古市古墳群でフラワーツーリズム推進事業に向けた取材を開始しました

2012.3.13

前のページに戻る

国際観光学部 国際観光学科 来村 多加史

古市古墳群でフラワーツーリズム推進事業に向けた取材を開始

古市古墳群の世界遺産登録をサポートするフラワーツーリズム活動

 大阪府・堺市・羽曳野市・藤井寺市が共同で世界文化遺産への登録を目指している百舌鳥・古市古墳群は、平成22年6月14日に国の世界遺産暫定一覧表に記載され、登録実現に向けて大きく前進しました。古墳群には面積で世界最大の規模を誇る仁徳陵古墳を初め、世界の遺産にひけをとらない巨大墳墓が数多く並んでいますので、世界遺産に登録されるに値する資産価値は十分に具えています。

 とはいえ、遺産登録の審査機関であるイコモス(International Council on Monuments and Sites)は、遺産の価値はもちろん、遺産がどれほど良好に保存されているか、遺産がその国の歴史や民族の意識にどれほどの影響を与えてきたのか、という視点に加えて、地元住民がどれほど遺産に親しみ、どれほど大切にしているか、という点まで評価の対象とします。古墳群が保存されていても、住民との関係が希薄であれば、高い評価を受けにくいのです。したがって、登録を目指すには、少なくとも多くの人々が古墳群に親しみを感じるような環境作りが求められます。

 主要な古墳は天皇陵に治定され、天皇家の祖先の墓として幕末から大切にまつられてきましたが、その反面、御陵はありがたく「お参り」するもので、物見遊山に「見に行く」ものではない、という意識が今も消えていません。そのため、安易に天皇陵を観光資源とすることは許されません。古墳群に人を呼ぼうとして天皇陵の前に大きな看板を立てたり、土産物店を列ねたりするような商業行為は、厳に謹まなければならないのです。イコモスも世界遺産を使った観光開発には否定的です。しかしながら、古墳群の価値を国内外に広めるためには、多くの人々に足を運んでもらう必要があります。どうすれば見世物的な観光開発をすることなく、古墳群に人を呼び、親しんでもらうことができるのでしょうか。

 その難題を解くヒントは「花」にありました。着想と構想の経緯については、次回の報告で詳細を述べることにしましょう。我々は「論じるよりも、まず行動」ということで、古市古墳群へ出向き、古墳群の中の「花のある風景」を取材しました。参加した学生は国際観光学科3回生の北川雄一郎君、折道由貴さん、樋野智さん、国際観光学部2回生の泉田真美子さん、北山亜純さん、今福義明君、河野充宏君の7名です。

 3月7日(水)の午前10時から近鉄南大阪線の高鷲・藤井寺・土師ノ里・道明寺駅を縫うように歩き、雄略天皇陵・津堂城山古墳・産土神社・辛国神社・葛井寺・仲津姫陵・古室山古墳・三ツ塚古墳・道明寺天満宮などを巡りました。学生たちはコースを分担し、地図とデジカメを持って、長い距離にも弱音を吐かずに、よく取材をしてくれました。梅の開花時期に当たり、美しい梅園の風景を写真に収めることができたのは幸いでした。以下、学生たちの報告を綴ります。なお、この活動は補助を受けることなく、学生たちの自己負担で行いました。(来村)

古市古墳群全体MAP

古市古墳群全体MAP
※クリックすると大きく表示されます

第1回取材活動のルートと所要時間

北川雄一郎さん

国際観光学科3回生 北川雄一郎
古市古墳群の「花の風景」を探るため、2012年3月7日(水)に来村ゼミの3回生3人と2回生4人の7人が藤井寺・羽曳野市を訪ね、合同で実地調査を行いました。当日は手が少しかじかむ気温で、3月といっても冬物が必要なほどの寒さでした。

前方後円墳ではなかった雄略天皇陵

国際観光学部2回生 泉田真美子
高鷲駅から雄略天皇陵をへて津堂城山古墳に至るまでのコースが私の担当でした。高鷲駅は住宅地の中にあって、北側のロータリーにはパンジーなどを植えたプランターが並べられ、花の風景を探る活動の幸先を予感されてくれました。

津堂城山古墳を彩る市民の草花園

折道由貴さん

国際観光学科3回生 折道由貴
津堂城山古墳から藤井寺駅までのコースが私の担当です。津堂城山古墳は古市古墳群の中では最も古い4世紀後半に築造された前方後円墳であり、二重に巡らされた濠の跡が今も宅地の並びや道にうかがえます。

由緒ある辛国神社と葛井寺

北山亜純さん

国際観光学部2回生 北山亜純
活動を始めてから終わまで、ずっと曇り空でしたが、やわらかい光は花などの接写には最適でした。30分ばかりで昼食をとったあと、藤井寺駅から歩いて辛国神社と藤井寺を参拝しました。

国府台地に並ぶ大小の古墳

今福義明さん

国際観光学部2回生 今福義明
藤井寺駅から古市方面へ向かう電車に乗ると、東へひと駅で土師ノ里駅に着きます。電車では2分ですが、距離は2キロもありますので、歩けば40分ばかりかかります。

古墳を見せることの難しさを感じる

河野充宏さん

国際観光学部2回生 河野充宏
私の担当地区は古室山古墳から藤井寺までの1キロ弱のコースです。途中には応神天皇陵のグループに入る盾塚古墳と仲津山古墳の陪塚と考えられる三ッ塚古墳があります。

うわさ通りの花の名所であった道明寺天満宮

樋野智さん

国際観光学科3回生 樋野智
八島塚古墳の東を南北に走る幹線道路を信号付きの横断歩道で渡り、さらに東へ足を運ぶと、まもなく道明寺の参道に着きます。頻繁に車が通るにもかかわらず、路上には白線で仕切っただけの歩道しかありませんので、通行には注意が必要です。
  • 資料請求
  • お問い合わせ
  • 交通アクセス