うわさ通りの花の名所であった道明寺天満宮 国際観光学科3回生 樋野智

樋野智さん

 八島塚古墳の東を南北に走る幹線道路を信号付きの横断歩道で渡り、さらに東へ足を運ぶと、まもなく道明寺の参道に着きます。頻繁に車が通るにもかかわらず、路上には白線で仕切っただけの歩道しかありませんので、通行には注意が必要です。道明寺の一帯は古墳の築造工事や埴輪の焼成を生業としていた土師氏の本拠地で、三ッ塚古墳の北側では埴輪を焼いた多数の窯跡が発見されています。道明寺は土師氏の氏寺、道明寺天満宮は土師氏の氏神として創建されました。もともと道明寺は道明寺天満宮と一体で、本堂と本殿が境内の奥に仲良く並んでいましたが、明治5年(1872)の神仏分離令によって神社から切り離され、現在の位置に移されました。真言宗御室派の尼寺で、学問の神として祀られる菅原道真の叔母にあたる覚寿尼が住持していたそうです。

道明寺のサンシュユ

 山門に至る緩い坂道の左右には植樹されたばかりの梅の木が小さな枝に美しい花を咲かせて出迎えてくれます。楼門形式の山門をくぐって境内に入ると、石畳の通路以外は玉砂利が敷き詰められ、あちらこちらに小石を並べて文字が記されています。「道」や「人」などの字は私にも判別できました。祈願の言葉を表わす文章を作っているのでしょうが、どう読めばいいのかがわからず、それだけ余計に気になります。本堂の前には山茱萸(サンシュユ)が植えられ、黄色いつぼみを膨らませていました。まだ開花時期ではありませんでしたが、しだれ桜もありますので、4月には鮮やかな花を咲かせてくれることでしょう。

明寺天満宮梅林

 道明寺の東を南北に走る道は高野山への参詣路である東高野街道です。東門を出て街道の坂を南へ下り、交差点を東へ折れると、すぐに道明寺天満宮の門前に着きます。門前の角には明治8年(1875)創業の料亭、梅廼家(うめのや)があり、道明寺の尼僧が創作したという道明寺粉を使った料理も楽しめるそうです。石段を上がって道明寺天満宮の境内に入ると、屋台の建ち並ぶ参道の先に鳥居があり、その脇に清潔なトイレがあります。この日はちょうど梅まつりの期間中で、本殿の裏に広がる梅園が見ごろです。300円を払って梅園に入ると、白・ピンク・赤など、さまざまな色や形の梅が咲き誇り、鮮やかな綾をなしています。中央に設けられた石造りの展望台に登ると、360度のパノラマで梅園の色彩を楽しめます。梅の風景を堪能したあと、本殿の前に出ると、境内の東端に大きな黒鉄黐(クロガネモチ)の木があり、深緑色をした葉のあちらこちらから新緑が出て、全体に散らばる真っ赤な実とともに鮮やかなコントラストを作っています。道明寺天満宮はうわさ通りの花の名所でした。
  • 資料請求
  • お問い合わせ
  • 交通アクセス