2016年度:後半
国際観光学部和泉研究室研究活動報告「兵庫県養父市における観光地域づくり研究」

 阪南大学国際観光学部和泉研究室は「地域・観光の創造(地域資源や人的ネットワークなどを活用しながら、地域づくりや観光振興のための新たなデザインプランを思考・提案し、地域の方々と共創的に実践する)」を研究テーマとしています。平成27年度から3ヶ年の予定で、地域資源がまとまりをもって集中する兵庫県養父市大屋地区において、豊富な地域資源を観光資源として活用する観光地域づくりデザインを思考・実践し、コミュニティーベースの経済振興を生成しながら、地域基盤の強化や活性化を目指すという取り組みを養父市商工会との産学連携という形態で共創的に展開させています。2ヶ年目である平成28年度については、地域に寄り添う企業である「日の出通商株式会社食品カンパニー但馬醸造所」への新しい商品のデザイン提案・商品開発に取り組んでいます。
 今回は平成28年度後半の研究活動について報告させていただきます。

2016年11月3日〜5日 フィールドワーク(天滝もみじ祭り・地域交流会)

1)天滝もみじ祭りへスタッフとして参加
 11月3日は養父市大屋地区で毎年開催されている天滝もみじ祭りへスタッフとして参加させていただきました。ここでは、9月に「日の出通商株式会社食品カンパニー但馬醸造所」へ新商品開発のプレゼン提案し、採用された「まぜまぜトマト」が試作品としてお目見えしました。「まぜまぜトマト」はクレープのソースとして使用し、イベント来場者へ試食していただき、アンケート調査を行いました。結果、「おいしい」という多くの意見を頂戴することができました。これにはゼミ学生も嬉しそうにしていました。
 また、もみじ祭りでは地域の方々と一緒になって踊るなど、コミュニケーションを取りながら少しずつ地域へ溶け込んでいる様が伺えました。
2)フィールドワーク
 1日1組限定の古民家宿「こころの里 懐(かい)」を見学させていただきました。ここでは、ご主人の飯野さんにご説明をいただきました。なかでも、ここへ行き着くまでにご苦労された話、懸命に尽力された話には学生も聞き入っていました。観光地域づくりの学びを飛び超え、人生の学びのようなものもご教示いただきました。
 また、大屋地区内をフィールドワークし、改めて地区の魅力を感じました。
3)地域交流会へスタッフとして参加
 「日の出通商株式会社食品カンパニー但馬醸造所」が毎年開催している地域交流会へスタッフとして参加させていただきました。ここでは、地域の方々に地域の現状などを伺うことができました。もちろん、とても美味しい「但馬牛」もいただきました。
 平成27年7月よりスタートした養父市大屋地区における観光地域づくり研究は、平成29年度に3年目の最終年度となりますが、養父市商工会からは、今後も共創的活動を継続したいと考えている旨を伺っています。このような地域の期待にこたえるためにも、最終年度も地域のステークホルダーと連関を生じさせ、地域の方々とのディスカッションの機会を増加させながら、観光を共通項とする新たなコミュニティーの形成を目指し、観光地域づくりのきっかけとなるムーブメントを創発したいと考えています。