今回の観光案内所の運営には、延べ186名の学生ボランティアが参加しました。少ない日でも3名、多い日は10名近いスタッフが観光案内所に詰めました。
 利用者の方は延べ351名で、その国籍は30数ヶ国に及びました。リピーター利用者が多く、近場なら付添いで案内したこともあり、利用者と仲良くなることも多かった。毎日のように来た常連さん、お世話になったからとお土産を置いて帰った人もいた。
 参加してくれた学生ボランティアたちは、学年も関わり方も様々であった。観光案内所の試験的運営を終えて、彼や彼女らがどのような思いを抱いたのか。その一部を覗いてみましょう。

参加したボランティアスタッフからの感想

今日までそして明日から

 今回の観光案内所の運営には,延べ186名の学生ボランティアが参加しました。少ない日で3名,多い日は10名近いスタッフが観光案内所に詰めました。準備と後片付けを含めると,延べ200名を軽く超えます。市会議員の柳本顕事務所でインターンシップをしていた関西大学・立命館大学・近畿大学などの学生たちも応援に来てくれました。簡宿組合理事でホテル中央グループの山田英範社長・OIG委員会の西口宗宏会長ほか,多数の地域の方々にも観光案内所の運営を支えていただきました。
 外国人の利用者が延べ197件351名だったので,「何と効率の悪い運営か?!」という人もいるかもしれません。しかしながら,地域の方々の協力と支援を得ながら,とにかく多くの学生ボランティアが関わることによって,次への展開が開けると信じて,とにかく多くの学生を巻き込んだ1ヶ月間でした。
 何かひとつの仕事を協力して成し遂げると,不思議と「戦友」のような連帯感が生まれます。そして仕事が終わると,これまた不思議なことに,達成感とともに,ポッカリと心に穴が開いたような虚脱感が生まれます。それが明日への原動力となります。
 ボランティア参加した1・2回生たちの感想を並べましたので,ご覧ください。私からの連絡が来なくて,感想を送りたくても送れなかった学生たち,また別の機会を設けます。(松村嘉久)

齋藤有沙(国際観光学科2回生 広報担当)

 ひと言で言うといい経験ができたと思います!! 実際に外国人と接することで自分に欠けている部分やコミュニケーションの大切さ,大阪の観光を全然知らなかったなど,様々なことが分かりました。いい刺激になりました。利用者はみんな陽気で気さくな方ばかりで話していると自然と笑顔になれました。あまり参加できなかったことはすごく残念だったけど毎回楽しかった。
(松村コメント:松原祭の運営と感覚的には似てるやろう?! 自分のスケジュールをしっかりと管理してゼミも松原祭もがんばってな。)

高橋はる香(国際観光学科2回生 渉外担当)

 参加する前は語学力が通用するかどうか心配だった。いざ運営に関わって感じたことは,語学力よりも大阪案内の知識が欠けていたことだった。パソコンや資料を使っての情報提供にアタフタしたことも多かったが,外国人旅行者との会話は楽しく,お客さんが来るのを心待ちにしていた。案内所を片付けている日,外国人3人が関空までの行き方を尋ねてきた。3月,4月ここに来る旅行者は大丈夫かな…と少し心配であった。
(松村コメント:はる香はNHKの放送でだいぶんと映ったなあ。アフリカでの経験を大事にして,カナダ留学でもしっかりと実力をつけ,自分の将来を切り開いてください。サポートはします。)

若松大智(国際観光学科1回生 韓国・慶州フィールドワーク参加者)

 私は,今回この観光案内所にボランティアとして参加し,大変貴重な体験をすることが出来ました。1ヶ月という短い時間でしたが,たくさんの外国人旅行者と交流することが出来てよかった。しかし,私は英語が苦手で,先輩達に頼りっぱなしでした。ですので,もっと英語を勉強して,堂々と外国人と会話出来るようになりたいです。また,私たちが観光案内所を運営出来たことも,新今宮の地元の皆さんの協力無しには出来なかったと思うので,本当に感謝しています。今回のこの経験を活かし,次に繋げていきたいと思います。
(松村コメント:とりあえず,松村ゼミのシード権をやるわ。使うか使わないかは君次第です。)

石橋涼子(国際観光学科2回生 副ゼミ長)

 準備段階から参加して,本当にたくさんのことを学びました。語学はもちろん,お客様へのおもてなしの心やマナー,情報収集のノウハウ,運営していく難しさなど,この活動を通して大切なことを学びました。ここで培ったことをこれからの学生生活に活かしていきたい。
(松村コメント:涼子の外向性というかパフォーマンスは最高や。あとはここイチの自分のコントロール,天然を直さなあかんが,天然は天然やから天然やもんなあ。その天然を活かす方法を考えようか。)

佐藤有(国際観光学科2回生 第7代目ゼミ長)

 約1ヶ月の観光案内所の運営を終えて,今一番思うことは自分の未熟さ・甘さです。英語が話せなくて利用者に満足できる案内が出来なかったこともですが,何よりも人と一緒に「動く」ことの大変さを感じました。自分がしたいように出来ないし,自分が思うようにもならない。
 でも悩む私の話を聞いてくれる仲間もいます。適材適所でカバーし合う,だから無事にクローズの日を迎えることが出来たと思います。私にとって,4月からの2年間のいい練習になりました。
(松村コメント:私がフィールドワークを仕切り出したのは20代後半から。20歳になりたての有が仕切っていることがすごい。取材その他での対応もバッチリ。私の出番も残しといてや。肩の力を抜いてボチボチと,それが大阪のエエとこです。)

山岸枝里子(国際観光学科2回生 企画担当)

 私が観光案内所に参加したのは2回。初回に来たオーストラリア人の英語は,早すぎて何を言っているのか全く聞き取れなかった。「ネイティブの英語って,こんなに早いの?」と思いながら,丸市や愛子が英語で説明しているのを聞いているだけだった。その後,もう一人のオーストラリア人が来て,松村先生と私と一緒に,3名でお好み焼きを食べに行くことになった。内心焦りつつ,中学生レベルの英語で必死に会話したが,英語の勉強不足を反省させられた。バックパッカーが多い新今宮に観光案内所はやはり必要だと思った。運営する側も利用する側もたくさん得るものがある。たった2回しか参加していないけど,私自身の課題が見つかったので,次の機会までに自分自身をレベルアップさせようと思う。(松村コメント:山岸には言葉の壁を乗り越えるだけの素材がある。まずはそれを活かしましょう。それに加えて言葉を磨いたら,完璧すぎる…。)

丸市将平(国際観光学科2回生 副ゼミ長)

 観光案内所に最初から最後まで携わらせてもらい,旅行気分で楽しみながら案内できる事がほんとに楽しかった。普段は見ず知らずの人,ましてや外国人になんて絶対に話しかけない自分が,観光案内所のスタッフでいる時はフレンドリーな人間になっている事が何より刺激になりました。しっかり案内できていたかは分かりませんが,何より自分が楽しんで案内していたので,たくさんの「Thank you!!」を頂けたんだと思います。
(松村コメント:「丸市君はいい奴や。(観光案内所の)最大の功労者は丸市君じゃないかな。」とレストラン・タカラのマスターが言っていました。私もそう思います。)

安達七菜(国際観光学科2回生 記録担当)

 この観光案内所の企画には色々な人が関わって協力してくれ,期待しているということがヒシヒシと伝わった。理事長までわざわざ来てくださって本当に驚いた。学校内で勉強するだけではなく,本当に勉強するには現場に行って自分で感じ,体感することが重要だと感じた。そしてもっと自分はしっかりするべきだとつくづく痛感した。人にばっかり頼って自分は何にもできず足を引っ張ってばっかりで…。5月には足を引っ張らないように勉強し,やっていきたいと思う。
(松村コメント:理事長レポート,好評やで。桂ちょうば君が4月12日に新世界の「ざこばビル」で独演会します。前売り1,500円でたっぷり楽しめるそうです。七菜も行くか?)

松原歩美(国際観光学科2回生 連絡担当)

 参加する前は,英語が話せない私でも外国人旅行者の手助けができるのだろうか,と不安だらけでした。しかし,いざ参加してみると,英語は話せないけど聞き取ることができたことや,案内所を利用してくれた方が笑顔でThank youと言ってくれたことなどが嬉しくて,もっとたくさんの人に利用してほしいと思うようになりました。また,私自身も英語や関西の観光地について,もっと勉強しようと思うきっかけにもなりました。
(松村コメント:近々,釜ヶ崎のまち再生フォーラムに参加した歩美のフィールドワークのレポートをアップします。内容が濃すぎて編集が大変ですわ。あのまち歩きを経験したのは,松村ゼミでも歩美くらい…,ええ経験したんちゃうか。それもアフター付きやったから…。)

前田紗希(国際観光学科2回生 会計担当)

 私は観光案内所を1ヶ月あるなかで3回体験させていただきました。相手が外国人なのでとても緊張しました。まず大阪のことを何も知らないことに改めて気付かされました。これを機会に大阪のありとあらゆるジャンルについて,自分なりに色々と研究しました。外国人を案内するなかで,逆に私の方が外国人から学んだような気がしました。機会があればまた運営に参加したいです。この1ヶ月間,色々な方々の支えがありました。本当にありがとうございました。
(松村コメント:大阪検定,本気で受験するか。コミュニケーションの極意は自信,自分を信じることです。自信を持つには何らかの裏付けが要ります。第一に努力の積み重ね,これは嘘をつきません。次は実績,それを形として残しましょう。それが自信につながります。)

河嶌友紀(国際観光学科2回生 企画担当)

 1ヶ月なんてあっという間に過ぎてしまった! 準備の買い出しで市内を車で走ったこと。下手くそな英語で案内したのに「ありがとう」と言ってもらえたこと。嬉しかった。NHKの取材を受け,テレビに映ったこと。この1ヶ月で初めての経験をたくさんさせてもらいました。大人の人と話す機会も多く刺激になりました。そして松村先生や西口さんや仲間から美味しいレストランもたくさん教えてもらった。早かった1ヶ月だけど本当に楽しかったし元気もらってました。ありがとうございました!
(松村コメント:NHKの放送では,どアップになってたなあ。7代目のゼミ生は魅了も実力もある奴が多いし,世間的にも学問的にも面白い企画が多いから,もう一回くらいは取材を受けるチャンスがありそう…。次もどアップを狙え。)

田谷成美(国際観光学科1回生)

 私は観光案内所のボランティアに2日間参加しました。初めて参加した日はNHKの取材の日でした。私たち1回生は,松村先生に観光案内所の周辺を案内していただきました。知らなかったことばかりで,すごく勉強になりました。2回目に行った日は,簡易宿所の部屋や中之島のリーガロイヤルホテルの見学など,充実した1日となりました。今回の経験を通して,英語を話せるようになりたいと今まで以上に思うようになりました。
(松村コメント:大学の先生には変な奴がいるということを実感したことでしょう。あとは君の感受性次第。あうかあわないかです。私にあわなくても,全く問題なし。国際観光学科には色々と面白い教員がいて,選び放題です。)

山本絵理(国際観光学科1回生)

 1ヶ月間で2日しか参加してないし,外国人が訪ねて来ても2回生に任せっきりで,全然お手伝い出来なかった。でも,2日間で色々なことを経験させて頂きました。1日目はNHKが取材に来ていて,撮影しているのを見たり,松村先生に新世界や釜ヶ崎や飛田を案内してもらいました。案内所を運営するにあたって,その土地を知ることも大事なんだと思いました。もう1日は,午後から結構利用者が来ました。そして松村先生と簡易宿所の部屋の見学に行きましたが,思ってたよりきれいで驚きました。
(松村コメント:田谷と山本は全く授業でも接したことが無いはず。確か,大谷先生の国際観光論で告知した時に,参加表明してくれましたね。ここで手を挙げるか挙げないかが,ある意味で人生の分かれ目。その積み重ねで将来が決まっていきます。)

藤井宏美(国際観光学科2回生 連絡担当)

 観光案内所のボランティアに参加して思ったことは語学の必要性です。私の1番の思い出はアルゼンチン人の方を案内して,お好み焼きを食べに行ったことです。楽しかったが途中で英語がわからず,一緒に行った茶谷さんに頼りっぱなしだった。この経験からこれからは,いま力を入れている中国語,そして英語をもっと勉強しようと思いました。いろんな国の人とコミュニケーションがとれて楽しかった。ありがとうございました。
(松村コメント:そうやで,中国語,頑張ってや。ゼミには王さんが三人もいてることやし,練習相手には困らんはずや。教えてもらい。)

永野健太(国際観光学科2回生 広報担当)

 観光案内所というものを自分自身利用したことがなく,どんなものかという想像がつかないままのボランティア参加でした。この観光案内所は学生が運営するということで,フレンドリーな雰囲気の現場になっていました。旅行者の人もフレンドリーに接してきてくれ,緊張せずに案内でき,学校で習う英語ではなく,本場の英語を肌で感じることもできました。文化交流を含めた貴重な体験をたくさんできました。また機会があれば参加したい。
(松村コメント:数少ない男性ゼミ生やから,頑張ってな。また誘たるからな。)

仲田美穂(国際観光学科1回生 韓国・慶州フィールドワーク参加者)

 今回ボランティアに参加させていただいて,コミュニケーションの大切さを学びました。外国人旅行者と話す時は言語だけでなく,ジェスチャーや伝えようとする意志も必要だと思いました。また,協力してくださったホテルの方々や仲間たちとのコミュニケーションがうまく取れなければ,観光案内所は成り立たなかったと思いました。また参加したいので,再開する時には声をかけてください。1ヶ月間お疲れさまでした。
(松村コメント:美穂と山之内愛は色々なところによく気が付き目配りできるとの印象。今回の案内所運営でも強まりました。一方的にシード権をあげますが,2年生の間に色々な教員を見て,ゼミを決めてください。)

前田紗央里(国際観光学科1回生)

 観光案内所にボランティア参加させていただいて,今まで経験をしたことのない貴重な体験をさせていただきました。外国人を目的地まで案内所をするのはもちろんのこと,外国人が1日大阪を観光するためのプランを先輩方と一緒に作りました。将来観光業に携わりたい私には,とても勉強になる経験でした。私は,興味本位でこのボランティアに参加したのですが,参加して本当によかったと思いました。今の日本に観光案内所は少なく,外国人を受け入れる環境は悪いと思いました。外国人が集まるところには,観光案内所が絶対に必要だと感じました。メディアなどで,この取り組みが紹介されましたが,新今宮だけでなく日本各地でこのような取り組みが広がり,外国人を受け入れる体制が出来ればいいなと思いました。
(松村コメント:和歌山市内からの観光案内所通い。交通費もかかり大変やったやろうけど,感想を読んで安心しました。松村ゼミの諸先輩たちからの紗央里の評判は良かったで。松村ゼミは教員からのシード権よりも,先輩たちの評価の方が重要です。)

茶谷みなみ(国際観光学科2回生 記録担当

 観光案内所に参加した初日は初めてのことだらけで,ずっとあたふたしていたような気がします。しかし,だんだんと参加する回数を重ねて行くうちに,身振り手振りで必死になっていました。今までは日本で外国人と交流できる機会があまりなかったのですが,この観光案内所のボランティアに参加して,たくさんの国の人と出会うことができたのでとても嬉しかった。そして私も彼らから逆に刺激を受け,いろんな国へ行きたくなりました。案内所で出会った人たちとの思い出はほんの一瞬でしたが,ものすごく記憶に残っています。これからも新たな一瞬一瞬の出会いを大切にしていこうと思いました。1回生の時,観光の授業で「観光は平和へのパスポート」という言葉を聞きました。観光案内所に参加してみてその言葉通り,観光が出来るのは本当に平和で恵まれている証拠なんだなと実感しました。 また観光案内所のお手伝いが出来る日が来るならば,ぜひ参加したい。
(松村コメント:高校時代に1年間,英語圏に留学したとのことで,コアーメンバーとして頑張ってくれたなあ。やはり留学経験は大きい。あれだけしゃべれたら大したもんや。基礎がしっかりしているから,TOIEC700点くらいを目標に頑張れ。みなみやったら,絶対いけるわ。)

久保田早也佳(国際観光学科2回生 記録担当)

 観光案内所のボランティアに参加して,率直な感想としては,自分の英語力のなさとコミュニケーション力の低さに改めて気づきました。観光案内所にはとても大事だということもわかりました。私が初めて参加したとき韓国人の親子が来ました。その親子はもう何度か案内所に来てくれていたようで,その日が帰る日だったみたいで写真を撮ってもらいました。その親子の旅のなかに観光案内所の思い出が残ってくれてたらいいなと思いました。
(松村コメント:我々の観光案内所はリピーター利用者が多かったのが大きな特徴や。絶対,思い出に残っていると思います。あの後,あの親子の親戚が来日来所して,土産の韓国海苔をいただきました。)

前島佑香(国際観光学科1回生)

 新今宮を多くのバックパッカーが利用していることは,聞いたことがあった。だが,あまりイメージが沸かなかった。実際に新今宮を歩いてみると,外国人観光客とすれ違うことがよくあり,国際化を実感した。また,元ホームレスである紙芝居劇集団の「むすび」のことを初めて知った。ロンドン公演を行なったと聞いて,夢と希望を感じた。行政がもっと支援すべきだと思った。私個人としては,あまり直接外国人の利用者と話せなかったのが残念だった。オーストラリア留学から帰ってきたらまた参加したいと思う。
(松村コメント:オーストラリア留学でたっぷりと学び無事に帰国してください。帰国したら,ぜひ観光案内所の運営に関わり,オーストラリアに恩返ししましょう。)