2009.4.26

私鉄利用の姫路城チームのフィールドワーク報告(レポーター:丸市将平)

フィールドワークについて

メンバー

丸市将平(3回生),南叡子(2回生),野宮実沙子(1回生),桝谷里穂(1回生),中上智夫(阪南大学職員同行取材)

利用チケット

 姫路城へ行くにあたり,旅行者は入場の割引特典などの付いた『スルット関西』の2dayや3dayパスで行くことが考えられるが,今回のフィールドワークに関しては日帰りであることから,これらのチケットを使わずに目的地まで行きました。なお,現地にも姫路観光パスポートという主な姫路の観光資源の入場が可能なチケット(姫路城周遊コース:800円/姫路城・書写山周遊コース1,500円で共に購入から七日間有効)も存在するがこちらも今回は利用しなかった。
 今回の費用は,姫路までの移動運賃が往復で2,960円,姫路城・好古園の共通入場券が720円の合計3,680円(一人あたり)であった。

コース紹介

ホテルオアシス出発(徒歩・5分)→御堂筋線動物園前駅(普通・14分・230円)→阪急梅田駅(特急・35分・1,250円)→新開地駅(直通特急・60分)→山陽姫路駅(徒歩・10分)→観光案内所・NAVI PORT(徒歩・20分)→姫路城(徒歩・5分)→好古園(徒歩・20分)→山陽姫路駅(直通特急梅田行・94分・1,250円)→阪神梅田駅(徒歩・5分)→御堂筋線梅田駅(普通・13分・230円)→御堂筋線動物園前駅(徒歩・5分)→ホテルオアシス到着

多言語表示について

 地下鉄の券売機は英語対応しているが分かりづらいと感じました。車内アナウンスで次の停車駅の英語案内はあるが,駅直前のアナウンスは日本語のみでした。路線図は色分けしてあり英語表記もあるので分かりやすい上,至る所にあるので便利だと思います。改札外も案内表示が多く英語表記は必ずあるが,小さく見づらい。梅田の地下の案内には小さく中国語・ハングルの表記もある。
 阪急電車の券売機は英語対応していませんでした。路線図も三宮までは英語表記ありましたが,それ以降の路線の英語表記はなく,また駅員も少なく,英語対応はしていない様子でした。車内アナウンスは日本語のみでした。車内や駅構内の路線図は英語があるものも,すべてに対応されている状況ではありません。山陽姫路駅の券売機・路線図には日本語のみでした。案内看板には英語表記がありましたが,改札外や駅構内など限られた場所にしかなく目につくような外国語表記は数が少なかった。ホームの行き先表示の電光掲示板にも英語表記はありませんでしたが,直通特急車内の路線図には英語表記がありました。
 姫路城・好古園での姫路城の券売機は英語・中国語・ハングルに対応していました。案内パンフも日本語・英語・韓国語・中国語があり。展示品の一部には英語の説明もありました。しかし,すべての展示品などに説明が付いているわけではなく,世界遺産に登録されているということから,外国人観光者への対応が進んでいるものと思われますが,総じて不十分であると感じた。姫路市内の案内表記はほとんどが英語・韓国語・中国語(繁体字・簡体字)に対応しており,とても親切ではあるが数が少なかった。

観光案内所について

姫路市観光案内所 NAVI PORT(JR姫路駅構内の観光案内所)
立地状況:JR改札からすぐ
運営時間:9:00〜19:00
常駐スタッフ:4人体制(ボランティアスタッフ3名程度)
運営スタッフ:9名
対応言語:日本語・英語・中国語
サービス内容:資料の配布,レンタルサイクル,インターネットサービス,観光地の紹介
運営母体:(社団法人)姫路観光コンベンションビューロ
備考:今年の4月にオープンしたばかりで,綺麗で設備もよく利用価値は高い。規模・設備面では全国的に珍しく,各自治体から注目されている。ただ案内所というよりは,資料館のような印象を受けた。利用者はほとんどがJR利用者で特にJRパスを持った新幹線利用者が多い模様。カウンターが見えないなど利用者から分かりづらいとの声もあり。また山陽姫路からのアクセスが不便など改善点は多々ある。

まとめ

 気付かない所に英語があふれているが,必要最低限の表記にはまだ至っていないと思いました。また,韓国語・中国語の表記があまりにも少ないという実情を身を持って体験できました。増えすぎても普段生活している自分たちが違和感を感じるかもしれないが,旅行者に不便にならない最低限のラインというものをきっちり見極めていく必要があると思いました。
 また,姫路市は行く前から姫路城だけというイメージがあったが,実際行ってみても,それが払しょくできませんでした。一度行けばそれで満足だと感じるし,大阪から長時間かけて行く場所にしては,少し弱いと思いました。そういう意味ではまだ姫路市のPRや観光施策が不足しているのではないかと思いました。
 そして今回のJR利用と私鉄(スルット関西利用を想定)に分かれてフィールドワークを行った結果より,姫路へ行くにはJRが断然便利という事が分かりました。
 同行した1年生の感想としては,「こういう外国人目線で旅行するという機会がなかったから,色々考えさせられたし疲れた」や「事前に何も知らされていなかったので,楽しむというものではなく,いつもと違う感じの遠出で良かった」などがあり,連れ歩かされる立場であっても自分の仕事をしっかり探したり,意見を述べたり,しっかりと役目を果たそうとしていた。普段とは違うフィールドワークというものに触れ,よい経験になったと思います。自分自身もリーダーとして連れ歩く難しさを実感しました。

参加メンバーの感想・意見

南叡子(2回生)

 私は私鉄利用の姫路城行きチームに参加しました。大阪から姫路城へ私鉄利用で行くのはキツイと思いました。移動時間が長いのが何よりも大変です。日本のお城が見たいというレベルならば,新今宮からなら大阪城や岸和田城でもいいのではと思いました。
 でも,姫路城に行く途中で,須磨の海が見えたのはよかった。その時電車に外国人がいたのですが,海をバックにして写真を撮ったりしていました。
 地下鉄は英語アナウンスがあったが,阪急の券売機は全て日本語だし英語のアナウンスもないのでびっくりというよりも,がっかりしました。いつもなら外国語表記を気にして移動したりしたことがなかったですが,今回は外国人の気分でいつもとは違う見方ができて色々と発見できました。
 姫路城では日本人として観光を楽しんでいましたが,姫路城がなぜ世界遺産になったのか,姫路城の歴史などわからなかったので,普通の観光コースを歩いてそれらを学べるような工夫が姫路城にあればいいなと思いました。

野宮実沙子(1回生)

 自分が想像していたフィールドワークは大人数での遠足のようなものでした。実際にフィールドワークに参加させていただき,自分の考えが間違っていたと気付きました。私は丸市さんのチームに入って姫路城へ行ったのですが,丸市さんや先輩たちと自分のみる視点が全然違うと感じました。先輩方にいわれて気づくことも多く,真剣に観光させていただきました。普段,さらっと見過ごしていた駅のホームをあんなにじっくり見てみると,新たな発見がたくさんあり,すごく楽しませていただきました。丸市さんと南さんがすごく大人で,お二人の先輩の行動を見ていると,自分も来年にはこんな風になれるのかなと思いました。今回のフィールドワークのような経験を重ねて行きたいと強く感じました。