烏帽子形城合戦イベントの準備会議に本学学生が参加

2011.9.2

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国際観光学部 国際観光学科 来村 多加史

準備会議に参加した学生

国際観光学部の学生3人が10月29日(土)に河内長野市で開催される教育イベント「烏帽子形城 秋の陣」の準備会議に参加しました。

(写真:河内長野庁舎前にて)

第二回「烏帽子形城 秋の陣」の開催に向けて

準備会議に参加する学生

 南海・近鉄の河内長野駅から歩いて行ける烏帽子形城は、戦国時代に河内の守護大名であった畠山氏などが使用した重要な城です。城の名は遠くから眺めると、山の形が貴族の着用する烏帽子に似ていることに因みます。城跡は中世山城の特徴を備え、曲輪(くるわ)・横堀・堀切・土塁・切岸などの跡がはっきりと残っています。この城跡を教育や地域振興に生かせないかということで、河内長野市ふるさと文化課が主催し、去年の秋に初めて開催したイベントが「烏帽子形城 秋の陣」であったのです。

 地元の三日市小学校の5年生児童140人と阪南大学国際観光学部の学生120人が山城の上下に陣取り、模擬合戦を繰り広げるという前代未聞のイベントでした。小学生たちは城を守ることによって郷土愛を強め、大学生たちは積極性を身につけたのです。また、イベントはマスコミにも取り上げられ、河内長野市の歴史をより広く知ってもらう広報にも結びつきました。この成功により、継続的開催を望む声が多く出されたことを受け、このたび第二回開催が企画されたのです。

 10月29日(土)の開催に向けて、5月17日に第1回準備会議が行われ、今回が第2回目の会議となります。会議ではふるさと文化課、三日市小学校、大阪城甲冑隊、阪南大学の代表者がスケジュールを確認し、問題点やアイデアを出し合いました。以下、参加した学生たちの議事録をもって会議の詳細をお伝えします。

 なお、この活動は阪南大学学会の学生研究活動支援事業より補助を受けています。(来村)

ふるさと文化課の取り組み 国際観光学科 3回生 折道由貴

 残暑厳しい8月31日(水)の午前10時からお昼前までの2時間、河内長野市庁舎8階の会議室で第二回「烏帽子形城 秋の陣」合戦イベントの第2回会議が行われました。私たち3回生は去年の合戦に参加していませんが、今年は積極的に参加しようということで、5月21日(土)に来村ゼミ3回生14人が烏帽子形城跡を視察し、合戦イベントの会場を確認しました。このたびは井原恵美さん、北川雄一郎君と私の3人が選ばれて、第2回準備会議に参加し、議事録を作成しました。ただ会議の席に座っているのではなく、議事録をとることによって会議の内容を掌握し、より積極的に関わる知識を身につけようと考えたのです。とはいえ、役所で開かれるオフィシャルな会議に出席することは3人とも初めての経験でしたので、緊張して発言ができず、議事録をとるだけで精一杯でした。今後、経験を踏んで心を強くし、積極的に発言ができるよう努力します。それでは私が担当した河内長野市ふるさと文化課の議事録を以下に記します。

準備会議の様子

 ふるさと文化課からは、井上剛一課長(文中の写真左)と太田宏明さん(文中の写真右)、宮阪晴久さん(文末の写真左)と小林和美さん(文末の写真右)の4人が出席されました。井上課長のご挨拶に引き続き、議事の進行を務め説明をされたのは太田さんです。山城合戦イベントの立ち上げから尽力され、今年も合戦の担当者として頑張っておられます。

 会議は当日のスケジュールを確認することから始まりました。およその時間割は去年と同様、場内整理に当たる管理班は午前10時に集合します。管理班は河内長野市の職員の方々が担当されますが、金曜日に開催された去年と違い、今年は土曜日の開催となりますので、小学生の保護者や戦国ファンの多数来場が予想されます。少しでも人手が欲しいところですので、国際観光学部の学生が去年以上にしっかりとサポートすることになりました。模擬合戦を行うものは参加班という名で呼ばれます。三日市小学校の5年生児童と担任の先生方、国際観光学部の学生たち、そして河井計実さん率いる大阪城甲冑隊の皆さんです。国際観光学部の学生は全員が朝9時に南キャンパスから大型バスで現地に向かう予定です。10時までには現地入りできるでしょう。

 去年と違う点は、小学生と大学生がいっしょにお昼ごはんを食べることです。去年は大学生だけが現地のお弁当広場で昼食をとり、小学生たちは学校でお昼ごはんを済ませて入場しました。ただ、それでは交流の機会が少ないということで、今年は広場でいっしょに食べることにしたのです。そうすれば、合戦に先だって打ち解けることができ、模擬合戦中にも互いを思いやる気持ちが出るのでは、という意図もあります。

準備会議の様子

 イベントは昼過ぎの1時半から始まります。芝田啓治市長、辰巳浅嗣学長の挨拶のあと、集合写真を撮影し、大学生は先に合戦場へ向かいます。ここで小学生たちが広場でイベントを行うところが、去年と違うもうひとつの点です。詳細は井原恵美さんの議事録をお読みください。模擬合戦は2時45分から3時半までの45分間を予定しています。そのあと、全員で場内の清掃をして解散というスケジュールです。

 今年は2回目ですので、去年の反省が生かせます。音響設備が弱く、合戦中のアナウンスが隅々まで届かなかったことが去年の反省点でした。ふるさと文化課では改善策として大音量の音響設備をイベント会場に設置することにしました。今年は実況もつける予定ですので、音響設備の充足は不可欠です。

 場内整備と当日の整理は市職員の方々が主に行いますが、上述したように今年は特に人手が必要です。10月25日に地元の里山保全委員会の方々と共同で烏帽子形公園の清掃活動を行う予定であるということですので、学生たちもお手伝いできればいいのですが。検討材料です。予想される多数の来場者にどう対応するかが、最大の懸案事項です。幸い会場は山城ですので、登り道以外は急峻な崖になっています。つまり、要所に人員を配置して制限することは可能です。とはいえ、あとから来場する観客が素直に従って下さるでしょうか。マイカーでの来場は固くお断りする姿勢で臨みますが、それでも駐車場をしっかりと管理していなければ、車であふれる事態も予想されます。そういった場合の対策を練っておく必要があります。イベントを企画し運営する仕事に携わろうと思う学生は、すすんで管理班になって、こういう問題点をいかに解消するかを学んでほしいところです。大規模なイベントの開催にどれほどの準備が必要なのかを、このたび改めて実感しました。会議に参加して大きな経験を積んだ気持ちです。

三日市小学校の方針と河井計実さんの提案 国際観光学科 3回生 井原恵美

井原恵美さん

 三日市小学校からは5年生学年主任の金井典子先生が出席されました。まずは金井先生が報告された小学校側の進捗状況からお伝えします。

 合戦の準備は計画的に進めておられまして、すでにPTAに協力していただき、先日、親子の甲冑作り会を開かれたようです。すでにパーツは完成し、あとは黒いスプレーで着色する段階に入っているとのこと。準備の早さに驚かされます。金井先生がおっしゃるには、合戦の準備は早めに済ませ、残る時間で小学校としてやるべきことをする、ということです。やるべきことは教育です。去年の模擬合戦のあと、三日市小学校で浮かび上がった問題は「山城合戦が本当に児童の教育になるのか」という、根本的な疑問です。

 山城を守って郷土愛を強めるのは、教育上の重要な効果であることは間違いありませんが、教育は精神だけではいけません。そこに学習上の成果が求められます。ならばということで、今年は5年生児童による発表とパネル展示を行うことにされたようです。参加する児童を27組の小グループに分け、その代表がお弁当広場のステージで発表し、会場には学習の成果を壁新聞(看板)にして並べる計画です。発表の時間は集合写真の撮影が終わり、大学生たちが合戦場に向かったあとの45分間です。グループ学習の成果をそれぞれのグループの代表がステージで発表するのです。発表内容は大きく次の5部門に分けられます。

(1)河内長野を通過する高野街道の歴史
(2)烏帽子形城の構造と歴史
(3)中世に河内長野で活躍した人物
(4)河内長野で行われた合戦の歴史
(5)河内長野の寺院(観心寺・金剛寺など)の紹介等々

 烏帽子形城での模擬合戦をきっかけとして、小学生がこれらの歴史に興味をもち、知識を身につける。そうして芽生える郷土への関心が真の郷土愛を育むのではないか、という考えです。教育の現場に立つ先生方ならではの方針です。一方、大学生も合戦イベントを楽しむだけではいけません。事前の学習を去年以上に充実させる必要がありますね。

準備会議の様子

 イベントのアドバイザーとして去年から協力をいただいているのは、大阪城甲冑隊の理事長、河井計実さんです。斬新なアイデアを次々と提案し、着々と実行されてこられた地域振興の救世主とも言える方です。東日本大震災では、傷ついた子供たちの心を和らげようと、手製の甲冑を活用したボランティア活動もされてこられました。去年の山城合戦も河井さんの協力によって実現したと言っても、過言ではないでしょう。その河井さんも子供の教育を優先されます。いかに子供たちをノリノリにさせるか。そして、なにごとも経験させる。それが肝心だとおっしゃいます。その意味で、金井先生たちが行おうとしている子供たちの発表会はとてもいいことで、「できれば、できるだけ多くの児童に人前で話す機会を与えて下さい」との希望も示されました。

準備会議の様子

 河井さんはホラ貝の名手です。去年はペットボトルでホラ貝を作り、合戦の雰囲気を盛り上げてはと提案をされました。もちろん、作り方と吹き方を指導をして下さいました。そして、今年はまた新たな提案です。ホラ貝の材料を竹にしてみてはどうか、という案です。竹は全国に生息し、桁外れの生命力で森の木々を追いやっています。いわば森の厄介者です。河内長野市の山々にも竹がはびこっています。その竹を材料にしてホラ貝を作ることができる、と言うのです。河井さんいわく、ペットボトルのホラ貝よりも大きな音がするとか。また、竹の細い部分は打ち鳴らして威嚇する道具にも使えます。竹のホラ貝は観光地の土産物にもなります。高野街道祭りの通行手形も竹を使えばどうか。河内長野の焼印を入れて。などなど、話がどんどん膨らんでいきます。河井さんの頭には膨大な数のアイデアが詰まっているようです。河井さん率いる真田幸村の赤備えをした大阪城甲冑隊のみなさんは、陣太鼓で去年の合戦を盛り上げてくださいました。今年も大いに期待します。

国際観光学部のサポート 国際観光学科 3回生 北川雄一郎

北川雄一郎さん

 第一回模擬合戦イベントは、河内長野市が主催し、三日市小学校と阪南大学が実行し、大阪城甲冑隊がサポートする形で行われました。その体制は今年も変わりません。私たち3人は4者会議に参加して、それぞれの発言内容を記録することに集中しました、と言えばかっこうがいいのですが、実際には初めての会議で緊張し、うながされても発言ができなかった。そう正直に告白します。阪南大学側の意見はすべて来村先生が発言されたのです。

 国際観光学部では後期授業として1回生を対象とした「観光実習導入」を去年から始めています。観光の実践教育を行うことが目的です。観光には様々な分野がありますが、一様に必要なのは積極性と行動力です。その能力を養うためには、学生が一丸となって行う実習が効果的である、という狙いです。その初っ端からいい教材となったのが山城合戦イベントでした。甲冑を作り、それを着用して小学生との模擬合戦に挑む。これほど積極性と行動力が要求される実習の機会はそうありません。ということで、今年も9月最終週から始まる授業で甲冑作りと合戦の訓練を行う予定です。去年は初めての甲冑作りに相当苦労したらしいですが、今年は去年の甲冑も残っていますし、ノウハウも心得ていますので、去年ほどには手間取らないでしょう。その分、合戦の訓練に時間が割ける見込みです。来村先生はそのような状況を説明されました。あとは3者から出される意見に応えて、落ちのつくアイデアを示すことに終始されました。そのひとつが人員の調整です。

準備会議の様子

 去年の開催日は金曜日でした。これは大学側にとって大きな問題となります。金曜日は授業があるため、他学部の先生方へのご協力を仰ぐ必要があり、受講日の調整が大変であったそうです。ということで、「今年は必ず土曜日か日曜日に開催して下さい」というのが大学側からの要求でした。その結果、今年は土曜日の開催と決まったのです。ところが逆に、この変更は三日市小学校側で問題を生じさせることになります。土曜日の開催であれば、児童全員に参加を義務付けることができません。自由参加とするしかないのです。よって、今年は「去年ほどには児童が集まりません。せいぜい80人止まりですね」というのが金井先生の返事でした。こちらを立てれば、あちらが立たず、ということですね。

 去年は5年生の子供たちが140人、大学生が120人という、バランスのとれた人数でした。去年参加した学生は、今年は2回生となっていますが、彼らの間で「また参加したい」という学生が多いようです。そういうことで、大学側は逆に去年を上回る人数となりそうです。この逆転現象は好ましくありません。「どうしようか」という空気が会議場に流れかけたとき、来村先生がみごとな解決策を出されました。「学生をお分けしましょう。」その一言で決まりました。つまり、一部の学生が小学生と共に城を守る兵士になるのです。それならば子供たちの安全を守ることもできますし、大学生どうしの戦いとなれば、去年になかった合戦劇も披露できそうです。この次の会議に参加することができましたら、私もこのような妙案を出したい。そう思いました。
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