新今宮TIC開設3周年記念パーティ

3周年記念パーティ

 後期試験が終わり春休みとなり,新今宮TICは2月4日(土)から3月末日まで,50日間を超える毎日運営に入りました。新今宮TICは2009年1月26日に試験的運営を始めたので,2012年は開設3周年記念にあたります。

 毎日運営に向けての士気を高めるのもかねて,2012年2月11日(土)に,新今宮TIC開設3周年記念パーティを,西成区太子の焼肉友園で行いました。開設時に活躍してくれたOBやOGたちも,数多く駆けつけてくれ,松村ゼミらしく和気あいあいと親睦を深めました。

 思い起こせば,新今宮TICは,今春卒業する8代目松村ゼミ生たちが1年生の頃,開設されました。多彩な人材が揃った7代目が立ち上げた新今宮TICを支え,成長させてきたの8代目でした。8代目はわずか7名でしたが,いずれも精鋭ばかり。英語対応できる者が4名,中国語対応できる者が4名,7名全員がリーダーとして後輩たちを指導できる人材に育ってくれました。7名全員が無事卒業でき,それぞれの道を歩み出します。進む道は変わっても,同じ志を持って活動した経験はずっと共有されるので,今後とも戦友として,後輩たちの活動を暖かく見守り応援してあげてください。

韓国ソウルへの卒業旅行

旅行の風景

 2月23日から26日までの3泊4日で,韓国ソウルへ卒業旅行へ行ってきました。参加したのは,卒業する8代目4名と台湾からの交換留学生2名の計6名,全て女子学生でした。学生たちと松村はソウルで現地集合,3日間のソウル滞在を楽しみました。ソウルでは美味しいものを食べて,世界遺産を見て,買い物を楽しみました。松村は卒業旅行の合間をぬって,学生らとは別行動で,ソウル駅周辺のホームレス事情の視察にも出かけました。

 ソウル2日目の2月24日午後,明洞で,慶熙大学からの交換留学生で松村ゼミに入り,すでに帰国していた李睿恩(愛称:イェウン)と合流。台湾国立高雄餐旅大学からの交換留学生の范妍希(愛称:シーちゃん,松村ゼミ所属)と張珈綺(愛称:マルちゃん,来村ゼミ所属)の交換留学生仲間が,ここソウルで再会しました。

 卒業生の参加者は,橋本果奈,前島佑香,キントゥザー・マウン,勝元暁美,いずれも気心が知れ旅慣れた猛者たち,ここに交換留学生が加わり,とても楽しい卒業旅行となりました。

形になりだした「食べ歩き 新世界マップ(仮称)」

食べ歩き地図を持つゼミ生

 大阪商工会議所との協働で取材編集を進めてきた「食べ歩き 新世界マップ(仮称)」の作成が,いよいよ最終段階へと入り,ようやく形になりだしました。

 掲載する店舗は合計33軒,新今宮TICのスタッフが運営の合間をぬって,各店舗を訪れてコンテンツ取材して,お店の方とやりとりして原稿を仕上げてきました。松村ゼミは日頃から「食育」と「飲育」にこだわっています。ちゃんとした人がちゃんと作ったモノをちゃんと食べ,礼儀をわきまえて楽しく飲む,それが指導方針です。ゼミの懇親会でも,食べ放題や飲み放題は,食べる側も提供する側もお互いが不幸になるから厳禁,安易なチェーン店の利用も極力避けています。

 2月半ば,松村は幼馴染の先輩と新世界界隈の名店を6軒,ハシゴしました。この先輩は料理人で中華料理が得意。松村が若い頃,お世話になった恩人です。その先輩と,とある西成の立ち飲みの居酒屋へ行き,名物の麻婆豆腐を注文したところ,一口食べて,「これ美味いやん」と言われました。ここでのお勘定は,二人で機嫌よくほろ酔いとなり1千円少し,驚きの安さと美味さでした。

 新世界界隈,浪速区から西成区にかけては,そんな老舗・名店が数多く,その一部を紹介するのが,今回の食べ歩きマップです。この2月から3月初旬にかけて,大商や印刷会社と何度もやりとりして,表が英語,裏が日本語のマップが形になりだしました。完成まであともう一歩です。

注目を浴びる「西成」で淡々と…

取材を受ける西成ジャズの仕掛け人・松田順司さん

 橋下市長が西成特区構想のなかで,西成区を「えこひいき」すると宣言されてから,特にあいりん地区の動向は注目を浴び始めました。西成特区構想のなかには,「海外からの旅行者(バックパッカー)向けの観光振興」も入っています。これは歴代の松村ゼミが,目標として,社会的実践を積み重ねてきたことであり,これが政策課題として議論されることは,嬉しいことであり歓迎しています。

 私たちは新今宮TICを拠点として,まさに国際観光の最前線で,あいりん地区に滞在して観光する訪日外国人旅行者たちと接してきました。彼・彼女らFITのニーズや行動パターンなどに関しては,おそらく私たちが一番よく理解している,と自負しています。大阪市や大阪府の行政担当者も,現場で今何が起こりどの方向へ進もうとしているのか,ようやく現場の状況を知ろうと動き出しました。

 私たちがこれまで通り,新今宮TICを淡々と運営することに変わりはありません。それに加えて,国際観光の現場を知る立場から,橋下市長の西成特区構想を追い風として,地域のためになるかどうかを見極めながら,行政とも協働できることはぜひ推し進めたいと思っています。

 地域をどう変えるのか,その戦略を描くには,地域の実態を知り,課題を把握することが何よりも重要です。行政がどこまで現場におりて,地域の実態や内実に踏み込み,その現実と真摯に向かい合えるのか,橋下市長の改革の成否はそこにある,と私は思います。理念や理想から現場や現実を無視すれば混乱が生じる,逆に,現場や現実を重んじて理念や理想を引込めれば,改革なんて進まない。このジレンマにどう対処するのか,とても難しい問題である。大事なのは,「現場」や「現実」をどう認識するのかに尽きるのではなかろうか。

写真:MBS『Voice』の取材風景,取材を受ける西成ジャズの仕掛け人・松田順司さん@成田屋

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