河内天美商店街「チャレンジショップ」での活動

 阪南大学経済学部のHPをご覧の皆さん、こんにちは。わたしは経済学部中原ゼミ所属の藤田隼輔と申します。私が所属しているゼミは9つあるパッケージの中で公共サービスパッケージに分類されます。公共サービスパッケージとは、公務員を目指す学生が多く在籍するパッケージです。ですから、このゼミに所属している学生は各々の目指す公務員の採用試験に向けて日々勉強しています。しかし、机に向かって勉強しているだけでは実際に公務員になったときに必要な実践的な能力は身に付きません。ここでいう実践的な能力とはコミュニケーション能力のことであり、警察・消防・市役所、どの職場に行っても地域の方々と接する機会は多くなるので、この能力は絶対に必要になります。さらに、調べる力、調べた情報をもとにプランを立てる力、それを相手に伝えるプレゼンテーション能力は一般企業に就職する際にも身に付けておくと大変有益です。
 そこで中原ゼミでは、本年2月から3月にかけて、国際観光学部来村多加史教授が主催されている「商店街活性化プラン(チャレンジショップ)」にゼミ生全員が参加させていただきました。具体的には、大学の最寄り駅である河内天美駅のすぐ近くにある河内天美商店街の現状を調べ、その現状を踏まえ活性化プランを考え、そのプランを商店街の方々の前で発表するということを行いました。
 わたしたちは、実際に商店街に足を運び、「何割くらいの店が閉まっているのか」、「営業中の店はどのような種類の店か」、「営業中の店はなぜ続いているのか」などを調査しました。さらに、アンケート調査も実施し、商店街を通る地域の方々にアンケートに答えてもらい、より詳しい情報収集も行いました。現代ではインターネットで情報収取をすることが多くなってきています。しかし、私たちは自分たちの足でその場所に行き、自分たちの目で情報収集することの大切さを学び、その場所に実際に行かないと気づけないこともたくさんあるのだということを経験しました。
 次いで、わたしたちはその調査から得られた結果をゼミで報告しあって情報を共有しました。そこで得た情報をもとに、まずは個人で「商店街活性化には何が必要か」、「具体的な活性化プランはどのようなものか」を考え、ゼミの時間に互いに報告し合って、どのプランが良いのかなどを検討し、4つのプランに絞り込みました。そのときのゼミは、「こっちのほうが良いのではないか」、「そのプランはあまりよくないのではないか」などの多くの意見が飛び交う活気のある報告会でした。そして、その4つのプランをより詳細に、より具体的に、より分かりやすくするために、ゼミの時間だけではなく休み時間や放課後に図書館などを利用して意見を出し合い、何度も試行錯誤を重ねました。そして、出来上がったプランをパワーポイントにまとめ商店街の方々の前で発表しました。
 さらに、別の日には、いつもは大学の教室で行っている授業をこの河内天美商店街の「チャレンジショップ」というスペースで行いました。すると、その前の道路を通る人たちが足を止めてこちらを見て「何をしているんだろ」と興味を示してくださいました。このチャレンジショップで授業を行うだけで商店街にちょっとした変化が起こるということが分かりました。また私たち学生もいつもと違う環境での授業にとても新鮮さがありました。
 この取り組みで、コミュニケーション能力、調べる力、その調べた情報をもとにプランを立てる力、そのプランを発表するプレゼンテーション能力など、社会人になってから必ず必要なことを身に付けられたと思います。そして、一般企業に就職するにしても、公務員になるとしても、採用試験は必ずあり、その中でも面接試験は一番の難関といってもいいでしょう。その面接試験の中で必ずと言ってもいいほど聞かれるのは「大学生活で頑張ったことは何ですか」という質問です。これにしっかり答えられなければ面接官に、「君は4年間特に何も頑張ってこなかったのか」と思われて悪い印象を与えてしまうかもしれません。そういう面で、このような取り組みは、面接官に自信をもってアピールできるポイントになるのではないかと思います。
 河内天美商店街の活性化に向けての活動やチャレンジショップでの授業は、阪南大学の教育方針である実学教育にとてもふさわしい取り組みであり、私たち学生にもとても良い経験になりました。