周濠の水鳥に和む心 国際観光学部2回生 今福義明

私の担当区域は北山亜純さんと重なりますが、応神天皇陵の拝所から西へ進んで外濠の道を南下し、陪塚である東山古墳から西方のはざみ山古墳に向かうコースです。宮内庁古市陵墓監区の北側には大水川(おおみずがわ)という一筋の川が流れています。名に反して水はあまり流れていませんが、直立するコンクリートの護岸壁でしっかり流路が定められています。事務所のすぐ北側に架かる橋の名は「平成橋」です。大鳥塚古墳の前方部から目と鼻の先に架かる橋です。応神天皇陵の外堤にそって西から東へ流れる大水川は平成橋のところで流路を鋭く北にかえ、藤井寺市のほうへ流れてゆきます。

 平成橋の東詰から大水川の右岸にそって西に進む道はタイル張りの散歩道で、御陵橋・五月橋・応神橋などという洒落た名前のついた3本の橋で左岸の散歩道と連接しています。平成橋も含めると、4つの橋がわずか250mの距離に架けられ、住民の往来に便が図られています。散策路と合わせて、町の美観が考慮されているのでしょう。天皇陵周辺の景観に対する配慮かも知れません。最も西側に架かる応神橋のあたりまで来ると国道170号線を走る車の音が気になりはじめます。道はひとたび国道にぶつかり、住宅地の落ち着きは車道の喧噪に一変します。とはいえ、狭い歩道を80mばかり歩くと、外濠の窪地に下りてゆく農道にそれることができます。東を見ると、寺院かとも思える風変わりな建物があります。あとで調べると、天理教櫻木分教会でした。その場所は応神天皇陵内堤の西北隅にあたり、そこから南へ内堤の森が数百メートルも続いてゆくのです。森の外は羽曳野の原風景を彷彿とさせる田園となり、農道を進むと、椿の花や白梅が見えます。白梅は満開の時期を迎え、白色が風景のアクセントとなっています。路傍に並ぶ様々な農園の南端は、低いイチジクの木が並ぶ果樹園でした。そこまで来て西側を見ると、土地が一段高くなり、病院の白い建物が乗っています。その南に茂る森が東山古墳です。東山古墳は一辺60mばかりの方墳で、応神天皇陵の陪塚であると考えられます。古墳の周囲にはフェンスがありませんので、立ち入ることも可能ですが、人を拒むかのように草が茂り、裾には朽ちかけたコンテナも積まれていて、管理はよくありません。
古墳の南に広がる駐車場は、抜けてみてわかったのですが、ビックジョーの駐車場でした。駐車場を含めた広い敷地内にはメイン店舗のステーキハウスの他にも、ちゃんこ料理を出す味喰笑(びっぐじょう)があり、庭園の趣がある入り口には立派なサルスベリの木が植えられています。夏には真っ赤な花を咲かせてくれることでしょう。ステーキハウス前の信号を渡り、西へ150mばかり行くと、車道の北に、はざみ山古墳がありますが、道端の建物に隠れて墳丘は見えません。時間が迫っていましたので、先生と2人だけ別行動をして、急いで見にゆきました。周濠の外堤にあがると、水面に浮かぶ墳丘が目の前に見えます。古墳は墳丘長103mの前方後円墳で、応神天皇陵と同時代の埴輪が出土しています。墳丘の規模が小さい分、形がよくわかります。池のなかには数羽の水鳥が泳いでおり、焦る心が一瞬なごみます。周濠に囲まれた古墳は野犬などの外敵が侵入しないため、渡り鳥にはかっこうの休み場となるのです。古墳を住みかにする鳥たちの姿を見ると、なぜか落ち着きます。そのような心和む風景を古墳群をめぐる楽しみの一つにしてはどうでしょうか。

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