2016.12.26

大阪府商工労働部との連携事業「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」⑩ 株式会社伊藤製作所を訪問しました(経済学部三木ゼミ2年生)

大阪府商工労働部との連携事業「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」⑩
株式会社伊藤製作所を訪問しました(経済学部三木ゼミ2年生)

 2016年12月14日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、東大阪市にある株式会社伊藤製作所を訪問し、代表取締役社長の伊藤雄一さん、営業部課長の伊藤正義さんにお話をうかがいました。
 株式会社伊藤製作所は昭和42年創業、自動車用コントロールケーブルの取付金具を主力商品とする金属加工メーカーです。設計・試作・量産試作・金型製作・量産・検査・出荷まで自社で行うことにより、短納期・コスト削減などの顧客要望に応えられる強みを持っています。2014年に大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。

(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業振興機構、地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所で構成
 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部2年生 佐野 宏太 さん

 2016年12月14日に私たち三木ゼミは「株式会社伊藤製作所」を訪問しました。
 伊藤製作所では「一貫生産」といって、設計・試作・金型・量産・検査の工程を全て自社で行っています。CAD/CAMシステムによって図面を設計し、その設計に沿って金属をプレス機で加工しています。主に自動車部品や画材道具を製造しており、その中でも自動車部品の取引が全体の90%を占めています。全国各地の工場へ部品の出荷・納品もありますが、海外への出荷・納品が60%〜70%を占めています。下請けの同業者が約100社あるとのことですが、その中でも材質・量・コストなどが取引先から高い評価を受けているとおしゃっていました。
 工場見学で出荷・検査部のフロアを見ていた際に、金型に固めのゴムを通してひっかけるという工程がありました。今まではその作業を人の手で行っていたのですが、ゴムが固く手を怪我したり、一つ作るのに時間がかかったりして効率が良くないのを見かねた専務が、作業に合った機械を作って下さったとおっしゃっていました。それにより、作業スピードが上がり、生産量も増えて効率が格段に上がったとのことです。実際にその機械で作業をさせていただくと、初めて機械を触る素人の私でも簡単に数秒で製品が出来上がりました。企業訪問の工場見学で実際に機械を扱って作業を体験させていただいたのは初めてだったので、とても良い経験になりました。また、在庫を管理するフロアでは発注ミスやの納品ミスを防ぐための工夫として、商品コードなどが記されている用紙にQRコードがあり、それを読み取ると商品の写真がパソコンに表示され類似商品と間違えないようにする工夫がありました。こちらもQRコードのシステムを導入したことで商品の誤発注なども減ったようでした。これらのように、中小企業は様々な工夫を施すことで作業効率を上げ、他社と競い合っていました。
 今まで企業訪問をしてきて、中小企業の強みや会社が行う工夫には、会社と働いている人が成長できるよう多くの考えや思いが込められているのだと感じるようになりました。自分の就職活動でも参考にしていきます。

経済学部2年生 森永 弘佳 さん

 12月14日に「ものづくり中小企業と大学生の求人ミスマッチ解消」事業で金属加工業の株式会社伊藤製作所に訪問しました。
 伊藤製作所は設計・試作・量産試作・量産・検査・出荷までをこなす自社一貫生産の中小企業です。最初から最後まで生産を自社で行うことでよりお客様の要望に迅速に応えることができます。
 私が伊藤製作所を訪問して最初に思ったことは今まで訪問した中小企業の中で工場も含めてとてもキレイだということです。中小企業や工場のイメージは正直、機械音がすごく、汚いという印象がありました。しかし、伊藤製作所は今までのイメージとは違いとてもきれいでした。
 企業説明が終わった後に工場見学をしました。最初の企業説明や訪問前に見たwebサイトではわからない部分が何個かありました。しかし、作業している様子や実物、これらに加え工場見学の説明で伊藤製作所ではどのような商品が製造されているのかがわかりました。伊藤製作所で製造されている商品はほとんど私たちの目に入ることはありません。しかし、車や機械などの内部には伊藤製作所で製造された多くの部品が使用されているということがわかりました。例えば、車本体とドアをつなぐ部分や、車のオイルのフタを開けるレバーやトランクを開けるときに引っ張るレバーの金属部分に使われています。思っていたよりも私たちの見えない身近なところで、伊藤製作所で製造された部品が使用されているのだと思いました。
 また、伊藤伊製作所の製品は国内だけでなく海外にも輸出されています。6、7割が海外への輸出だそうです。しかし、海外に工場があるわけではないので日本で生産し輸出しています。このように海外シェアが多い中小企業が増えていくことで大阪のものづくりが世界中に広まっていくのではないかと思います。伊藤製作所でしかできない、日本の中小企業でしかできない技術がもっと増えていき多くの人たちに認められていったらいいと思いました。

経済学部2年生 飯尾 梨紗 さん

 12月14日私たちは伊藤製作所を訪問しました。業務内容は金属の設計・試作・金型製作・量産・検査・出荷で、全てを自社で行なっています。他社へ引き継ぎすることなくお客様に提供することができます。途中で発生した問題もすぐに解決策を打つことができ短い期間で解決できるところが強みだそうです。また5S活動も行なっており、実際工場を見学させていただいたくと製品も定められたところにきちんと並べられていました。中小企業ではまだ導入されているところが少ない機械を導入し、どこに何があるのかがすぐに分かるようになったためミスや手間が少なくなり、また自作の機械を作る事で危険や重労働が少なくなり仕事の効率が抜群に上がったそうです。工場内全てがとても綺麗にされていてこの5S活動に力を入れているのがよく分かりました。工場見学の合間もこの部品がどのように作られ、どこに使われているのか、など一つ一つの部品のことを事細かく説明していただきました。とても分かりやすくて、その部品が思っていたより身近に使われていたりして親近感が湧きさらに豆知識なども教えてくれるのでとても為になりました。簡単な機械操作の体験もさせていただきました。たくさんの企業訪問をさせていただきましたが、機械操作の体験はこの会社が初めてで、こんなことさせてくれるんだと印象に残りました。とても楽しくてこれは学生にとってはいい経験になるだろうなと思いました。
 社長さんのお話も聞かせていただきました。社長さんはなんとまだ30代でとても若く、でも若いことで苦労することも多いらしくそれがとても悔しいけれど、若いからこそ出来ることがあるし、将来性もある、年功序列なんか関係なく出来る人が引っ張っていけばいいとおっしゃっていました。また、仕事ができるだけが全てではなく人間に一番大事なのは礼儀や協調性で、いくら良い機械や設備が整っていても最後は人と人の繋がりだと、外部講師を呼んだり学校に行かせたりするなど社員の人材育成に一番力を注いでいるとおっしゃっていたのがとても印象に残りました。どれだけ能力があっても必要最低限の行いや、人を思いやる心があってこそだと思い、それが当たり前にできるように心がける良い機会になりました。

ご参考