2017.1.16

商店街キャンパス構想に向けての第一歩

商店街キャンパス構想に向けての第一歩

 来村ゼミが天美地区の地域活性化に向けて始動。実学教育の拠点となる商店街キャンパスを実現させるため、学生たちも店舗の改装を手伝いました。

天美地区を元気にする活動を開始

 松原市でも街作りの協議会を育てようと、地元や近隣地区の有志が集まり、2016年4月から「imama〜松原天美を元気にするネットワーク」という会を起ち上げました。来村ゼミでは2009年から南河内地域での連携事業を継続的に進めており、松原市内では「開運松原六社」や「松原こども探検隊」を支援してきました。そして、このたび新たに地域活性化の活動をサポートすることになりました。
 幸いなことに、imamaは立ち上げの初年度にして大阪府の「商店街課題解決プラン事業」を委託され、その予算をもって活動の拠点となるチャレンジショップを10月よりオープンしました。「店を出そうと考えているが、商売が成り立つかどうかを試してみたい」という方のための貸店舗です。店舗は河内天美駅の踏切から西へ歩いて1分ばかり、トレビアン天美商店街の中央にあります。シャッターの閉まった古い店舗を改装して、商品の販売や技術指導ができる店としました。改装はDIY(Do it Yourself)、つまり自分たちの手作りで行ない、ゼミの学生たちも、慣れない大工仕事に挑戦しました。

まずは天美商店街の問題点を調査

 松原市内には13ヶ所の商店街があり、どことも商店会が頑張って活性化を図っていますが、やはり全国的な傾向には逆らえず、開店している店舗数が年々減っています。阪南大学の二つのキャンパスを含む天美地区は松原市内では最も人口密度が高く、河内天美駅から東へ向かう天美東商店街はまだまだ活気があります。ただ一方で、駅から西へ続く天美商店街は往時の活況を失い、自転車ばかりが勢いよく走り抜ける通りになっています。
 1987年に大阪市営地下鉄の御堂筋線が南へ延びて北花田の駅ができ、それまで河内天美駅へ向かっていた地区西部の人たちが、北花田駅を最寄り駅とし始めたのと、天美東商店街に三つのスーパーマーケットができ、買い物客の流れが変わったことが原因だと言われています。かつては人々が通りに溢れかえっていたようですが、今はひっそりとしています。とはいえ、心落ち着く幅の狭い道はカラー舗装され、日光を遮るアーケードも架かっていませんので、青空が見え、町がもつ魅力的な風景は色あせていません。活力をなくすさまざまな原因をつきとめ、それを改善すれば、往時の活況を取り戻せるかも知れない。と考え、10月末の大学祭で、来村ゼミとimamaが合同でテントを張り、ゼミ学生たちがキャンパスでアンケート調査を行ないました。項目が多いアンケート調査にもかかわらず、丁寧に説明して協力をお願いしている学生の姿が、とても印象的でした。

全学的な取り組みに向けて

 さて、今後の活動ですが、1月からは地元の方々にお声掛けをして、チャレンジショップで阪南大学の先生方による商店街講座を開催しています。20人も入ると満杯になる狭いスペースですが、それだけにアットホームな雰囲気で親密に知識や意見の交換ができるものと期待しています。ご登場いただくのは、流通学部の大村邦年先生と平山弘先生、経済学部の中原隆幸先生・今城徹先生・村上雅俊先生です。また、チャレンジショップでゼミを開いて下さる先生もいらっしゃいます。
 1月11日(水)には、中原先生が学生23人と店の中で授業をして下さいました。その内容は天美商店街を活性化させるためのアイデア出しで、先生曰く「これまでの授業で最も盛り上がりました」と。さすがに、これだけの人数では、立ち見の学生が出るほどに窮屈ですが、店の入り口はシースルーカーテンを垂らしているだけですので、通る人たちが「なんだ、なんだ」と足を止めます。静かな商店街がいきなりキャンパスになったのですから、驚かれるもの当然です。おかげさまで、ゼミを開くだけで町に変化が起こることが証明されました。学生たちも現場で話し合うことの意義を感じたようで、本学が進める実学教育には、こういう「現場の教室」が必要であることを、改めて感じた次第です。商店街キャンパス構想の実現に向けて頑張ります。(来村)

Imama〜松原天美を元気にするネットワークのHPはこちら
http://www.imama.jp/