京都フラワーツーリズムが推進する「花なび」のコンテンツ 国際観光学科3回生 樋口侑華

会議は羽曳野市役所本庁4階の北会議室で14時から始まりました。私たちが到着したのは5分前で、ぎりぎり間に合いました。ナビ制作の発起人であるアスウェル株式会社専務取締役の黒川哲子さんと社員の坂本勝洋さん、ナビ支援グループとなるフィールドミュージアムトーク史遊会の細川克理事長と岡本良孝理事もちょうど到着され、ほぼ同時に会議室に入りました。室内には羽曳野市の窓口となる生活環境部産業振興課観光担当係長の細川佳洋さんと、この日の講師を務めて下さる総務省地域情報化アドバイザーの高木治夫さんが準備を整えて私たちの到着を待っておられました。会議の途中、細川さんは阪南大学の卒業生であると自己紹介されました。先輩です。会議の参加者は私たち10人を含めた16人で、全員が予定通りの時間に集まりました。会議は高木さんの説明から始まりました。簡潔に前置きをされたあと、さっそく具体的な内容に入られました。以下にはその概略を綴りましょう。

 高木さんがプロデューサーを務める京都フラワーツーリズムの「花なび」は、iPhoneのアプリやWebなどのICT(情報通信技術)、さらにはホテルの客室テレビなどで京都の花や街角情報を提供するサービスで、2009年に開始してから好評を博し、京都の観光振興に貢献しています。人の心をひきつける花の最新情報(写真と名前)を地図情報(Google Map上のバルーン)と合わせて提供するサービスですが、そのほかにも、イベント情報(一過性行事)・歳時記(年中行事)・わがまちのおすすめ情報・トイレ情報・観光施設情報(文化財も含む)・バリアフリー情報・緊急医療機関情報など、複数のコンテンツをそろえています。iPhoneのGPS(全地球測位システム)機能を生かし、利用者が花の美しく咲いている地点に迷うことなくたどりつけるよう工夫されています。まさしく花へ導くナビゲーションです。iPhoneは全世界共通の通信機器ですので、花の名前や開花状況などを英語でも記載し、外国人観光客も利用できるようにしています。
 花の情報は鮮度が大切で、開花時期が過ぎ去ってしまった花を紹介しても意味がありません。そのため、情報はすべてリアルタイムで更新され、常に最新の情報が提供されます。画面上では、花の写真がアップ順に10枚ずつ表示され、古くなった情報はデータベースの中に落とされてゆきます。イベント情報も花情報と同様に期間が過ぎてしまうと意味がありませんので、情報公開日と公開終了日を設定して期限を設けます。歳時記の情報はイベント情報に似ていますが、少し異なります。いわば祭りのような年中行事を紹介するコーナーで、前年度にも行われていますので、写真をつけることができます。これに対してイベント情報は一過性の行事ですので、基本的には写真がありません。トイレ情報に関しても、トイレがあるというだけの情報を提供するのではなく、車椅子用のトイレやベビーチェア付きのトイレを別のアイコンで示し、利用者により具体的な情報を提供します。私が一番関心を持ったものは、バリアフリー情報です。何メートル先に階段がある、などといった情報を地図上で利用者に事前提供します。そうすることで、この先は行くことができない、ということを予測させます。車いすの人たちには優しい情報ですし、今後の高齢化社会に向けて重視されてゆくコンテンツではないでしょうか。緊急医療機関情報もケアを目的としたコンテンツです。
 このような多種の情報において、私たちが真っ先に集めなければならないのが観光施設情報です。古市古墳群においては、天皇陵や古墳、遺跡や寺社、展示施設などの写真と所在地を入力しなければなりません。鮮度が求められる花やイベントなどの情報は、ナビが開始されるときに集めるべき情報ですが、文化財や施設はそう変化しませんので、あらかじめ集めておくことができます。ナビ立ち上げの日までに、できるだけたくさんの情報を入力するよう頑張ります。

 ナビで得た情報はソーシャル・ネットワーキング・サービスのfacebookでも活用することができ、より多くの人と情報を共有することが可能となります。高木さんは新しい試みとして、「宇治なび」の「まち歩きモバイルガイド」を紹介して下さいました。現地で吹き込まれたガイドの声をiPhoneで聞きながら歩くことができます。音声は、日本語はもちろんのこと、英語、中国語、韓国語を選択することができます。階段・急な坂道・交通量、最寄り駅への到着なども音声で知らせてくれます。目の不自由な人や外国人にはありがたいサービスです。「花なび」を発信源として増加し、進化しつつあるご当地なびシステムは、実にさまざまな情報をグローバルに発信することができますが、多くの正確な情報をリアルタイムで継続的に提供する必要があります。立ち上げと維持にかかる努力は相当なものでしょう。これまで来村ゼミで多くの活動を経験してきましたが、いままで以上の行動力と忍耐力が問われることを、この会議で改めて認識しました。


黒川哲子さん


細川佳洋さん


細見克さん


樋口侑華

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