泊予定…。長い夜の始まりです。
 二人が向かったのは環状線を越えた浪速区の通天閣のふもと。いつもの「隠れ家」です。しかし,隠れ家のシャッターはあいていますが,ドアに鍵がかかっている…。マスターの携帯に電話を入れると,大音響が聞こえてきました。そう,今日は7月の最終水曜日,通天閣地下劇場にて大西ユカリさんのコンサートがある日でした。すっかりと忘れていました。

大西ユカリちゃんのコンサートを楽しむ

 わざわざ地上まで出迎えに来てくれたマスターの案内で,通天閣地下劇場へ。決して狭くはない地下劇場は,大音響が鳴り響くなか満席状態。マスターの顔で前売り料金のひとり3千円で西口会長と二人で,コンサートをたっぷりと楽しみました。松村は6月最終水曜日のコンサートも見たので,二ヶ月連続。この日の大西ユカリさんは,現在のバンドメンバーでの最後のライブだったこともあり,気合い充実で時折涙ぐみながらの熱唱でした。相変わらずのド迫力でヒットナンバーを歌い,絶妙のMCで観客を楽しませていました。
 コンサートのなかば,会場の後ろをふと振り返ると,俳優の赤井英和さんが立ち見をされていました。赤井さんは西成区出身で串カツ「だるま」の再興を成功させ,新世界ブームに火をつけた最大の功労者。西口会長は赤井さんと幼稚園の同級生?! コンサート終わりに挨拶をかわされていました。この夏の釜ヶ崎の夏祭り,三角公園のイベントで,我らの仲間のSHINGO☆西成さんと一緒に,赤井さんもゲスト出演されるそうです。浪速区側だけではなく西成区側でも地元貢献,地元LOVEで頑張ってください。楽しみにしています。

隠れ家で飲んでいると…

 コンサートが終わり,地下劇場から歩いてすぐの隠れ家へ西口会長と移動。今後の地域マップ作りの話をしていると,華やかで美しい女性たちが入って来られました。どこかで見たことのある人やな…,と思っていると,マスターが「吉本で,ものまねしてはる人」とヒントをくれました。
 改めて見ると,すぐ思い出しました。メグマリコさんでした。その横のもうひと方はこっこさん。何度かテレビで拝見したことがありました。とても気の良い方々で名刺交換をさせてもらいました。この両名にシルクさんや桂あやめさんが加わって,この9月13日から15日にかけて,京橋花月で『女忍のブルース』という舞台をされるそうです。この隠れ家で桂あやめさんとお目にかかったことがありますが,あやめさんも華やかで艶やかな方。やはり舞台で人前に立たれる人はオーラがあります。
 舞台のチラシをお持ちだったので,お願いしてお二人からサインをいただきました。京橋は街歩きに適した面白いところですが,7代目のゼミ生たちは,まだフィールドワークに行ったことがないはず…。これも何かの縁です。街歩きしがてら京橋花月で『女忍のブルース』を見に行く企画を是非ゼミで立ち上げましょう。
 大阪観光,大都会に住む魅力のひとつは,様々な芸能や舞台やショーを気軽に観れることにあります。私もダンスウエストの西尾智子先生と出会ってから,ライブで「ほんまもん」を観る楽しみを教えていただきました。今年に入って,月に1万円は「ほんまもん」のライブ鑑賞にお金を使い,自分の目を養おうと決意しました。月に1万円の重みは人それぞれ違うでしょうが,動楽亭の昼席ならば実に5回も楽しめます。舞台でその道のプロが必至になってパフォーマンスする,それを観ることで皆さんの人生は確実に豊かになる,と私は確信しています。日々の仕事の忙しさから解放される息抜きというより,むしろ明日への活力をもらいに,「ほんまもん」のライブを見に行きましょう。