2016年度海外インターンシップ ベトナムクラス 参加学生の感想・気付き①

 2016年度海外インターンシップ ベトナムクラスの6名が、9月18日(日)にホーチミンから成田経由で伊丹空港に安着しました。日本では得難い様々な経験を積むことにより、一回り大きな人間となって帰国したと思います。
 今後、何回かに分けて参加学生の感想・気付きを紹介します。今回はその第1回となります。
  • 帰国当日の朝、宿泊先ホテル前にて

経済学部3年 松井 大輔 さん

 今回、私たちは8月21日から9月18日までベトナム・ホーチミンに滞在し、インターシップで就業体験をさせていただきました。私は経済学部のアジアビジネスパッケージに所属していることもあり、2年次からアジアの経済情勢について学ぶ機会が設けられ、東南アジアの発展途上国についての学びも深めてきた中で、私の中でも東南アジアに対する意識が強くなり、今後経済のグローバル化が更に進みベトナムの様な発展途上国とのつながりがより強くなると考え、今回の機会は、就職後のためにはとても良い経験になるのでは、と思い参加いたしました。また、私は明確な将来の夢や進路を持てていないこともあり、1ヵ月今までとは全く違う環境の下で働き、これまでに見られなかった部分、仕事や経済などを実際に肌で感じ将来の新たな選択肢を模索するという考えもあり挑戦しようと思いました。渡航して間もなくは、不安や心配で頭がいっぱいでした。アルバイトを除いて企業で働くとういこと自体初めてあり、言語や文化の壁もあり、企業の役にたてるのだろうか、と感じていました。
 私が働かせていただいた企業はTDC (VIETNAM TOTAL DESIGN & CONSTRUCTION)という日本のクオリティをベトナム価格で提供する総合建築会社でした。日本ではあまり馴染みのない企業であり、工場団地内での工場の建設やオフィス、カフェなどの建設、リフォームなども行っている企業であり、事前に企業の事について調べるなど準備し取り組んできました。オフィス内は日本人が4名おり、それ以外は全員ベトナム人という職場でした。しかし、私たちは1ヵ月という期間であり、なおかつ建築の専門的な知識が無く、建築に深く関わる仕事内容はできなかったため、営業、外回りの同行や、オフィス内で資料の作成などの仕事を行いました。仕事を行うにあたって、欧米ではないといえどもやはり英語が必要であるという事が身に染みるほど感じました。これまで、英語検定やTOEICといった文字に書かれた英語を和訳して答えるといった勉強は経験したことがありましたが、英語を聞き、英語を言葉として発して回答するという点が今まで学習してきた点と異なる部分であり、特に英語を言葉として発する、という点が一番難しく感じました。また、今回働かせていただいたTDCさんは良い意味で放任主義であり、自分で考えて自分で行動することが求められました。与えられてことをこなすことは私自身出来ていると感じていましたが、自分で考え自分で行動するといった自発的な行動は苦手であると自覚しており、今回の機会でその点が鍛えられたのではないかと感じています。渡航して初めの1週間は自分から動くことが出来ずにいました。しかし、1ヵ月で沢山の事を得るためにベトナムに来たのだということを思いだし、次の週からは自ら行動を移すことができました。1つの仕事が終わり、手があいた状態になると、営業の同行や雑用を回してもらえるよう、会社内のスタッフに自ら直訴するなど、その行動が自然と出来るようになり。今までの指示待ちの状態がなくなりました。
 仕事内容としては外回りの同行で、主に、工場や建物の不具合箇所の確認を、図面を使いチェックするなど行いました。不具合箇所のチェックを行う中で、お互いの企業の方との意見交換する光景など目にし、企業で勤める人としてあるべき姿を見させていただきました。企業自体の信頼など様々な面を考え、意見や質問をされている所に、その分野のプロフェッショナルを感じました。私自身に照らし合わせても、2年後には何らかの企業に属し、ある分野に関してプロフェッショナルでなければならないのだと感じ、仕事にたいする姿勢や取り組み、こだわりなど意識高くもつことの大切さを、姿で教わりました。オフィス内での仕事においては、資料作成が多く、また、扱う資料がほとんど英語で表記されており、日本ではあまり出来ないような体験をさせていただきました。また、一度膨大な量を任され、あまりの量の多さ、そして英語、ベトナム語での表記にとても驚きました。これが、企業で扱う情報量の量なのか。と感じ、資料を渡された時に少し絶望を感じたぐらいでした。しかし、今後、就職した際にこれぐらいの量を取り扱うのだと思い、逆に今体験できて良かったと感じております。その資料においては期日の1日前にはなんとか終えることができました。試行錯誤の上、効率性の良い方法を見出し取り組み、いかに効率良く、正確に仕事ここなすか、ということの重要性を学ぶことができました。
 渡航する前は1ヵ月がとても長く感じていましたが、インターンシップが終わる直前では、もう終わるのか、と感じました。とても刺激を受ける毎日を送らせていただき、もっと学びもっと成長したいという気持ちが強くなりました。日本では到底体験できない様な貴重な時間であり、また、成長できたと少し実感できたからこそ思えたのではないかと感じました。様々な仕事や学ぶ機会を与えて下さったTDCのスタッフさんには感謝の気持ちでいっぱいです。1ヵ月の体験を無駄にせず、今後の少ない大学生活を濃度の高いモノにし、就活の際、他の学生より1歩リード出来ている様、更なる成長ができればいいと思います。

流通学部 3年生 瀧川 大暉 さん

 私は今回、4週間のベトナムインターンシップに参加しました。ベトナムでのインターンシップ参加を希望した理由は、元々発展途上国でのビジネスに興味があり、実際にその地で生活をしながら働くということが、とても良い経験になると思ったからです。
 私の研修先は、RAZONAというウェブサイトのデザイン、及び開発を行っている会社でした。RAZONAは本社の東京に加え、沖縄、バルセロナ、ホーチミンに拠点があり、ホーチミン支社は、スマートフォン向けのアプリやウェブサイトの設計開発を行っていました。
 RAZONAへインターンシップとして来ている学生は、私を含め4人いました。インターン生に課された主な業務は、新たに制作するグルメアプリのための情報収集、及び営業でした。ホーチミンには、日本人街と呼ばれるレタントン通りがあり、その周辺には日本食店が集結しています。今回のアプリは、そのレタントン通り周辺の日本食店、及びカフェを主に日本人の駐在員に紹介することが目的でした。
 最初の1週間は、他のグルメアプリや観光アプリなどの各媒体を使い、日本食店とカフェの情報を集めました。また、他の媒体の特徴を調べ、今回のアプリは何で差別化を図るのかなどを、他のインターン生と話し合いました。他のインターン生は誰もが意識が高く、彼らと議論する事でとても大きな刺激を受けました。
 営業内容などを決め、 2週目から実際にレタントン通りへ行き、アプリの掲載許可を取るための営業を開始しました。まず直面した問題は、言語の壁です。日本食店への営業とは言え、従業員はベトナム人の方ばかりで、日本語が通じないことが殆どでした。また、日本人がオーナーのお店でも、常にお店にいる訳では無かったので、必ずベトナム人の方とコミュニケーションを取らなければならない状況でした。他のインターン生は英語が得意な人ばかりで、英語で営業を行っていましたが、私は英語ができなかったので、初日は自分が伝えたいことをなかなか伝えられず、とても苦労しました。このままでは、自分が足手まといになってしまうと思ったので、営業で伝える内容と、質問されるであろう項目に対する返答を、全てベトナム語に翻訳し、それらをノートにまとめました。そのノートを見せながら営業をすると、相手の方にすぐ理解してもらえるようになり、スムーズに交渉をすることができるようになりました。
 アプリには無料で掲載するということだったので、殆どのお店から許可を頂くことが出来ましたが、中にはあまり興味を持ってもらえず、断られてしまうこともありました。そういったお店には、何度も訪問し、粘り強く交渉しました。何度も足を運ぶことで、顔を覚えていただき、許可を頂けるケースもありました。何度も断られたり、話も聞いてもらえなかったりした時は少し落ち込みましたが、あきらめずに訪問することで、結果を出すことが出来たことはとても自信に繋がりました。
 今回のインターンシップを通して感じたことは、自分はもっと勉強しなくてはならないということです。語学などもそうですが、他大学のインターン生と議論した際や、CEOの方とお話をした時などに、自分の知識のなさを痛感しました。様々な分野に対して幅広い知識を持てるように勉強していきたいです。
 今回のインターンシップに参加したことによって、普段の生活では出会えないような方のお話を聞く機会があったり、とても刺激的な体験をしたりすることができました。また、自分に何が足りていないのかなども知ることができました。この授業を履修する時は、少し不安などもありましたが、インターンシップを終えた今は、とても良い経験をすることができたと感じているので、このプログラムに参加をして本当に良かったと思います。