実学シリーズ2013 「第15回キャンパスベンチャーグランプリ大阪」で 近畿経済産業局長賞を受賞。

2014.1.31

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経営情報学部 経営情報学科 花川 典子

実学シリーズ2013
花川研究室 「第15回キャンパスベンチャーグランプリ大阪」で 近畿経済産業局長賞を受賞。

 関西の学生による新事業提案コンテスト「第15回キャンパスベンチャーグランプリ大阪」(共催 摂津水都信用金庫・日刊工業新聞社)の表彰式と発表会が、1月21日(火)にANAクラウンプラザホテル大阪で開催された。
 36の大学・高専・専門学校から213件の応募があり、阪南大学からは、経営情報学部花川典子(はなかわのりこ)研究室の臼杵高太郎君(4年生)・三村沙織さん(3年生)・三俣涼介君(3年生)の提案した「Zenderman ─あなたのプライバシーを守ります─」が特別賞の近畿経済産業局長賞を受賞。賞状と賞金十万円が贈られた。
 表彰式の後には選考時同様に自らの提案をプレゼンテーションする発表会もあり、昨年度も佳作を受賞した臼杵君がプレゼンテーションを行った。
 日頃から「身近な問題を発見し、解決する」ことをモットーに、柔軟な発想で実践的なソフト開発に取り組んでいる花川ゼミ。その姿勢が開花し、2年連続9度目の入賞となった。

36校・213件の事業提案から2年連続9度目の入賞。

15回目を迎える「キャンパスベンチャーグランプリ大阪」は、起業をめざす学生の支援と新産業の創出・人材育成を目的として始まり、学生起業コンテストのパイオニア的存在。大阪からスタートしたこのコンテストも、現在では北海道・東北・東京・中部・中国・四国・九州と全国8区へ広がり、各区の最優秀賞と優秀賞が集って競い合う全国大会も3月で10回目を迎える。
今回最優秀賞に輝いたのは大阪経済大学「ICTを利用した駐車場拡大事業〜駐車スペース共有サービス」。優秀賞(2件)・特別賞(4件)・奨励賞(3件)・佳作(4件)・努力賞(3件)を含め、授賞数は18件となった。
受賞名 学校名 テーマ
最優秀賞 大阪経済大学 ICTを利用した駐車場拡大事業〜駐車スペース共有サービス
優秀賞 奈良先端科学技術大学院大学 好きな声から学べる日本人向け英語発音矯正アプリ
同志社大学 My Nail 3D
特別賞 阪南大学 Zenderman ─あなたのプライバシーを守ります─
京都大学 社会インフラ維持管理システムの開発と市場効率化
京都大学 漫画ページを引用したレビューサイト
京都大学大学院 プリンターで味を印刷!?─第3の情報「味覚」を伝送」─
奨励賞 大阪大学大学院 製薬に伝える超音波イノベーション〜人と薬のより良いカタチ〜
同志社大学 銭湯でホット・ジャパン戦略
甲南大学/神戸大学
大阪大学/関西大学
Idol Teacher
佳作 立命館大学 シナプス〜ベンチャーが創るネットインフラ事業
関西学院大学 製薬業界における新しい雇用の創出─コール数請負業務
京都産業大学 D-LINK〜みんなで産み出すデザインコンテスト
同志社大学 楽食の家
努力賞 大阪大学 大学生のためのQ&Aサイト『College Gate』
関西大学 位置登録情報・近距離無線通信を利用した観光活性化ゲームの開発
武庫川女子大学 信頼できる格安Q&Aサイト『Professional Answer』
大阪国際大学 休耕田を利用した地産エネルギーを用いるコミュニティバスの運行
阪南大学は1999年度の第1回目からこのコンテストに挑戦し、佳作で入賞。以来、今回の「Zenderman ─あなたのプライバシーを守ります─」での特別賞・近畿経済産業局長賞受賞で9度目11件の受賞に。上位の常連大学といえるだろう。
南努審査委員長(大阪府立産業総合研究所前所長)からは、応募された提案のうちの8割がスマートフォンやパソコンにかかわるもので、時代を象徴しているとの講評があった。阪南大学の提案も、スマートフォンのアプリ。時代の要求に応えたものだ。

Zenderman ─あなたのプライバシーを守ります─

臼杵君、三村さん、三俣さんの3名が提案した「Zenderman ─あなたのプライバシーを守ります─」は、twitter・Facebook・LINEなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)上に投稿されるいたずら画像などの拡散を防止するためのスマートフォン用アプリ。アルバイト店員のいたずら画像がインターネット上で拡散し、社会問題となった「バイトテロ」現象が典型的な例だが、その他にも特定の人物や企業に扮して情報を発信する「なりすまし」やアダルト利用など、インターネット上に一度画像が投稿されてしまうと、閲覧者がそれをダウンロード・コピーしてしまうために、削除依頼をしてもその画像を根絶してしまうことは難しい。 こうした問題を解決するために開発されたのがZendermanだ。独自プログラムが仕込んであり、Zendermanで撮影した写真をFacebook等にアップしても、第三者はダウンロードすることができない。また万一第三者のパソコンに取り込むことができたとしても、自滅型プログラムが実行され、写真を見ることは不可能となる。現在、スマートフォンの出荷台数がパソコンの出荷台数を上回ってきているため、スマートフォン用アプリとしての商品化を選択し、アプリ販売および法人へのライセンス契約として提案した。

逆転の発想が生んだ「役に立ち、かつ使いやすいアプリ」。

花川ゼミ4年生の臼杵君は、昨年度もこのコンテストに応募し、「きっとやれる子─ワイヤレスチェーン─」で佳作を受賞している。前回は先輩にリードしてもらっての参加だったが、今回は3年生の三村さんと三俣君を引っ張っていくリーダー役。発表会でのプレゼンテーションも堂々としたパフォーマンスを披露した。

Zenderman開発の入り口となったのは「社会にある問題をどのように解決するか」という花川ゼミのモットーからだと臼杵君は語る。「いつも花川先生から言われていることですが、人々が困っていること、解決してほしいことをまず見つけるところから始めました」。身近な問題をいろいろ考えていったところ、三村さんのFacebookにまつわる経験がヒントに。自分の映っている写真が第三者のfacebookにアップされているのを見て、載せてほしくないと思ったことがあったという。三村さんは「最初は特定の顔を消すソフトを作ろうと考えたのですが、手間がかかり気軽に使ってもらえない。商品として売るものなので、使いやすさは開発上の大きなポイントですね」と開発を振り返る。

別の方向から解決策を見つけ出そうと「個人情報を拡散させたくない」という原点を見つめ直し、スマートフォンのカメラが集める情報に注目する。カメラは撮影時にいつどこで撮影したかの位置情報を集める。ところが、これを活用してプライバシーを守る方法を探っている最中に、今後は位置情報はプライバシー保護のためにウィルスバスターでカットされてしまうことが判明する。またしても壁にぶつかったかに見えたが、ここから道が開けてくる。
花川教授は、「 彼らは“位置情報がカットされる” ということを利用すればいいんだと気づいてくれたんです。写真を撮影する時に位置情報をバイナリとして埋め込めば、ウィルスバスターはその写真をウィルスと認識するため、ダウンロードできないというわけです。逆転の発想ですね」。
ダウンロードできなければ拡散は防ぐことができる。顔を消すよりもずっとシンプルなアプリは、試行錯誤しながら1ヵ月半ほどで完成した。

三俣君は「スマートフォンに標準装備されるのが理想なので、それをめざして動きたい。また動画機能にも対応できれば」と早くも次の課題を見つけて、取り組んでいるようだ。

挑戦することで、見えてきた自分の未来。

事業提案のコンテストに応募することは、人や社会に貢献するための提案をするということ。花川教授は、それこそが本来の学びの姿だと語る。「プログラミングのゼミではありますが、プログラミングは社会を良くするための手段であって目的ではありません。今回の受賞も、技術としてはとてもシンプルなものですが、画像の拡散という問題に応えられれば難しい技術である必要はありません。常にやわらかい頭と広い視野を持ってもらいたいですね」。

三俣君はそんな花川教授の技術に対する考え方に共感したという。「実は僕はプログラミングはあまり得意ではないのですが、企画やアイデアを重視してくださる花川先生から仕事で生かせる物の見方を学ぶことができました。将来は技術職としてではなく、技術を理解する企画部門の人間として働いていければと思っています」と将来について語ってくれた。

三村さんは、情報の教諭をめざしているという。「花川先生のように、情報について楽しく指導できる先生に憧れています。情報について学べば、今回のZendermanのように社会にアプローチする力が身につくことを生徒たちに教えてあげたいです」と教員への夢を語ってくれた。

そしてリーダーであり4年生の臼杵君はIT企業にシステムエンジニアとして内定しているという。「花川先生が昨年度・今年度とこのコンテストに挑戦した姿勢を評価してくださり、長期インターンシップ先を紹介していただきました。その企業から内定をいただくことができ、嬉しく思っています」。春からは念願のSEとして社会へ羽ばたく。
メーカーで技術者として開発に携わっていた花川教授は、「世の中に役立つものを考えるのに必要なのはやはりコミュニケーション能力です。コミュニケーションするには人の話をよく聞くことが大前提ですが、聞いているだけでなく、相手が何を考えているか、本当は何を望んでいるのかを先取りすることが大切。それが問題を発見し、ニーズを掘りおこすことにつながります」と、学ぶのに必要な姿勢を語る。
そして「継続して入賞し続けることはとても大切。先輩から後輩へとノウハウを継承し、関西圏での阪南大学のアピール力を保ってほしいですね。もちろん来年度は最優秀賞を受賞して全国大会に行ってくれれば嬉しいですね」とコンテストへの抱負を語った。
大ヒットアプリを花川ゼミ出身のエンジニアが開発する日も近そうだ。
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